取り敢えず逃げよう。
そうしよう。
てかそうするしかなくね?
そうするしかないな、確かに。
二人は頷きあった。
「ちょ、待てよ!!二人だけで解決すんな!俺どうすりゃいーの!?」
「いてーんだって!!体中!!!」
三城「ガンバ!!」
軽い口調で言われ、俺はサァーと血の気が引いた。
雷「…エエ!?何それ!?おまっ、心配くらいしろよ!!!」
三城「心配している暇はないッ!!!早く走るぞ!!!」
雷「…わかったよ…」
最終的に、折れるしかなかった。
だってアレじゃん、こいつらガチで置いてくだろ。いやマジで。
静明「行くぞ。走りにくいんなら、腕引くから」
雷「うん…引け」
静明「命令形かよ」
静明は俺の腕を引いて、三城は酷い形相で森を駆け抜ける。
若干体は痛んだが、しょうがないと割り切って走った。
「はあ…はぁ…はぁ…ッ」
キツイ。痛んでいる体を守りながら走るのは、精神的にも、体力的にもめちゃくちゃキツイ。
静明「…大丈夫か?息、荒ぇぞ」
「あ、おう。大丈夫」
話しかけんな。喋りながら走んのはもっとキツイんだよ。
ただ、こんな俺より、別にけがしてない三城のほうが、顔が歪みまくってるのはどうなのか。
走んの苦手過ぎんだろ。もはやすげぇよ。尊敬もんだよ。
――――――――――――――――――――――
「ふぅ…はぁ…はぁッ…、ごめっ、静明…水…」
「…あ、おう。ミーもいる?」
「い…る」
俺は二人にそれぞれペットボトルを渡す。
雷「んく…」
三城「ぶはぁッ!生き返る―」
雷「そのまま死ねばいいのに…」
三城「なんか言ったか?」
雷「いいえ?何も?」
また、何とか逃げれたみたいだなと、あたりを見回す。
ミーはまさに死にそうだし、雷なんか、体中ガクブルだよ。
まあ、面白いけどな。
雷「なんか失礼なこと考えてねーか?」
静明「んーん、別に?」
さすが、洞察力がおありで!!
もちろん、ンなこと言ったら怒るか叫ぶと思うから言わねーけど。
さあ、どうすっかな。まだ2人とも合流できてねーし…。
柚子葉も、聖架も、黒田さんも…あ、黒田さんおいてきちまった!!!
どーしよ、どっからきたっけ…。
黒田さんともはぐれたら…くっそ。俺はやるせなさに頭をガリガリと掻く。
「なあ、静明」
「ん?」
「黒田さんがいるんだけど」
「は?」
雷が指をさした方向へと振り向くと。
ああ、確かに。黒田さんだ。
良かった―、黒田さん来てたんだ。
・・・・・・・・・・・・
「…ってなんでいるんですか!?」
「…いては…駄目でしたか?」
「いやいやいや、そういうことを言っているんではなく。なぜここにいるのかを」
「…後、ついてきたんですが…またはぐれそうだったので…」
黒田さんはポリポリポリと首の後ろを申し訳そうに掻く
「あ、そうなんですか?あーよかった」
「?」
「黒田さんともはぐれちゃったら、合流するのが難しいでしょう?」
「ああ、それなら、ついてきてよかったですね」
「ミー、もう落ち着いたか?」
「あ、おう。水分補給したら、バッチシ!」
「雷は?」
「こいつじゃねーんだし、もう落ち着いてるッつの」
「一言多いんだよ、一言!!!」
「うっせ」
…はぁ。
我慢すんなよなー、お前まだ足痛めてんだろ。
平気そうに見せてるかしんねーけど、俺の目はごまかせねーぞ?
「そうか、じゃ。」
ゴン
俺は雷の足の膝に蹴りを入れた。
といっても、力は全然入れてねえ。
「~~~~ッ!!!!静明!!!」
すると雷は声にならない悲鳴を上げた。
「バッカ、無理してんのバレバレだッつの」
「~~~ッ!!!うるせえ!!!」
「もう少し座ってろ」
三城「そうだぞー!」
黒田「そうですよ」
あれ、二人とも気づいてたのかよ!?
やっべー、もう少しで俺、自分の洞察力を自慢するところだった…。
『おい、自分等!!』
急に大きな声が聞こえてきた。
その声に俺とほかの三人が振り向く。
柏木「やっと会えたわー!急に走り出した時はどうしようかと」
静明「…誰?」
柚子葉「3人とも!!あれ、黒田!?」
聖架「あ!4人ともいる!!!」
雷「えッ、聖架と柚子葉!?まじで!?なんで!?」
三城「てか、その二人、誰!?」
柚子葉「あ、さっきあった二人組の男の人」
三城「この人たちはどういう人?」
聖架「この森に住んでいる人らしいよ」
柏木「俺は付き添いやけどなwシェアハウスっていうんかな」
辰平「ん、そうだな。そのシャアハウスだな」
柏木「俺の言ってるのとちゃうねんけど」
静明「関西弁の方ので合ってます」
柏木「ほれ、俺の方が一枚上手や」
辰平「…俺はだな…お前の言っているやつを反芻しようとしたらその、間違えたっていうか…あれだ。」
柏木「言い訳はイランで、特に意味の分からない言い訳は」
なんだ?このにぎやかな感じ。
呑み込まれそうなんだが。この冷静な静明が。←
なんだ?たぶんなんか忘れてる気がする。
いや、多分じゃない。結構な速度で何か忘れてる気がする。
何かを忘れてるのは間違いがないのに、思い出せない。
もう歳か俺。いや、ちょっとまて。まだ俺小6だ。
落ち着け、俺。
『見つけたのだッ!!小童共!!』
『早く観念しろ』
静明・雷・三城「あ」
(わすれてたな・わすれてた・存在自体を忘れてた)
3人は一拍遅れて頷き合った。
静明「走んぞ!!!」
雷「おう!!!」
柚子葉「えっ、ちょ、3人とも――――!?!!」
急に走りだす、三人を柚子葉と聖架は呆然と見つめていた。
続きます