最初に植村ダイバーだと思って買ったのは、怪しい中古のダイバーズ3rdでした(上写真左)。買ってから間違いに気づき、改めて2ndを買おうと思ったんですが、プレミアがついていて高くて手が出ませんでした。そこで買ったのが、シャークのセカンドダイバー・オマージュでした(上写真中央)。
世の中にはオマージュウオッチメーカーというものがありまして、有名なところですと、ロレックスの名機そっくりな腕時計を作っているヴァーグとかスタインハートがあります。オマージュ(名作に影響を受け、敬意を払って似たものを創作した物)にはコピー(偽物)と違い、文字盤には作ったメーカーのロゴが入ります。
なるほど、時計業界では、「コピーはだめだけど、オマージュはOK」なんですね。どおりでよく似た腕時計が堂々と店で売られて、巷にあふれているわけだ。
2ndにもいろいろなオマージュ品がありまして、SEIKOのロゴの位置にサメの模様を施したシャーク製もその一つです。
これがまた、オマージュという言葉に恥じない素晴らしい出来栄えでして、外見のそっくりさを比べれば、径が1mm大きくなってしまった復刻セカンドダイバーSBDX031の上を行くと思われます。
文字盤は驚くほどオリジナルに忠実で、後期型2ndを表す6150-8110に諏訪マークまで再現されています(おいおい)。 因みに中にはセイコー製ムーブメントNH35が収まっていて、これは国内では4R35に相当する信頼のおけるものです。
裏ブタのデザインとリューズ付近の形状は違いますね。でも、違っていていいのです、オマージュなんだから。
オマージュ品、是か非かということですけれども、私は良いと思います。日本の時計メーカーだって、もとをただせばスイス時計のオマージュから始まっているはずです。セイコーの文字盤もパテックフィリップ・カラトラバを参考にしたと聞いたことがありますし、今でもセイコー海外モデルは、よく見なくてもどこかのオマージュが多いです。
「いいんだ、やっていい世界なんだ」、て、感じです。オマージュに文句はつけないという不文律でもあるんでしょうか。
つまり、オマージュされるくらいにならないと、業界のスタンダードの地位を確立したとは言えないのでありましょう。
ずっと時計のデザインに特許ってないのかなあと疑問に思っておりましたが、オマージュ品というものに出会って、なんとなく想像できてきました。