私は日頃から一つの質問に対し、
二つ以上の答えを用意するよう心掛けている。
これは、質問してきた相手のレベルを見極め
会話をスムーズに進める為のコツだ…
な~んて書くと、
イヤミな奴だと思われるかもしれないが、
根はイイ奴だからご心配には及びません。(ん?なんだか変だぞ、この文章…)
さて皆さんは、
バーミヤンと聞いて何を連想するだろうか?
世界情勢に敏感で
教養のあるアカデミックな人なら、
アフガニスタンのバーミヤン遺跡を
迷わず連想するだろう。
この地域を一時占拠したタリバンによって、
この偉大な石仏が破壊された時は、
その映像に世界中の人が衝撃を受けたのは
記憶に新しい。
もし私が、
「バーミヤンって知ってますか?」
と誰かに聞かれたら、
迷わずバーミヤン遺跡を連想するだろう。
ただし…
これはあくまで質問する相手によってだ。
先日、スタッフの仁田が突然、
「バーミヤンって知ってますか?」
と聞いてきた。
私は迷わずこっちを連想した。
「ウン、知ってるよ。
すかいらーく系のファミレスだろ?」
「そうです!」
ビンゴ❗
(たいして嬉しくないが…)
ところで…
仁田と私は閉店時間が近づくと、
毎日必ずと言っていいほど
食べ物に纏わる話をする。
どちらからともなく
その日のテーマを持ち出し、
それについていかに熱く面白く語り、
そこから話題をどれだけ広げられるかが
暗黙のサブテーマにもなっているのだ。
ちょっとしたゲームと言ってもいい。
わざわざ営業中にこんな話に興じるのは、
想像力を鍛えお客様との会話における
引き出しを増やす為の訓練なのだ…
というのはウソで、
この時間は腹が減って
頭の中が食べ物で一杯になるからだ。
自分で言うのもなんだが、
その内容はあまりにもクダラナイ。
酒のツマミはこれが一番…とか、
これはこうやって食べるのがウマイ…とか、
これのこういうところがキライ…とか、
あの店のアレは絶品だ…とか。
しかし…
人間が生きていく上で
食べ物ほど密接な関係はない。
だから食べ物の話をしてると、
その人のバックボーンや性格だけでなく
生き方までもが浮かび上がってくるのである。
もし、私が今面接官だったら、
エントリーシートや履歴書を見ずに
食べ物の話をさせて合否を判断するだろう。
ある日…
テーマは「ラーメン」であった。
私はラーメン自体は大好きだが、
ラーメン通とまではいかない。
基本、行列のできる店にも行かない。
行列が大の苦手だからだ。
味はコテコテのトンコツよりも、
昔ながらの中華そばの方が好きだ。
「だったらGM、築地市場にある
“井上”って中華そば屋知ってます?
ここは是非オススメします!
しかも、ここのオヤジがまたイイんですよ。
頑固一徹の職人というか、
無口で黙々と仕事するんですよ。
こういうタイプ、
GMもきっと好きだと思いますよ!」
その日の夜、仁田が“井上”の動画を
勝手にLINEで送りつけてきた。
これを見ろ!ということらしい。
この男は私のことを
友達とでも思ってるのだろうか?
私はメンドクサかったが、
こんなことぐらいで
お店のチームワークが崩れるのもなんだから、取りあえず見てみた。
*皆さんは見る必要ありません
頑固そうなオヤジが
ひたすらラーメンを作る映像だ。
チッとも面白くない。
しかし、確かに旨そうなラーメンである。
しかもチャーシューの量もハンパない。
翌日私は、
「見たよ、井上のオヤジ。
なんだか旨そうなラーメンだな」
と仁田に言った。
チッとも面白くなかったとは言わずに…
「あ、見てもらえました?
メチャクチャ旨そうでしょ?
アレ、昼頃にはもう完売しちゃうんですよ!」
「へぇ~、どんな味すんの?
やっぱり他とかなり違うのかな?」
「いやぁ~、分かんないんですよねぇ~。
ボクも食べたことないんで…」
何っ⁉
もし仮に、
もう一度この男を面接する機会があったら、
間違いなく不合格にするだろう…。
あ、そうそう。
バーミヤンの話は次回にしよう。
……………………………………………………
朝食はしっかり摂りましょう!
「Alan Hull」
“Breakfast”
……………………………………………………
メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗

