昨夜、ロレックスエアキング14010Mが夢枕に立ち、思い切ってイメージチェンジしたいと言ってきました。
「変化を求めなくなったら終わりだと思ったの…。」、と、つぶやく表情はどこか寂しげでした。
えっ、イメチェンって、今度はいったい何を…、と、問いかける間もなく14010Mの姿は暗がりにゆっくりと消えていきます。
私はベッドから跳ね起き、夢?、と、つぶやきましたが、寝室の壁から、「確かに頼んだわよ…。」、と、声が何度もリフレインしながら聞こえてきて、やがて消えていきました。
私は腕を組んで、どうしてこんなことになったのか最近の生活を振り返ることにしました。
たしかに14010Mの姿になってから、あまり使ってあげていませんでした。同伴の機会が乏しいことを残念に思ったエアキングがイメージチェンジを申し出ても不思議ではありません。
そう、エアキング14010Mの古風で凛としたたたずまいは無骨な私には美しすぎて、釣り合いが取れていない気がしてついつい使いそびれてしまうことが多かったのです。一度は永遠の愛を誓ったのに、嗚呼、もう少しデザインに遊び心があったなら…。
AirKing 14010M
そして今日、私はエアキング14010Mを村松時計店に連れていくと、お店の四代目にイメージチェンジが可能かどうか聞いてみました。幸い、イメチェンに必要な装備は売れずに残っていたので、善は急げとばかりに話を進めることにしました。
14010Mをゲットした折、四代目には、ロレックスはこれであがりにします、と、伝えていただけに、頼むとき少し恥ずかしかったけれど、耐えました。
Rolex AirKing 116900
しばらくすると、エアキング14010Mが大幅にイメージチェンジを遂げて現れました。5桁のエアキングとは全く違った装いです。
ケースは34mmから40mmに大幅にサイズアップし、文字盤には3・6・9のアワーマーカーに加えてミニッツインデックスがつきました。王冠の色はなんと黄色だ。秒針はとロゴがグリーンなのはロレックスカラーを表しているらしい。
これまでのシンプルでラグジュアリー感の漂うルックスとは大違いです。
こんな、こ、これじゃエアキングじゃな…、と、言いかけて、私は、イメチェンしたエアキングに魅力を感じていることに気がつきました。
2016年にエアキングが6桁として復活した時には、なんじゃこりゃー、と、感じた大胆に刷新されたデザインが、いま見るとなぜか良く見えるから不思議だ。当時、エアキングは死んだ、と、がっかりして5桁一筋を決め込んだ感性は歳を経てすっかり変わってしまったのです。
かっこいい、すてきだ、と、思わず私はつぶやきました。
どこからか、今はこっちの方が好きなんでしょ、と、聞こえてきたのは気のせいだったか。
美貌の5桁も好きですが、6桁のエアキングのデザインにはカジュアルさも遊び心もあり、何より無骨な私の腕に乗せても映える懐の大きさがあります。これなら登板回数も増えるはずです。
14010Mをロレックスのあがりにしようと決めていたのにこんな事態になって危機感が募るけれど、久しぶりに時計で胸がときめいていて悪くない気分です。
はし3のロレックス遍歴
⑧エアキング116900