こんなのシリーズ化して…
(万一興味のある方はこちらの記事を❗)
“ボウイ”ファンのお客様《第1話》
“ボウイ”ファンのお客様《第2話》
さて、大反響だった『デヴィッド・ボウイ大回顧展 is』も、確か昨日で終了したはずだ。
私の場合ボウイといえば、
条件反射のようにある人物が頭に浮かぶ。
そう、ボウイ命のお客様 Aさんである。
会期も残すところ僅かとなった、
先々週の土曜日にも再び現れた。
先月も来たばかりだから、
例年よりもハイペースのご来店である。
ご来店と言っても、最後にウチで買い物したのが何時だったか全く記憶にない。
基本的に、いつも酒の臭いをプンプンさせながらボウイの話をして帰っていくだけだ。
正確にはお客様でもお友達でもない
なんとも微妙な関係が続いているが、
お互いそれを楽しんでいるのだ。
さて、今回もいつものように
お互い右手を挙げてのラフな挨拶。
前回来た時、すでに『David Bowie is』に4回行ってきたと言ってたから、
さらに通い詰め、新たな土産話でもするのかと思ったのだが…
なんだかいつもと何かが違う。
見た目は一緒なのに…
あっ❗
私はその時気づいたのである。
酒臭くない ことに…
シラフ なのだ…
って、普通はそれが当たり前なのだが、
私にとってAさんは酒臭いのが当たり前なのだ。
回顧展に通い過ぎて、
体調でも崩したのだろうか?
それとも、
デヴィッド・ボウイの初公開の資料に
「酒は毒だ、やめなさい。 by Bowie」
という名言でも書かれていたのだろうか?
するとAさんは、いきなり驚くべきことを言ったのである。
「今日はね、何か買おうかと思って…」
私は思わず、
「えっ❗ 何で⁉」
と答えていた。
よく考えたら、
この会話は明らかにオカシイ。
一般のお客様なら、すでに何かを買うことを前提に来店されるから、
わざわざ「今日は、何か買おうと思って…」などとは言わない。
それに対し、私は店員である。
下世話な話で申し訳ないが、
売ってナンボの仕事なのだ。
そんな私が、何かを買うと宣言しているお客様に対し「えっ❗何で⁉」と返すのは、
どう考えてもオカシイではないか!
Aさん曰く、
「いつもさぁ、酔っ払いの相手してくれるからさぁ…」
なるほど。
せっかくそこまで言うのならば…
と思ったが、
Aさん相手にいきなり店員の役に立たされた私は、なぜかいつもの調子が出ない。
「今日は、お酒をお飲みになっていらっしゃらないのですか?」
などと、急に敬語で質問する始末。
どうやら、だいぶ前に飲んでたから
酒が抜けてただけであった。
なぁーんだ。
結局Aさんには、服のテイストが違っても合わせやすいストールをお買い上げ頂いた。
もちろん私は、一番高いモノをオススメすることを忘れなかった。

そして私は、Aさんが来たら渡そうと思っていたあるモノを差し出した。
それは、りんかい線を利用して
『David Bowie is』に行った人だけに配られるオリジナルステッカーである。
確かAさんは、品川からバスで行ったと言ってたから。

「えっ、いいの?もらっちゃって!」
というAさんに、
「いいよ、いいよ。自宅のデヴィッド・ボウイミュージアムに寄贈するよ。その代わり、ブログに載せるから写真撮らせて!」
と私は言ってみたら、あっさりOK。

コアなボウイファンなら分かる、
必殺の決めポーズであった。
今回は“お客様と店員”という
予期せぬ関係性に一瞬戸惑ったが、
最後はいつも通りお互い右手を挙げて、
「じゃあ、またね!」
と言い合って別れたのである。
でも、私はなんとなく
Aさんは当分やって来ないんじゃないかと思った。
なんだか宇宙に帰っちゃったような気がして…
あ、そういえば
また名前聞くの忘れてた!
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「David Bowie」
“Space Oddity”
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