「―――といっても…」
「あなたたちは誰?この森に何しに来たの?」
ちゃんとした道もない森の奥をずんずんと進む辰平に
柚子葉は問いかける。
辰平「俺ら?何しに来たっていうか…。ここ、俺の家、なんだよね」
柚子葉「あなたの家?」
辰平「ん、まァ…主人みたいなものか。」
柚子葉「へぇ…、じゃあ、ここはどこなの?何のために作られた森?」
辰平「それが…わかんねーんだよ。俺は受け渡されたもんだから」
柚子葉「あなたがここに住むようになる前からあったもの…ってこと?」
辰平「ま、そうだな」
柏木「楠田」
辰平「ん?」
柏木「コレ見てみ」
すこし話に区切りがついたところでまた木の枝や葉をかき分けながら進む。
柚子葉と聖架にはどこへ向かっているか見当がつかなかったけれど
自分の家だという辰平にはもう行く場所の道は分かっているらしい。
―――――――――――――
―――森の奥 湖周辺
「…なにが、運命だよ?君だって僕と遭いたくなかった癖に」
『当たり前だろう?貴様が私を殺そうとしたのに』
「…でも、今はぴんぴんしているみたいだけど」
『まぁな、この状態は奇跡としか言いようがないようだ』
「…まあいいや。ねぇ、何の用?もしかして復讐か何か?」
『まさか。お前と同等の男に成り下がるつもりはない』
「…そう。じゃあ、何の用?」
苛々するようにシャールはテイクに問う。
『そこの子供をこちらに渡して頂きたい』
「僕の邪魔をするつもり?」
『邪魔?馬鹿な。貴様等が私たちの邪魔をしているのだろう?』
「…言わせておけば、何?君たちの邪魔?寝言は寝ていいなよ」
『寝言など言っているつもりはないが?』
変わっていない。貴様はいつもそうだ。
自分が嫌なことはしない、自分の邪魔をする者はすべて排除する…。
貴様にとっての~自分~は一体、なんなのだ?
『貴様はなぜあの時手加減をした?』
「…手加減?君の目は節穴かい?僕が他人に手加減?ほんと、変わってないね。昔から」
『…貴様が私を本気で殺そうとしたのなら、私は今はいない。』
『それぐらい、分かっているつもりだが』
「…まさか、君に僕が情でも持っていたとでも?馬鹿らしい。自身過剰もいい加減にしてくれる」
『私だって情など貴様が持つとは思わないが、私が今生きているのは真実だ』
「…もう、黙りなよ」
ダッ!!!
すばやい動きで手にナイフを持った後、テイクに走りかかる。
オースン「テイク!!!!!!!!」
ガッ!!!
「…なんで、だよ」
ナイフが当たる少し前にテイクは素早くシャールの腕を付かんだ。
『…同じ手は食うつもりはない、7年前のあの時と同じ、な』
カラン…
シャールの力の抜けた手から、ナイフが転げ落ちる。
そのナイフをテイクがスッと拾って、シャールの首に突きつける
ガッ!!!!
その瞬間、拳がテイクの頬にヒットしてテイクは木の幹に叩きつけられる。
「…やめて…頂けますか」
「…黒君」
つづく
雷「…誰か助けろよ」
三城「ウチが助けてやるよ…(苦笑い)」
雷「なんか、ギャグ不足だわ」
三城「…だな」
静明「・・・・(気絶中)」