ブログって毎日書こうと決めたら、
その日のちょっとした出来事を拾って
気軽に書けたんだけど、
1ヶ月で1回ペースでもいっか…
と自分の中で一度割り切ってしまうと、
この程度の話をわざわざ書かなくても…
というふうになり、
それが積み重なると
益々ハードルが高くなり、
例えば…
自分が地元の1日警察署長になったとか、
販売員のワクチン接種第1号になったとか、
グラミー賞にノミネートされたとか、
プロ野球球団の本物のGMになったとか、
森さんの後任候補になったとかしない限り…
んなわけないか…。
とりあえずこのままだと
今月の投稿がゼロになってしまうので、
このブログの延命処置として
ここ最近自分の周りで起こった
一番印象深い話を書こうと思う…。
題して…
GMプレゼンツ
“九死に一生スペシャル”
こう見えて私は、
コロナの感染対策については
誰よりもシビアであると自負している。
手洗いや手指消毒の頻度は半端じゃないし、
去年からほとんど外食も絶っている。
一向に止められない喫煙も
屋外以外はNGと決めている。
さらにここだけの話…
自分以外で使ってる人を
いまだに一度も見たことがないが、
通勤電車ではこんな吊り革カバーを
巧妙に隠しながらこっそり使っている。
果たして本当に効果があるのか?
甚だ疑問だが、
もはや自分でも止めるタイミングが
分からなくなっているのだ…。
さらに自宅だけでなくお店にも
除菌・消毒グッズを手当たり次第揃え、
徹底した感染予防に余念がない。
市販品だからといって過信もしない。
こうした製品もきっと鮮度が大事だから、
3、4日置きに台所用漂白剤を希釈した
自前の次亜塩素酸ナトリウム液を
ペットボトルに入れ併用しているぐらいだ。
さて…
その日の私は
棚卸しとストック整理の為、
メンズビギの黒のショッパーに
必要なものを入れ、
上層階にある店の倉庫に向かった。
この時期の倉庫は
セール品もあるのでごった返している。
重いパッキンを何度も上げ下げするうちに
腕はプルプルし始めるわ、
腰は悲鳴を上げるわ、
汗は吹き出るわ、喉は渇くわで、
仁田にやらせればよかったと後悔した。
この辺でひと息入れよう…
私は作業の進捗状況を確認する為
倉庫内を隅々まで眺めながら、
ショッパーに入れて持ってきたはずの
「おーい、お茶」のペットボトルを
手探りで取り出しゴクンと飲んだ…
飲んだ…
飲んだ…
飲んだ…
オ、オエッ!
なんだ?この味は!
一瞬何が起こったのか
サッパリ分からなかったが、
なぜかプールの記憶が甦ったのだ。
あっ!
こ、これは!
次亜塩素酸ナトリウム液だ!
ペッ!ペッ!ペッ!
私は口の中に残った液を吐き出したが、
半分以上はすでに食道を通過していた。
なんてこった…
死ぬかもしれない…
私はパニックに陥った。
しかしその後の行動は早かった。
私は走ってはいけない廊下を
髪を振り乱して全力で走り、
トイレに駆け込んだ。
胃の中身を全部吐き出そうと思ったのだ。
運良く個室が空いていたので
すぐさま入ろうとしたが、
日頃の習慣というのは恐ろしい…。
一刻を争う事態だというのに、
私は丁寧に石鹸で手を洗い始めたのだ。
しかも心の中で
“Happy Birthday To You” を
最後まで歌い切るまで…
そして個室に入り、
人指し指を何度も口の奥に突っ込んだが、
こんな時に限って吐き気は全く催さない。
ダメだ…
私は個室を出るや否や、
今度は心の中で
“森のくまさん” を歌い切るまで
再び丁寧に石鹸で手を洗い、
手のひらに掬った水を何度も飲んだ。
体内の次亜塩素酸ナトリウム液を
さらに薄めようと思ったのだ。
こんな量ではとても足りない…
私は同じ階にある休憩室で
ミネラルウォーターを買おうと思ったが、
あいにく財布をお店に置いてきてしまった。
一旦お店に戻って
「おーい、お茶」を飲もう…
私はやってはいけない
歩きスマホをしながら、
エレベーターを待つ間も
“次亜塩素酸ナトリウム液” “誤飲”
をキーワードに検索し続けた。
すると…
『肺に入ると危険なので吐いてはいけない』
とか、
『すぐに水か牛乳を飲むこと』
とかが出てきた。
スゴい…
私のたまたまとった対処法は
あながち間違っていなかったのだ。
しかし…
少しだけ落ち着きを取り戻しかけた
私の目に飛び込んできたのは、
『致死量…』
という残酷な文字だった。
再び奈落の底へ落とされた気分だった。
『体の異変を感じたら
すぐに医師に診てもらうこと』
とも書かれていたが、
今のところまだ大丈夫そうだ。
とりあえずお店に戻った私は、
本来飲むはずだった
「おーい、お茶」をガブ飲みした。
私の尋常ならぬ雰囲気を察知した仁田は、
「GM、どうかしたんですか!」
「いや… 実はな… 」
見慣れた仁田の顔を見た途端
なんだか急にホッとし、
やっと冷静さを取り戻した私は、
本当のことを言うべきかどうか迷った。
それは…
仁田に心配をかけたくなかったから…
と言いたいところだが、
実は恥ずかしかったからだ。
なぜなら…
アノ時の仁田との会話が頭を過ったからだ。
「GM、この消毒液入りのペットボトル、
誰か間違えて飲んじゃいそうですね(笑)」
「さすがにそれはないだろ!
そんなヤツがいたら相当のアホだな。
ソイツの顔を見てみたいもんだよ(笑)」
「そうですよね(笑)」
その顔が今… 仁田の目の前にある…。
しかし…
私は思い直した。
もし容態が急変し最悪の事態が起きたら、
解剖結果で遅かれ早かれバレるだろう。
しかもコロナ禍を苦に
自殺したと思われるのも絶対にイヤだ。
誰よりも死にたくないのに…。
私は正直に白状した。
すると…
仁田は笑うどころか
今まで見せたこともない
神妙な顔つきで心配してくれたのだ。
そんな仁田を見て私は自分を恥じた。
私は仁田の目をしっかり見据え、
こう言った。
「仁田、もしオレの身に何かあったら、
この店の後は頼む…」と…。
すると仁田はこう言った。
「GM、“病は気から” です!」
あまりのトンチンカンな返しに
私は一瞬言葉を失いそうになったが、
なんだか嬉しかった。
私はそのまま休憩室へ走り、
買い占めたミネラルウォーターを
吐きそうになるほどガブ飲みした。
その後…
数時間経っても私の体に異変はなく、
帰宅後はいつものように
お酒を飲んで体内消毒に努めたのである。
あの日以来…
お店の売上げは絶不調だが、
なぜか体調だけは絶好調である。
私は仁田に言い続けている。
「健康に良いから、オマエも飲めば?」と…。
*よい子は絶対マネしないでね!
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「Led Zeppelin」
“死にかけて”
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️

