AI(人工知能)【バカラショップ 編】 | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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今回は、ずいぶん昔の話である。

私は30代になった頃、
外で大勢でバカ騒ぎして呑むのが
だんだん億劫になってきた。

そろそろ大人の男らしく、
自分に向き合いながら
家で落ち着いて呑む方が
カッコいいような気がしてきたのだ。

あ、そうそう、
当時の私は
開高健やC.Wニコルが書斎で飲む姿に
憧れていたのだ。

となると、やはりウィスキーである。
そして、ウィスキーを呑むなら
いいロックグラスが必要に思えた。


いいロックグラスはどこにあるだろう?

すぐに思い付いたのがバカラである…
っていうか、
バカラしか知らなかったのである。
バカラから…あ、間違った!
バカだから…。

早速、百貨店のバカラショップに行ってみた。
こういう高級ショップが居並ぶフロアは、
平日はいつもひっそりとしており、
床もフカフカなファブリックが多い。
気分よく歩いていると、
時々、前にツンノメリそうになる。

さて、バカラの店内には女性店員が一人。
白のブラウスに黒のツーピース、
ちょっとウェイブのかかったロングヘアー、
落ち着いたやや陰のある
アンニュイな表情のスレンダー美人…
あ、そうそう、
あの小林麻美(ふるっ!)を彷彿させた。

私はゆっくりと品定めを始めた。

バカラの小林麻美は
「いらっしゃいませ」
と言った後は特に声を掛けず、
私の斜め後ろで
そっと見守るように立っていた。

私も長く販売員をやっているから分かるが、
アプローチのタイミングは難しいものだ。
ゆっくり見たいお客様に
早めのアプローチをすると煙たがれるし、
逆のパターンだと不親切だと思われる。

でもネ、お客様の視線や表情や動きに集中し
心の声にジッと耳を傾けていると
自然とそのタイミングが分かってくるのだ。

この小林麻美は分かっている。
間の取り方や絶妙な距離感に
それは表れていた。

私が一通り商品を見たタイミングで

「贈り物ですか?」
と小林麻美が静かに声を掛けた。

「いや、自分用のロックグラスです。
できればシンプルなのがいいんだけど…」
と私が答えると、

「そうですか。
では、こちらはいかがでしょうか?」
と提案してきたのが、
“ハーモニー”というデザインである。

“ハーモニー”は、
縦のストライプが全体をキリッと引き締め、
シンプルの中にも高貴さと存在感を醸し出すデザインだ。

すでに私はコレを候補にしていたのである。
手に持つと、バカラ特有の透明感のある輝きとズッシリとした重厚感がある。

そして小林麻美は、
ワンレングスの髪をかき上げながら…
(実際にはしてないが)
アンニュイな感じでトドメの一言。

「私のファーストバカラ✨もコレでした」

私のファーストバカラ✨…

私のファーストバカラ✨…

私のファーストバカラ✨…

なんという素敵な言葉✨であろう!

その瞬間、私はこの言葉✨に恋をした。
もちろん小林麻美ではなく…
たぶん…。

私が迷わずコレに決めたのは言うまでもない。

果たして、AI(人工知能)に
こんな接客が出来るのだろうか?

きっと無理だ。
だってファーストバカラ持ってないし…

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あ・く・ま・で…
小林麻美を知らない世代の方の為に…

                      「小林麻美」
            “雨音はショパンの調べ”
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メンズビギ  マルイシティ横浜店  GMより