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今月のとある土曜日…
その日は3人体制であった。
早番は私と中西。
この時期の週末は、
いつ混み合うか分からないので、
休憩のタイミングが
売上げを左右することもある。
12時からは
遅番の仁田(ニッタ)が出勤するので、
お客様が多少集中しても
二人いればなんとか対応できるだろう。
私はお客様の少ない今のうちにと思い、
11時40分頃に昼休憩に出た。
ところが…
休憩から戻ると、
店内は泥棒にでも入られたように
アチコチの棚の上で商品がてんこ盛り。
『おぉ、これはかなり売れたぞ!』
と私は心の中でガッツポーズを取った。
中西はアタフタしながら接客を続けている。
私もすかさず接客態勢に入りながら、
店内の整理や品出しに追われる。
あ、そういえば仁田の姿が見えないな…
と一瞬思ったが、
私もそのまま接客が続き、
徐々に手が回らなくなってきたその時、
中西がスレ違いざまに、
「仁田君から12時過ぎに電話があり、
今起きたそうです」
と耳打ちした。
何だと!
こんな時に寝坊だと⁉
私の怒りは一気にレッドゾーンを振り切った。
そういえばアイツは、
去年の今頃も
インフルエンザで戦線離脱したのだ。
インフルエンザならまだしょうがないが、
前日まではピンピンしていた。
遅番のクセに寝坊とは!
きっと酒の飲みすぎに違いない!
さぞ楽しかっただろう!
と想像すればするほど腹が立ったが、
お客様の前では平静を装い続けた。
しかし、その後も断続的に接客が続き、
お客様と楽しい会話をしているうちに、
不思議と怒りは鎮まっていったのである。
そして、仁田が現れたのは、
接客のピークが過ぎた2時頃。
うなだれて私の前にやって来た仁田は、
「申し訳ありません!」
の一言。
この場面…
私はこの男を、煮るなり焼くなり
どうにでもできる権利があるのだが、
人を叱るにはそれなりのエネルギーがいる。
私の初期衝動の怒りはすでに冷めており、
できれば省エネしたい…
しかも、この時点での売上げもマズマズで、
私はむしろ機嫌が良いのだ。
こんな気分に水を差したくない…
という思いもあり、
私は熱の籠らない通り一遍の叱責をした後、
「オマエ、昨日飲んだろう?」
と聞いたら、
「イヤ、一滴も飲んでないんです…」
と仁田は答えた。
この男は決してウソはつかない。
そこで私は、
なぜか一つの疑問が湧き上がったのである。
それは“何でそんなに寝ていられるか?”
ということである。
人間には体内時計というものがあるはずだ。
私なんか、
目覚まし時計を掛けない休みの日でも、
ほぼいつもと同じ時間に目が覚めるのだ。
人間は皆そうだと思っている。
「オマエの体には、
体内時計というものがないのか?」
と私が冷静に尋ねると、
彼は言いづらそうに、
「はい…。
ボクの体には
体内時計がありません…」
「えっ⁉」
想定外の返答に言葉を失なった後、
私はなぜか笑いが込み上げてきた。
彼は他の人との会話で
体内時計の話題が出るたびに、
一応話しを合わせているが、
今までの人生で
体内時計を実感したことは一度もないそうだ。
ある意味、大物である。
その日はその後、
接客のピークは訪れなかった…
仁田には、この名曲を贈ろう。
Carole King
“It's Too Late”
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メンズビギ マルイシティ横浜 GMより