男の定番品『バブアー』 | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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今まで私が自腹で買った数ある服の中から

実際に着てみてこれはスゴいぞ!

と思う一着を勝手に殿堂入りさせる

「男の定番品」…

またの名を「持ち物自慢」のお時間です。


さて今回は大物の登場です!

いまやファッション誌でも常連中の常連

英国「バブアー」です。


いつものように、まずはお勉強から…


『バブアーは、1894年創業の英国御用達ブランド。最高級のエジプト綿にオイルを施すことで、防水性、通気性、さらには耐久性を備えた優れたアウターとして世界中で愛されています。使用を重ねるにつれて味わいを増すデザイン性が魅力のオイルジャケットは、元々は英国北海の悪天候の下で働く漁師や水夫のための必需品であったのです。70年代に入ると、ハンティング、フィッシング、乗馬という英国上流階級のライフスタイルとリンクし、現在はアウトドアユースだけでなく、ファッションとしても絶大な人気を誇ります』

英国モノ大好きの私も15年前に

定番のビデイルジャケットを手に入れた。

当時はまだ一般的には

ファッションアイテムというよりも、

クラシックなアウトドアウェアと

見られていたような気がする。


現在のように別注品どころか

セレクトショップなどでも

あまり見かけることもなかった。


私の場合は昔ロンドンへ行った時に… 

というのはウソで、

今はなき新宿三越のA&Fカントリーで購入。

ウワサでは聞いてた

オイルの匂いやベタつきは覚悟の上なので

「まぁ、こんなものか」と納得。


しかし、オイルが完全に抜ける前に

リプルーフ(オイルを再び塗り込む)を

しなければならず、

A&Fではシーズンオフに預かり、

まとめて英国に送って

それをやっているとのこと。


最低2年に1回を勧められ、

「えっ、マジ?そんなに手間のかかるヤツなの? 車検じゃあるまいし」

と思うと同時に、

「オレのバブアーはイギリスまで行っちゃうのか…、オレもまだ行ったことないのに…」

と軽い嫉妬を覚えた。


さて、私が手に入れたビデイルは、

乗馬用に作られたジャケットの為、

着丈も短く、アウトドアはもちろん、

タウンウェアやカジュアルウェアとしても、

さらにスーツの上にも羽織れる

汎用性の高いモデル。
ラグランスリーブ、サイドベンツ、

ハンドウォーマー、袖口のリブなど、

ディテール・スタイルともに

完成された一着だ。

しかし、実際着てみると

やはりオイルの匂いが気になる。
自慢気に部屋に掛けておくと

「臭い!」と妻の冷たい一言。


何度か通勤で使ってみたが、

混雑した電車内で

オナラの犯人を捜すかのように、

周りの人がキョロキョロし始めると、

いたたまれない気分になる。
車を運転するとシートが汚れる。

結局すぐ近所のスーパーへ

歩いて買い物に行くとき、

わざわざトリッカーズのカントリーを履いて

英国貴族のアウトドアライフを気取る姿は、「いまオレは、この店内で一番オシャレ…」

という自己満足よりも、

自己嫌悪の方が強いのであった。



一体、これはいつ着ればいいのだ?

いつの間にか密封された袋に

入れられたバブアーは、

結局私と同様その後渡英することは

なかったのである。


ところが、

その後数年ぶりに袋から出したバブアーは、

なんとも色気のある表情になっていた。

オイルが抜け始めたその色合いは、

新品の時の深みとツヤのあるオリーブから

黄味がかったような枯れた味わいが

出てきたのである。


こんな色の服は見たことがない。

まるで油絵のような絶妙な色合いに、

私はバブアーの底力を見たのだ。


こうなったらオイルなんかいらない!

むしろ極限までオイルを抜いて

みたくなったのである。

そして洗濯機へ…。

乾かして見たそのすっぴんの素顔は、

さらに美しさを増していたのである。



最近ではオイルの少ない

ライトウェイトモデルや

オイルを全く使わないものまで

登場してるけど、

やっぱり手間や経年変化が加わった

その味わいにはかなわないのである


ところで、

バブアーを着て実感したのは、

全然暖かくないこと。

英国の北海と聞くと

いかにも暖かいアウターを

勝手に想像してしまうが、

確かに防水性や防風性があるものの、

それ自体に保温性はない。

別売のフリースのライナーを付けても

それほど効果はない。


ではどうしたらいいのか?

答えはニットである。
しかもただのニットじゃダメ。

ざっくりとして脱脂や染色を抑えた、

保湿性、保温性に優れた

英国製のニットあたりを

インナーに着るのがベスト。


私のオススメは「ブラックシープ」



これは最強の組合せだ。

暖かさはもちろんのこと、

ちょっと大きめに感じるバブアーが

これを中に着るとあら不思議、

ぴったりなのだ。


イギリス人は本来、

こうやって着ていたのであろう。

だから今どきのスリムモデルは、

私にとって魅力的に見えないのである。

バブアーは昔のままがいいのだ!  

そしてこのバブアーはもちろん、

GM認定「男の定番品」に殿堂入りです!



メンズビギ  マルイシティ横浜店  GMより

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