それは90年代中頃…
爆発的なスニーカー人気により、本来運動靴であるスニーカーが異常ともいえるプレミア価格で取引されるようになった。その象徴となったモデルがナイキの「エアマックス95ネオン」(通称イエローグラデ)である。
マックス狩りとは、それを自分で履いたり転売することを目的に、この「エアマックス95」を履いた人物を複数の若者が徒党を組んで襲撃、暴行、強奪することであり、当時はちょっとした社会事件となった。
私が急にこれを思い出したのは、
このマックス狩りが名を変えて
現在に甦ってきそうな気がしたからだ。
その名は…
マスク狩り。
マックスとマスク…
このなんとも言えない
中途半端なダジャレのような語呂の符合は、
ただの偶然とは思えないのである…
というのは半分ウソで、
もう半分はウケ狙いで捻り出しただけだ。
しかし、これは冗談では済まされない。
笑ってる場合ではないのだ。
(あ、誰も笑わないか…)
高度に文明化された現代社会に
冷や水を浴びせるかのように
突如出現したコロナウイルス…
すでにジタバタしても
しょうがない段階にきているが、
感染拡大を少しでも防ぐためにも
まずは自分自身でできることを
しっかりやることが必要だ。
ところが肝心のマスクが手に入らない。
最近私は毎晩仕事帰りに
ドラッグストアやコンビニのマスクを
チェックすることが日課になったが、
お目にかかったためしが一度もない。
買占められたマスクが転売され
ネット上で高値で取引されている現状は、
すでにマスク狩りが始まっている
と言ってもいい。
政府は業界に対し増産を要請するとともに
設備投資への補助金を交付する方針だが、
企業側は
『マスク需要は一過性のものでは?』
と慎重な構えをみせている。
が、しかし!
私はこれをきっかけに
需要が今後も益々伸びると踏んでいる。
それは風邪やウイルス対策以外の効能が
マスクにはあると確信するからだ。
その根拠をこれから述べようと思う。
①冬のあったかグッズ
私は以前から冬の間中はマスクを着用することを習慣化している。寒がりの私の場合、朝晩の通勤時に着用していると顔全体が温かく、保湿効果もあるから肌にもいい。さらにアナウンサーや歌手でもないのに寝る時にも私が着用するのは、喉の乾燥を抑えて翌朝の一服を美味しく味わうためでもある。
②七難隠す
誰もが自分の顔の造作に自信があるかといえばそうではない。その点マスクを着用すれば顔の三分の二は隠れ、どんなに鼻や口の形状やバランスにコンプレックスがあっても気にならない。肌荒れやシミ、鼻毛が伸びていてもヘッチャラ。口臭対策にもなるから対人関係にも積極的になり、その人が持つ本来の魅力が輝くのだ。さらに、周りのマスク美人たちが実際どんな素顔なのか?想像するだけでも楽しい。
③いつでも食べれる
先日『あれ?マスクに血が付いてますよ』と遅番で来たスタッフに言われ驚いた。鏡を見ると確かに茶色い汚れが付着している。あ、しまった!これはさっき食べたチョコレートだ!私は空腹が堪えられず、営業中の店頭で素知らぬ顔してチャチャッと食べたのだった。私の場合はバレたが、気をつけて食べれば会議中でも平気である。
④いつでもどこでもできる
免疫力を高めるために私が最近よく食べてるのが「あんぽ柿」である。栄養価も高く植物繊維も豊富なので便秘がちな方にもオススメだ。私は便秘とは無縁だが、その代わりこれを食べるとやたらオナラが出る。しかも相当臭い。先日、満員電車で一か八か実験してみた。周りの乗客が全員マスクしているのを確認し、音を出さず一発こいた。異臭騒ぎで電車が緊急停止するどころか誰も振り向かなかった。
これらの根拠はほんの一部でしかないが、
マスク製造メーカーのCEOさん、
読んで頂けただろうか?
(絶対読んでないだろうが…)
マスクには可能性がある。
世の中のため…だけでなく、
これは大きなビジネスチャンスでもある。
第2の「ホテル三日月」として、
きっと国民の記憶として残るに違いない。
もし私に資金力があれば、
パリコレでランウェイできるほどの
オシャレマスクを引っ提げて
すぐにでも参入したいぐらいだ。
是非、CEOさんの英断に期待したい。
さて、私のマスクのストックも
そろそろ尽きかけようとしている。
皆さんもきっとそうだと思う。
コロナウイルスに対するマスク効果は
たかが知れてるという専門家もいるが、
私は無いよりはマシだと思う。
今、何よりも大事なのは、
“精神的な不安を少しでも取り除く”
ということではないだろうか。
不安は疑心暗鬼を生む…。
周りでマスクをせず咳き込む人がいると、
誰もがイヤな顔をしたくなるはずだ。
先週のことだった…
お店のあるヨコハマスカイビルの地下から
外のエスカレーターを上がっていると、
係りの男性が誘導する後ろに
キャリーバッグを引きずりながら
何組も連なっていたご年配のご夫婦達と
たまたまスレ違った。
どの顔にも疲労と安堵が
ない交ぜになった表情が垣間見え、
この方々はダイアモンドプリンセス号から
下船した人達だと分かったその時、
思わず身構えてしまった自分がいた。
“病は気から”というコトバが
今回の場合適切ではないことぐらい
重々承知はしているが、
このままでは健康な人までが
見えないウイルスによって
精神的に蝕まれていくような気がする。
さて…
ここからは有料記事だ。
(やり方が分からないから今回は無料)
残り少なくなったマスクに
不安を感じている方々へ朗報である。
是非参考にして頂きたい。
私は洋服屋をやっているせいか、
自分の服ならレザーでもジャケットでも
実際に洗うとどうなるか?
満員電車でのオナラ同様、
実験してみることにしている。
洗濯表示は完全無視だから、
もちろんお客様にはオススメしない。
あくまで自己責任においてである。
すると大抵の場合大丈夫なのだ。
そして私はあることを思いついた。
使い捨ての不織布のマスクは
洗えるのだろうか?と…
やってみた。
毛羽立ちや傷みを防ぐために
ブラジャー用の洗濯ネットに入れ、
(もちろん妻の了解を得たよ…)
除菌のため漂白剤入りの衣類洗剤を
使用した。
すると…
輝く白さ!
チョコレートの汚れまで落ちてる!
しかも生地感がこなれて
新品よりも肌によく馴染む!
まるでヴィンテージジーンズのよう!
金髪の山田さんの奥さんならきっと
マシュマロ Pon!
と叫ぶだろう。
口紅やファンデーション汚れには
食器用洗剤が有効だが、
そもそも顔とマスクの間に
ティッシュやガーゼを挟めば
汚れる心配もない。
おそらく専門家達は口を揃えて
『アホ、そんなマスクは大して効果ない』
と一笑に付すかもしれない。
しかし…
私は断言する。
無いよりマシだ!と…
こんな深刻な時こそマスクをして
少しでも笑おうではないか!
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「Paul Carrack」
“Better Than Nothing”
(無いよりマシ)
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メンズビギ横浜店 GMより