そのテーマ、まだやるの?
という声が、はっきり聞こえます。
いいじゃないですか、極私的ブログなんですから。
安心して下さい、当分やりませんよ。
さて今回は、メンズビギの歴代のシーズンテーマ
の中でも、特に私が好きだったテーマについてです。
それは、ボブディランの
”ブリンギング・イット・オール・バックホーム”
と、ザ・バンドの
”ミュージック・フロム・ビッグピンク”です。
ロックファンには、お馴染ですが、
どちらもロック史における最重要アルバムです。
ただ、ファッションブランドのテーマとしては、
かなり渋~いセレクトです。
ボブディランのこの作品は、イギリスのビートルズの
出現に触発され、1965年、フォークからロックへと
移行していく時のアルバム。
ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム/SMJ
フォークファンからは、裏切り者扱いされ、
誹謗中傷を浴びせられても、ボブディランの
信念は揺るがない。
アメリカで生まれたロックンロールをベースに、
イギリスのバンドが新たな風を吹き込んでいる。
”すべてのものを、故郷(アメリカ)に持ち帰る”
というのは、ボブディランの決意表明だと思うのです。
そして、ザ・バンドです。
実は、先に触れたボブディランのロックへの転向の際、
苛酷なツアーを陰で支えたバックバンドなのです。
強者揃いのメンバーは、その後ウッドストック近くの
「ビッグピンク」と呼ばれる借家の地下スタジオで、
バイク事故で休養中のボブディランとともに、
セッションを重ね、遂に念願のデビューアルバム、
”ミュージック・フロム・ビッグピンク”をリリース。
ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク/ユニバーサルミュージック
- それは、当時の華やかな
- サイケデリックムーブメントの中で、
- 異彩を放った、アメリカのルーツサウンド。
この芳醇で郷愁を覚える、味わい深いロックは、
誰も聴いたことのないもので、特にイギリスの
ミュージシャンに衝撃を与えました。
すでに、ギターの神様と言われていた
エリッククラプトンでさえ、ザ・バンドのギタリスト
になりたいと、憧れたほどです。
さて、それでは何故、これらの古い作品が、
メンズビギのシーズンテーマになったのでしょう。
当時(2000年代中頃)のファッションを
振り返ってみると、それまでの洗練されたモード
から、もっと地に足のついた、ラギッドでアメリカ的
なものが、注目されてきたからではないかと
思うのです。
9・11のテロ、その後に続くイラク戦争など、
社会を取り巻く状況も遠因となっていると
思います。
世の中に不安要素があればあるほど、
ファッションは原点回帰に向かっていくような
気がします。その後、自然志向が強まって
いくのです。
”アメリカのルーツを再発見し、再構築する”
という共通点で、とても深いテーマです。
さすがメンズビギです。
きっと、カート・コバーン(ニルバーナ)あたりだと
響かなかったなぁ。
GMより
メンズビギ・マルイシティ横浜店7F
(JR横浜駅東口 徒歩すぐ)
TEL 045-442-0137