はっせ 小説用のブログ -9ページ目

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雷「…いってぇ…、つーか静明早く起きろよ」


静明「…」


雷「三城は三城で放心状態だしよー、わけわかんねーよ。てか俺が一番重症だろ」


訳の分からないことを言っているのか筋が通っているのかいまいちよくわからない


事を愚痴りながら、仰向けに寝ている静明の肩を揺らす。


静明の体は少しビクッと揺れたが、それ以上は何の反応もない


雷「お前、一撃で倒れるとかアリかよ…。お前のせいで痛めつけられたのによー。まったく腹が立つな」


より一層、ぶんぶんと肩を揺らすとさすがに気付いたのか、眠そうな声を出しながら起きる。


「…いてーよ」


雷「こっちがいてーわ。ってか誰か苦笑いをした後の三城の目を覚まさせてくれ。わけわからん」


静明「…ミーがどうかしたのか?」


雷「いい加減そのあだ名やめろよ、気色悪い」


静明「よし、死ね」


雷「よしってなんだ、よしって。」


よくわからない会話が終わった後、静明は立ち上がって三城の肩を揺さぶる。


「おーい、おきろー」


「…ひっ!!!!・・・・ってシズか。起きたのか?」


「ああ、おう。っていうかどうしたんだ?」


「いや、ちょっと7年前の事思い出してて」


「ああ、親父さんか」


「うん」



ライは二人の意味深な会話を聞いていて少し内容が気になったが深追いしないようにした。


ってかこれ以上何かに巻き込まれるのは御免だ。



ふと雷の脳裏に柚子葉が持った地図が浮かぶ。

そういやどうなったんだ、あの地図。まだ柚子葉たちともあえてねーし、早く合流できるといいけど。


痛む腕を掴みながら雷は思った。



―――――――――――――――



辰平「っと、もうすぐか湖」


辰平「湖っていうと、アレだよな。昔俺らが見つけた地図」


柏木「あったあった。天の地からうめき声が聞こえてくるときやっけ?あれどこ行ったんやろな」



柚子葉・聖架「え」


「…ん?どうしたお嬢ちゃん等。あ、もしかしてその地図に興味があるんか?」


柚子葉「興味があるも何も…私、それ持ってるけど!?!!!!!!???????????」


柏木「ほんまかいな!!!?ちょ、見せてみぃ!」


柚子葉は大きなバッグを肩からおろし、濁った一枚の大きな紙を取り出した。


柏木「・・・・うっわ、なんでや?なんであん時俺らがなくしたやつをお前が持ってるん?」


聖架「柚子葉ちゃんの家の奥に大きな箱があって、好奇心で柚子葉ちゃんが見つけたらしいんです」


柏木「アリか?それ…」


辰平「そういや、柚子葉だっけ。君の家って確かお金持ちじゃなかったっけ」


柚子葉「あ、そうよ。一応ね」


辰平「なんかのオークションにでも出されてたんじゃねーの?」


柚子葉「さあ…分からないけど」


無駄に笑顔な辰平を見ていると、私もふっと笑いたくなった。


って、そんな場合ではないのよ、柚子葉。


早く、その湖に言って3人と合流しないと。







―――――――




人の事を守ろうとするこの子のルールはきっと固い。






ああ、きっとそうだ。


僕の事を守ったのはこの子が僕を信じていたからじゃなかった。


この子のなにかと無謀な『正義』だった。


僕の中の何かが音を立てて崩れた。



自業自得か…これも。



「…もう、いいでしょう?…辞めてあげてください。」


『…フン。・・・・君は誰だ?先ほどからずっと…思っていたが』


「私は、ただの執事です。柚子葉様の」


『柚子葉…?誰だ?』


「きっともうすぐ来ると思います」




君のルールは固い。けれどガードはない。


僕は戸惑わない、迷わない。だからこそ、恐れない。


「黒田君、今までありがとう」


「私は、あの人とは違う偽物です。そして、あなたも柚子葉様とは違う」



僕にはその言葉の意味は分からない。


きっと僕は偽物だった。黒田君からしたら。


でも君は何に対して~偽物~だったのだろう?


いつかは分かるのかもしれないな。


でも無理やり知ろうとはしたくない。



僕は…結局何がしたかった?


人を殺して、痛めつけて。そして小さい子のすべてを奪った。




――――僕は、なんだ?



何のためにここにいる?


皮肉なもんだよ。自分からすべてを絶ってきたのに、戻ってくるところは「ここ」か。






シャールの顔が正反対になった事に気付くのは私には安易すぎた。


そうだ、あの時の顔と同じ。私を殺すことに戸惑い、迷った時と同じ顔。


それが、本当に戸惑っていたのかは予想はつかない。だが…


こいつがいま、何かに対して戸惑っているのは確かだ。


ニヤッとシャールの方を見て笑うと長い髪をかきあげた。


「…戻ってきても、いいんだぞ」


ふっと笑うと、私の口から考える前に言葉が出た。


シャールは一瞬驚いた顔をした。


でもそのあと、一瞬拳をぎゅっと握りしめて


「…それはなんで?」


「…別に。戻ってきてもいいと思っただけだ」


「僕に、戻る資格はないよ。そして忘れるな、君を殺そうとしたのは『僕』だ」


『知っている。だからこそ貴様に一つのチャンスを与えるのだ』


「…なにそれ?」


『…お前は資格がないのだろう?なら資格を取ればいい事だ。それを取るために戻る』


「馬鹿げてる。君の所に戻る資格がないというのに、資格を取るために君の所に戻れというのか?」


『…嫌ならいいが。ただ、これだけは忘れるな』


『お前を必要としているものは、ココにいる』


「…――――」



シャールの小さな小さな震える声。


それでも私にはちゃんと聞こえた。


ありがとう、と。


あの時より、背も高くなっているというのに、何故か私には小さく見えた。


『戻ってこい』


私はそれだけを残して。


お前は一人じゃないと…ただそれだけを残して。



『行くぞ、オースン』


『いいのだ?』


『ああ。私もすっきりした。』


『次の敵は子供だ』


『あの忌まわしい子供を早く地獄へ送ってやるのだ!!!!』


『ああ』






雷「…まさかの次のピンチ!?」


静明「やべー…」


三城「…逃げよう!」


雷「マジか!?この体で!?」


静明「こけたらほってく!!」


雷「ひでえ!!!?」




―――――――――――――――――



柚子葉「あ…なんだろ、嫌な予感」



―――――――――――――――――









つづく