虐待を受けて育った人のブログ

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僕は父と継母に虐待を10年以上受け続けて育ちました。児童相談所や児童養護施設を経て社会に出てからも葛藤の連続でした。そんな僕の過去と現在について書いています。

講演会の際に沢山のご質問をいただくのですが、内容によっては他の方も知りたいことかもしれないのでこちらで共有させていただきます。虐待を受けた人についてを知りたい方の参考になれば幸いです。

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【質問】
奥さんに家庭環境を話したタイミングはいつですか?被虐待体験による子育てで困ったことは何ですか?その対処方法はなんですか?(社会事業大学の生徒 さん)

【回答】
妻とは2年の交際を経て結婚をしたのですが、交際して1年が経過した辺りだったと思います。妻に話した時も緊張しましたが、妻の両親に話した時はもっと緊張したのを覚えています。被虐待体験による子育てで困ったことは、1人目の子が生まれる前に「自分がされてきたことが体に染みついている故に、なにかでキレてしまった時に無意識に子どもに手を挙げてしまわないだろうか…」という不安はありました。最終的には、「自分が親に”されてきたこと”だけではなく”して欲しかったこと”」に向き合い続け、更に子育てやコミュニケーションなど「親になるための学び」を深めて乗り越えることができました。


【質問】
加害者支援についてお考えがあれば。その必要性も含めて。加害者も見方によっては被害者の側面があり、支援が必要な人なのでは、と考えております…。(こども家庭庁の職員 さん)

【回答】
親支援は子ども達の視点で考えると必要だと思います。なぜなら子どもの中には、どんなことをされても”親が好き”とか”親に愛されたい”そう願っている子どもがいると思うからです。私もそうでしたが、小学5年生位までは「叩かれるのは嫌だけど、親に沢山褒めてほしい、親に認めてもらいたい」と思っていました。中学の時も、親がもし変わってくれるなら家に戻りたいと思っていた時期もありました。だからこそ親が支援によって良い方向に変わってくれれば子どもは嬉しいはずです。虐待をしてしまう親にも様々なタイプがいるので、どんな親でも親支援によって改善するとは言い切れませんが、少なくとも”ストレスやしつけ”などを理由に虐待をしてしまう親であれば改善の可能性はあるかもしれません。人を好きになる気持ちと同じように、子が親を求める気持ちもなかなか止められないものだと思います。
 

 

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【質問】
転機が5つほどあったと思うが、それは起こっている途中に転機だと気付いたのか、それともしばらくたってから気付いたのですか?(社会事業大学の生徒 さん)

【回答】
5つの転機「りすたあと」は、後から気付いたことでした。「りすたあと」の「り…理解しよう自分のこと」からほぼ言葉の順番通りに転機が訪れていました。


【質問】
ご自身の体験を話すことで、つらかった思い出が想起されてつらい思いをすることはありますか?その場合の対処について教えていただければと思います。(こども家庭庁の職員 さん)
【回答】

今現在は感情が揺れることもなく淡々と話すことができています。10代~20代の頃はごくたまに人に話そうと試みることがあったのですが、感情の揺れによってうまく言葉にできませんでした。退所についてとのことですが、話す側の対処法は「無理して話すのを止める。」ということ位しか見当たりません。聴く側の対処法は「とにかくリラックスして、言葉にならなくても全然問題ないことを何度も伝えて、無理をさせないこと。」かなと思います。
 

 

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【質問】

保育園、小学生低学年の頃に児相から一時保護されていたらどんな気持ちでしたか? 「親と引き離された」「何で引き離すのか」と思われたのでしょうか。当時もっとおせっかいな大人がいっぱいいてくれたらと思いましたか?(こども家庭庁の職員 さん)

【回答】 子どもだった当時の私が納得して行くのであれば「親と引き離された」とか「何で引き離すのか」とは思わないと思います。逆に説明なしで無条件で一時保護されたら仰っているような気持ちになっていたと思います。いつの頃も叩かれることや怒鳴られることはもちろん嫌でしたが、それでも低学年の頃は「親に認めて欲しい、親に好きになって欲しい」という気持ちが大きかったです。だからこそどのような言い回しで一時保護するのかにもよるかなと思いました。おせっかいな大人ですか…。私のように比較的分かりやすいSOSを出せるタイプならおせっかいな大人が居たら良かったのかもなぁと思います。

 

 

【質問】 親への支援が必要とのことでしたが、橋本さんが虐待を受けていた時、橋本さんの親にはどんな支援が必要だったと思いますか?(こども家庭庁の職員 さん)

【回答】 「プライドが高く見栄っ張り」「仕事人間」「気合と根性が心情」だった父ですが、「こどもの送り迎えやその他の家事全般をしてくれる支援」で介入し、徐々に家庭の話を聞いていくという方法かなと思います。こどもの送り迎えと家事全般が本当に大変でストレスだったと言っていたので、そんな「リアルお困りごと」できっかけを作る位しかあのタイプは介入不可能です。

 

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【質問】
虐待の経験が今でもフラッシュバックしたり日常生活に支障をきたしていることはありますか?(社会事業大学の生徒 さん)

【回答】
実は一度もフラッシュバックが起きたことはありません。ただ、親元を離れてから親に対しての怒りで身震いすることはよくありました。日常生活に支障をきたしていることも現在はありませんが、以前は「最低な家庭で育った自分自身も最低な欠陥人間だ」という思い込みが強くあったため、友達やパートナーといてもふと孤独を感じたり、寂しくなることはありました。とにかく自己肯定感が低かったので仕事で意見を言う事もできず、輪の中に入ることもできない時期がありました。


【質問】
自分が変わった、変われたと思えた瞬間はどんな時でしたか?(親に対する気持ちなどで)こども家庭庁に期待されることがありましたら教えて下さい。

【回答】
2つあるのですが、1つ目は自分史を作成して俯瞰した時。2つ目は母親と会えた時です。自分史の時は、こんな自分でも役に立てるのかもしれないという「自己受容」のきっかけになりました。そして母親と会えた時は長い間、自分自身を苦しめていた「劣等感」がなくなり「普通の家庭に近づけた」と感じた瞬間でした。親に対する気持ちは、父と再会した時です。父の話を同じ親目線で聞けたことがポイントだったと思います。こども家庭庁に期待すること、ですが既に色々な取り組みや実績がおありなので特にありませんが、私の想いをお伝えすると、世の中には声をあげたくてもあげることができない人、年齢やその他の理由で支援を受けることができない方、追い込まれた環境下での出産や子育てを強いられている親など沢山いると思いますので、そういう人達に優しい世の中になって欲しいなと願っております。カウンセリングについての選択肢や費用面でのサポートも充実するとありがたいですよね。また、どんな酷いことをされたとしても”親に愛されたい”と願う子どもはきっといると思うので、その子達にどう向き合うのか?を考えていただきたいです。

 

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【質問】
お話をありがとうございました。お母さんとの再会ではどのようなお話をされましたか?

(社会事業大学の生徒 さん)
【回答】
まずはお互い離ればなれになった後の話をしました。私は、弟が亡くなったこと、継母に虐められていたこと、引っ越しばかりで友達ができなかったこと、施設に入ったことなどを話したと思います。

母の話で印象的だったのは、離ればなれになってからしばらくは保育園に通う私達兄弟を隠れて見ていたという話を聞いたことです。ドラマとかでありそうな「あの感じ」で見ていたんだろうなぁって。あと、父から「お母さんは再婚した。」と聞かされていたことが嘘だったことも衝撃でした。


【質問】
私も母に「どうしてあの時、こうしたの?」とききました。

すると「申し訳ない」という気持ちと母の大変だった人生、今も抱えている課題を泣きながら話してくれました。子どもをないがしろにする気は毛頭ありませんが「虐待する親」「してしまった親」へもっと焦点をあてて勉強していきたいです。ぶっちゃけ、私は親への気持ちの整理がまだついていません。ハシモトさんは整理できましたか?5つの転機、行動で考えや捉え方は変わりましたか?

虐待経験のある女性の場合(男性よりも、出産や「母」という母性を求められるという意味でも)特に出産、育児への抵抗、「負の連鎖」から抜け出せないのではないかという気持ちの人が多いように感じるのですが(それそれで置いておいて)パートナーのこうした不安や思いにもう一人の相手方はどう向き合っていけばよいと思いますか?逆に相手に不安を打ち明けるのに、どういう点に気を付け、または押さえて話をしたら良いと思いますか?今の私の悩みです。(社会事業大学の生徒 さん)
【回答】
色々と細かくお話してくださってありがとうございます。お母様に当時のことを聞かれて「親」への焦点をあてて学ぼうとするお気持ち、とても立派です。私は母と再会をしてようやく親への気持ちの整理はついたかなって思いました。虐待体験に向き合うと決めてから6年位経った40歳になる頃でした。5つの転機、行動(りすたあと)ですが、気が付いて実践したという訳ではなく、後から振り返ってみてそうなっていたという感じです。

ご質問にお答えしますね。出産や育児の不安や思いにもう一人の相手方はどう向き合えばいいか?というご質問ですが、私がもし聴く立場でしたら「相手が言う事の全てを受け入れて全部出し切ってもらうこと。」と「一緒に向き合って乗り越えていくことを何度も伝える。」と思います。逆に相手に不安を打ち明けるのに、どういう点に気を付け、または押さえて話をしたら良いかというご質問ですが、打ち明けることに対して気を付けることは特にないと私は思います。ただ、打ち明ける前に他にも「打ち明けられる人」を見つけておいた方が良いと思います。「この人なら大丈夫」と勇気を出して打ち明けた結果、心無い言葉を掛けられてしまったり、良からぬ方向に行った時のダメージは相当だと思うので、そうなった時の「居場所」を予め準備しておいた方が安心です。その居場所は友達、行政の相談員、カウンセラー、メンタルクリニックの先生など選択肢はいくつもあると思います。ちょっと手間かもしれませんが居場所を確保しておくことって本当に大切だと思います。望む結果になることを心より願っております。

 


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