お花見の予定を立ててる方も
さぞや多いだろう。
毎年家族とお花見をする私も例外ではない。
開花予報に天気予報、
そして自分のスケジュールとにらめっこ…
というのがいつものパターンだ。
しかし…
毎年行く近所のお花見スポットでさえ、
見頃になると平日でも込み合うのが常だ。
人混みが苦手な私には、
この時期の目黒川なんか
とてもじゃないが行く気はしない。
好きな時間にいつでも愛でることのできる、
庭に立派な桜の樹がある家が羨ましい…
と思うのもこの季節である。
たしかに桜の花は美しい。
人々がそこに集うのもよく分かる。
でも…
ちょっと待てよ…
私は時々、
モノゴトを疑ってみるクセがある。
自分の都合で…
桜の樹が美しいのは
ほんとに開花してる時だけだろうか?
女性に向かって、
『君はメイクしてる時だけ美しい…』
なんてことを、
面と向かってヌケヌケと言えるだろうか?
桜の樹は常にそこにある。
花が咲いてる時だけ愛でるのは、
桜に対して失礼ではないのか…。
私は花が散った後の
清々しい薄緑色の葉桜も好きだし、
なんとも形容し難い
暖色系グラデーションの
紅葉した桜も好きだ。
木肌だっていい。
そう…。
桜の樹はどの季節も美しいはずだ。
だとしたら、
開花前の蕾だって
いいんじゃないだろうか…。
鮭の溯上を見たことがあるだろうか?
子孫を残すために、
身体中を傷だらけにしながら急流を上り
産卵後には命が尽き果てる。
この最後の力を振り絞る懸命な姿は
神々しくさえある。
そこまでして産んだ イクラ を、
旨い旨いと食ってる人間なんて、
ロクでもないのかもしれない…
これを桜の樹に喩えれば、
蕾の姿である。
もし、本当の桜ファンなら、
厳しい冬の間にエネルギーを蓄え、
今まさに花を咲かせる直前に
最後の力を振り絞っている姿こそ
見逃してはならないのではないだろうか。
「市民ケーン」が、
死ぬ間際に洩らした謎の一言
「ローズバッド(薔薇の蕾)」の意味が
何となく分かるような気がする…。
(ホントかよ!)
ということで先週、
私と妻は “蕾見” を決行した。
もちろん自分達の都合で…
蕾見(つぼみみ)…
果たして“蕾見”という言葉が、
世の中に存在するかどうか知らないし、
何度口に出しても言いづらい…
“お花見”があるぐらいだから
頭に“お”を付けてもよいのだが、
“お蕾見”(おつぼみみ)は余計言いづらいし、何のことかサッパリ分からない。
ややもすると、
“職場を仕切る古参女性社員(お局)を
わざわざ酒やお弁当を持って見に行く行為”
と誤解されかねない…。
(ナイナイ…)
さて、蕾見だからといって
決して手を抜くわけにはいかない。
“お花見”と“お蕾見”は同格だからだ。
我々は敷物やオシボリはもちろん、
お惣菜やお弁当、お酒も持参し、
いつものお花見スポットに出掛けた。
『アンタら、気が早いね。
フフン、花はまだだよ!』
などと、
鼻で笑いながらお節介なことを言う
見知らぬジジイとの遭遇に備え、
『花は心で見るものです。
貴方には見えないんですか?』
という反撃も持参した。
我々と同じ“志”の人間が
果たしてどのくらいいるのだろうか?と、
少し楽しみにしながら現地に着くと…
誰もいない…
人っ子一人いない…
お節介ジジイもいない…
1週間後には
大勢の花見客で賑わうというのに、
今はポツンと私と妻の二人だけである。
『みんな、分かってないなぁ…』
おかげでシートを敷く場所も選び放題。
暑くも寒くもない絶好の蕾見日和だ。
早速お弁当やお惣菜の包みを開け、
お酒はビールから順番に飲んでいく…
なんて贅沢な時間だろう!
日本酒を飲んで眠くなった私は横になり、
妻はなぜか木登りを始める…
なんて自由な時間だろう!
2時間ほど経った頃だろうか…。
遂に私が一番恐れていたことが起こった。
それは尿意である。
ご存知の方もいらっしゃると思うが、
私は一度こうなると止めどなくなるのだ。
毎年訪れるお花見の期間中は、
近くに仮設トイレが設置されるので
難を逃れていたが、
誰もいないお蕾見は想定外である。
一番近いトイレまでは約500mもある。
全身に酔いが回った状態で、
何往復もするのは真っ平ゴメンだ。
我慢の限界に達した私は、
内股になりながら
勇気ある撤退を余儀なくされた。
自分の都合で…
やっぱ、蕾見はダメだな…。
そういえばさっきから、
蕾もたいして見てないし、
結局、花がないと華がないのだ。
(あ、偶発的なギャグだからネ…)
人が誰もいないというのも、
なんだかうら寂しい…。
でも、ブログに書くかもしれないから
最後に蕾の写真でも撮っておくか…。
ま、今日のところは
本番前の予行練習としておこう。
反省点もいろいろ見つかったし…。
お花見の本番では、
できるだけトイレの近くに陣取ろう!
寝心地の良い柔らかいシートも必須!
お酒の量は余るぐらいの方が安心!
冷めても美味しい焼そばも欠かせない!
デザートもあるといいな!
そうだ!
腹ごなしにクッションでも持ってって、
流行りのゼロトレもやってみよう!
あ、そうそう。
大事なもの忘れてた。
あとは私の大好きな
イクラ のオニギリである…
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「Phoebe Snow」
“Good Times”
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メンズビギ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗️

