嵐を呼ばない男【後編】 | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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結局、前回の続きである…


小学生の頃、
文明堂カステラの箱や風月堂ゴーフルの缶を
ドラム代わりに叩いていた健気なGM少年…

あれから25年後のある日…

なにげなく音楽雑誌を読んでいたら、
たまたま電子ドラムの広告が
目に飛び込んできたのだ。

なになに?
折り畳めるからスペースを取らないだと?
さらに音はヘッドホン🎧🎶で聴けるから
自宅の部屋でいつでも叩けるときた。
しかもリアルな感触と音を実現だって?

これだっ❗
これを待っていたのだっ❗

とうの昔に諦めていたドラムだったが、
その障害となってきたものが
もはや解決していたのだ。
まさか、こんな時代がやって来るなんて…

早速、次の休みには
楽器店のドラムコーナーに直行し、
店員の説明も一切受けないまま、
「こ、これ下さい!」
と直立不動で言っていた。

GM少年の夢が叶った瞬間である。

本格的アコースティックドラムではないが、
ハイハットもあるしタムも2つ付いている。
これはもうオモチャである、大人の…
(誤解を招かないよう倒置法にしてみた…)

初めて叩いてみた。

なぁ~に、
小学生の頃からマイスティックを持ち、
だてにロックを聴いてきたわけではない。
自己流エアドラムもやってきたのだ。
すぐに叩けるはず…
と高を括っていた私は愕然とした。
両手両足が別々に動かないのだ。

その日から教則本を頼りに特訓が始まった。


誰かに師事したりドラム教室に通おうとは
これっぽっちも思わなかった。
私は人に何かを教わるのが大の苦手なのだ。
それは…
あ、この話長いからまた今度にしよう。

その後…
特訓の効果が徐々に表れたと錯覚した私は、
基礎練習の合間にオーディオプレイヤーを繋げ、「レッド・ツェッペリン」と夢の共演を遂に果たす。

憧れの偉大なドラマー
「ジョン・ボーナム」とのツインドラムだ。

私の拙いドラミングを、
あの“ボンゾ”がカバーしてくれ、
ジミー・ペイジのギターリフや
ロバート・プラントの雄叫びの背後から
私のドラム音が
ヘッドホンを通して聴こえてくることに、
かつてない異常な興奮を覚えたのである。

この“ツェッペリンごっこ”をきっかけに、
“ストーンズごっこ”をはじめ、“ビートルズごっこ”や“ピンク・フロイドごっこ”で遊んだ。自信喪失するからイエスやクリムゾンは止めといた。

しかし、私の決定的な弱点はキックである。
私は寸暇を惜しみ、
自宅での練習だけでなく
通勤電車で座れる度に
フットペダルを踏む動作の練習に励んだ。

周りの乗客には
激しい貧乏揺すりか
痙攣にしか見えなかったはずだ。
私の隣のシートが空いても、
なかなか座ろうとする者がいなかったから。

ある時、
ツェッペリンの“移民の歌”に合わせて
床を踏んでいたら、
右足が“つる”という悲劇もあった。
もちろん、周りの乗客は目を背けた。

数年後…
やればやるほどプロドラマーとの力の差を
まざまざと実感した私は、
徐々にドラムから遠退いていく。

そして今では…
軽いストレッチとボケ防止の
健康機具と化してしまったのである。

結局私は、石原裕次郎のような
“嵐を呼ぶ男”
にはなれなかった…

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      【ロック名ドラマー列伝 vol.2】

ロックドラマーで、「ジョン・ボーナム」
の影響を受けていない者は存在しない。
規格外のパワーとアイデアの豊富さ、器用さを兼ね備えた唯一無二のドラマーである。

                     「Led Zeppelin」
       “Immigrant Song”(移民の歌)

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メンズビギ  マルイシティ横浜店  GMより