はっせ 小説用のブログ -6ページ目

はっせ 小説用のブログ

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「まったく…なんやねん」


柏木は一人残された森の中で呟いた。


楠田が残したアイコンタクトはなんだったのだろうか。

まあ、おおよその予想はつくが…、あっているんだろうか?


「どんだけ昔から一緒におったっつっても、…流石にあれは分からんぞ」


はあっと柏木はため息をつき、一端塔へともどることにした。


(塔は、彼等が住んでいる家の様なもの。)


―――アイツのディスプレイに確か…

アイツの考えることはたいてい情報に関したものだ。

アイツお手製パソコンになにか入っているのだろう。

動画か?写真か?



・・・・すくなくとも、ろくなもんではないやろうな…



――――――――――――――――――――――――――――


辰平は見事に軽やかに森の中を駆け抜けていた。

柚子葉たちを掴んだままだが、そんなに影響は出ない。

彼らはそれでも金魚のフンみたいにひっつきまわしてくる。


「あーもー、めんどくせ!」


流石に息も上がる。


「…ねえ!楠田!」


「…おい柚子葉!俺のこと呼び捨てにすんじゃねーよ!」


「嫌ね!アンタはきっと下等生物よ!!!こんなところに住んでいるんだもの!」


「なにそれ!?おじさんちょっと傷つくよ!?」


「勝手に傷ついてなさいよ!…というか、こんな話をするために大声出してるんじゃないの!!!」


走りながら話すのはキツイ。

それでも喋るのは、なにか重要な事かと推理する。


「なんだよ!」


「あなたのバディの関西弁の人いるでしょう!?」


「バディ!?あー、あいつ!?それがどうした!」


「彼、おいてきたけどよかったの!?」


「おお!!!アイツにはチョットしてもらうことがあるからな!だから置いてきてよかったんだよ!」


「そうなの!?っていうかそれ俗にいうパシリなんじゃないのかしら!?」


「俗にいうも何もねーよ!!!ただの頼みごと!!!」


彼らは大声を出しながら全速力で走っている。

それなのに時々表情に笑顔や怒りが見えて、疲れているようには見えない。

辰平はやっと話に節目がついたころ、後ろを振り返った。

アイツらはまだ追いかけている。

しかも彼らも疲れるどころか、寧ろ追いついているように見える。


彼らは人間じゃない。

悪魔だ。それなりの体力はあるだろうし、運動神経も良いだろう。

ただ俺は、人間なんだよ!!

仮に運動神経がよかろーが、体力があろーが、そんなものは悪魔に対して無意味だ。


ならどうすればいい!?

なら―――――――――



―――【何かの答えは きっと――――】



恩師の言葉だ


肝心なとこは思い出せねえけど。


何かの答えは、きっと―――…


つーか、それ思い出したところで悪魔に通用すんのか!?

しなくね!?いや、しねーよ!


あー、もう!なんでこうなったんだよ!


取り敢えず、俺は柏木の連絡を待つことにするか。

それまで、走り抜けるのみ!!!


体力、もつかねコレ!?








―――――――――――――――――



記憶の切れ端が明らかに不自然な形で切り取られている。

意味があるかもしれない、確証はないが、何故かそう思う。


昔の僕は、こんな小さな情報や過去なんて気付けなかった。

僕は、少しでも…ブライアンに~なれている~のだろうか?


人間の思いや、言葉などは嘘ばかりだ。

信じる価値もなくて

聞く価値もない。

だけれどきっと、彼には

【自分の命を捨ててまでも 娘を守り抜く】


…そんな、ルールがあったのだろう。


僕の中にはそんなルールなど存在しない

自分より大切なものなどはない

自分を犠牲にするのならば、100人死んでも構わないのだ。



…だから、そういう意味で、今僕は怯えている。

何者かに自分を見据えられたようで、覗かれたようで

とにかく、自分を壊しているような気がしてならない。


「どうして…ッ!」


どう叫んだってはじまらない

どう泣いたってはじまらない


終わりはない、始まりもないこの人生を

狂わしたのは誰だ

壊したのは誰だ?


削り取ったのは誰だ?

どれだけ自分が自分を大切にしているか、自分が一番わかってる。

怯えているのも怖がっているのも、手が震えているのも

乾いた眼が泪で溢れそうになっているのも


助けて

…なんていうつもりはないから


教えてほしい、今僕が知らない何かを

返してほしい、今僕が失くした何かを














つづく