平和への思いをファッションで表現する、
世界一のお洒落紳士集団“サプール”
90年以上も続くと云われるサップ文化も、
時の政権や社会情勢に翻弄され、
何度か危機に晒された。
特に1960年の独立後の混乱で、
コンゴではこの流れが途絶えたのである。
しかし、一時は廃れていたサップが
再び復活するきっかけを作ったのは、
コンゴ・キンシャサの歌手
“パパ・ウェンバ”の登場であった。
「ビバ・ラ・ムジカ」を率いて
コンゴ・ルンバの世界に変革をもたらしたウェンバは、アルマーニ、シャルル・ジョルダン、ヨージ・ヤマモト、イッセイ・ミヤケなどの一流ブランドのスーツと帽子を身に着けてステージに上がり、一世を風靡したのだ。
そして、その姿に魅了された人々によって
サプールのムーブメントが復活したのである。
その後パパ・ウェンバは、“サプールの王”であるとともに“コンゴ・ルンバ・ロックの父”としても崇められていく。
ちなみにルンバ・ロックとは、
コンゴのポピュラーミュージックのこと。
アフリカの伝統音楽にキューバのルンバを取り入れた斬新な音楽は、
同国の公用語であるリンガラ語の頭をとって“リンガラ”と呼ばれ、
80年代以降ブームとなった
“ワールドミュージック”の先駆けとして
日本でも人気を博したのである。
ところで…
パパ・ウェンバをはじめ
ユッスー・ンドゥールなど、
それまで陽の目を見なかった
第三世界の民族音楽やアーティスト達を
陰で支えた人物がいる。
その人物とはイギリスのロックアーティスト
“ピーター・ガブリエル”
である。
彼は80年代初期、
世界中のアーティストを紹介することを目的としたイベントを主催するWOMADを立ち上げ、さらに89年には第三世界を中心とした
民族音楽のレーベル「リアル・ワールド」を設立するなど、
音楽を通してボーダーレスな世界を目指す
平和活動家でもある。
彼が人権問題に深く関わる
きっかけになったのが、この一曲 !
南アフリカのアパルトヘイト政策に
反対する指導者“スティーブン・ビコ”が、
理不尽に殺された事件を歌っている。
間接的に影響力を持ったこの曲の後、
アパルトヘイト政策は廃止された。
さて…
その後パパ・ウェンバは、
ピーター・ガブリエルらとの交流から
アフリカ音楽と欧米のロックとの融合を
加速度的に進め、「ワールド・ミュージック」のアフリカ側の旗手としてブームを牽引していったのである。
しかし…
2016年4月24日。
パパ・ウェンバは、
コートジボワールでの公演中
ステージの上で倒れ、
66歳の若さでそのまま息を引き取った。
伝説の男に相応しい最期である。
ということで、そろそろ結論…
ファッションと音楽には、
世界を変える力があるのだ❗
おしまい…
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【ロック名ドラマー列伝vol.11】
アフリカの大地の鼓動が聴こえてくるような
パーカッシヴで独特なリズムを叩き出す、
「ワールドミュージック」×「ロック」
には欠かせないドラマー
“マヌ・カッチェ”
ピーター・ガブリエルとのセッションで有名になった後、スティング、ジョニ・ミッチェル、ロビー・ロバートソン、ジェフ・ベック、アル・ディ・メオラなど、錚々たるアーティストから引っ張りだこになったのである。
世界が一つになれそうな感動のステージ!
赤い帽子を被っているのが、
“サプールの王”パパ・ウェンバである。
「Peter Gabriel」
“In Your Eyes”
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メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより
コチラも見てネ❗

