「…伝説、か…」
結局、また一人だ。
まあ、僕が望んだことで、そうなることは初めから分かってたからもういいけど。
それにしても、誰が伝説を作ったんだろ?
独りよがりの人でなしの僕が女の子を泣かしたことが伝説?
なんか、はっきりしない。
人を殺した快感というのは、まだ僕には少し残っている。
でも今頃その快感を受け入れようとは思わない。
「鳥の、扉…」
僕は、あの時何をしに行ったんだっけ?
男を殺すように…命令された。
そこに女の子がいて、使えるなと思った。
命令って言っても強制じゃなかったから、結局僕の意思で殺したことになる。
誰に…命令、されたんだっけ…?
「…記憶が、無い…?」
誰に命令されたのか、その部分がぽっかりと空いたように記憶がなかった。
記憶を…抹消されたのだろうか?
一体誰に…?
命令した張本人か?
いや、でも強制じゃなかったし、そんなことする必要ないよね?
――――――――駄目だ、何にも思い出せない。
どういう…意味なんだ、このぽっかりと空いた記憶…
無駄に気になる。
無意味なのか、意味があるのか…。
「…ブライアン…」
ブライアン…?
僕の、前の苗字はなんだ…?
―――――――――なんなん、だよ、コレ、、、
【ミッション:名前を奪い、一番苦痛になる殺し方をしろ
強制ではないため、しなくても良い――――】
「僕は…テイクと仲間だったとき…何をしていた…?」
昔の苗字、仕事、上司の名前、昔の自分に関しての記憶が…ナイ…
酷く、不気味だった。
すべての、自分に関すること自体を忘れていた。
怖い…初めて抱く感情。
忘れていたことに気付かなければ、どれだけよかったか。
気付いてしまった自分にそんな言葉は無意味だけれど。
僕は震える拳をぎゅっと握りしめた。
「…テイク…」
テイクなら…知っている?
テイクを…探さないと!!!!!!
昔の記憶で一つだけ分かったことは、テイクが仲間だったという事。
それだけがぽつんと一つ残されていた。
早く!!!!!!
頭が真っ白になりながら、すがるようにテイクを探し回った。
――――――――――――――――――――――
『は、早いな…。さすが人間の子供』
『逃げ足だけは一流なのだッ!!』
そう二人で3人の子供の嫌味を言った後
くるりと5人の方へ向いた。
柚子葉「な・・何よ…」
『人間の子供なのだ』
『先にこいつらから片づけるか…。あの3人には逃げられるが、まあいい』
聖架「かッ、片付ける!!???」
聖架は驚き、後ずさる。
辰平「あの~なんだ。こいつ等っていうのは、俺も含んでると取ってもいいのかな?」
頬を掻き、髪の長い男に問う。
『貴様はこの森の所有者だな。安心しろ、含んでいない』
辰平「ってことは、子供だけってことか?」
『まあ、そういうことになる』
辰平はそうかーと笑った後、うなじをポリポリと掻いた。
「…それはさせらんねーな」
『!!!…どういうことだ?貴様には被害は出さないのに』
「ちょっと借りがあるもんでね」
ニコリと一つも歪まぬ笑顔で、聖架と柚子葉の腕をつかんだ。
聖架「え!?」
柚子葉「!?」
辰平「逃げるぞ、二人とも!」
聖架「へぇッ?!!」
柚子葉「逃げるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?????」
辰平「わりーな。俺、戦えるほどの運動神経ねーし!!」
自分の言ったことに爆笑した後、辰平はそのまま柏木にアイコンタクトをして
聖架と柚子葉の腕をつかんだまま森の中を駆け抜けた
(何が運動神経がない、よ!!!!早すぎるでしょ、私達つかみながらの癖に!!!!)
『追いかけるぞ、オースン』
『おう、なのだッ!!!!!』
続く