ボー・ブランメルの《後編》は、
彼のファッション哲学についてである。
《前編》はコチラ❗
今回も長~くなりそうなので
どうか覚悟を!
さて、一介の平民であった彼が、
社交界で絶大な影響力をもつきっかけを作ったのは、オックスフォード大学時代に知り合った、当時皇太子であった後のジョージ四世であることは前回書いた。
ジョージ四世はブランメルを寵愛し、
圧倒的な審美眼をもつ彼を、
今で言う専属スタイリストに
任命したのである。
王はブランメルに洋服のコーディネートについてたびたび助言を求め、ブランメルがネクタイを結ぶ姿をいつも飽きずに見ていたという。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170406/16/hashitsu-t/7e/13/j/o0720039713907489238.jpg?caw=800)
(映画 ボー・ブランメルより)
彼が出席するパーティーはそれだけで必ず成功し、彼が欠席したパーティーは失敗を意味するようになったのだ。
そして、王を呼ぶよりブランメルを呼べるかどうかが主催者の名誉にかかってきたが、彼は気に入らない人物のところには絶対行かなかったそうだ。
彼の提唱したファッションは、
シンプルで身体にフィットした服だ。
今でこそ当たり前のスタイル(これも彼の影響)だが、
当時の服装は装飾的で
たくさんの刺繍を施し、
太った体を覆い尽くす服が主流であった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170407/09/hashitsu-t/74/fd/j/o0538078813907996140.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170407/09/hashitsu-t/d2/39/j/o0533078913907996144.jpg?caw=800)
ジョージ三世 ジョージ四世
階級を外面でどう表現するかに重点がおかれた従来の着こなしではなく、
外見よりも洋服を装うことや振舞いといった精神性を重視したのが、ブランメルの画期的なところなのだ。
当時当たり前だった化粧やカツラも、
ジョージに止めさせたという。
彼自身は、香水さえつけなかった。
毎朝ネクタイを結ぶために2時間を費やし、少しでも襟にシワがつくと着替えた。
また、どんな貴婦人の前でも帽子を脱がなかった。また再び完璧な位置に戻すことができないからだ。
ブランメルのお洒落は派手ではなく、
当時の中ではむしろ地味であった。
彼の有名なセリフに、
「街を歩いていて、人にジロジロ見られているときは、君の服装が凝りすぎているのだ」というのがある。
彼の着こなしの真骨頂がこれである。
![ダウン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/175.gif)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170407/12/hashitsu-t/47/b2/j/o0348076613908105515.jpg?caw=800)
(wikipediaより)
紺のコートは、イギリス乗馬服がベース。
ドイツ風長靴にフィットした長ズボンにシルクハット。飾りといえば時計の鎖一つ。
化粧せず、香水もつけず、髭も剃る。
そして彼を有名にしたのは、襟元に巻いた糊付けした長いリンネル(リネン)。
この首の回りに高々と結びつけるやり方は、当時の伊達男たちが競って真似しようとした。
当時のブランメルの威光は国王をも凌ぎ、
服の仕立屋は王室御用達の看板よりも、
ブランメル様御用達の看板を掲げた方が商売になったといわれる。
フィットした上着に肩パッド、
ピッタリとした袖付け、
クラヴァット(ネクタイ)、
半ズボンから長ズボンなど、
こうしたブランメルの審美眼から生まれたアイテムこそ、現代のスーツスタイルに継承されているのである。
ところで…
ブランメルについて調べていたら、
ふと、ある日本人に似ていることに気がついた。
その人物とは、千利休 である。
ブランメルとジョージ四世との関係は、
そのまま千利休と豊臣秀吉との関係に符合
する。
二人に共通する点は、
その並外れた美意識である。
そしてその表現方法は、
足し算ではなく引き算なのだ。
英国人と日本人…
精神構造的にどこか通じ合うものがある。
かのデヴィッド・ボウイが、
あれほど日本の伝統と文化に心酔したのは、ただの偶然ではない。
そして、かのジミー・ペイジが、
あれほど日本人に似ているのは、
ただの偶然である…
あ~あ、最後に台無しになったかも…
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英国ロック界の、
もう一人のダンディといえばこの人!
『ポール・ウェラー』である。
スタイルカウンシル時代のデビューアルバム“カフェ・ブリュ”のジャケットでのステンカラーコートの着こなしは、当時のファッションにも大きな影響を与えた。
モッズ・リバイバルの立役者❗
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170406/21/hashitsu-t/d2/aa/j/o0562055513907722959.jpg?caw=800)
「The Style Council」
“Changing Of The Guard”
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メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより
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