子供の時分、そういえばこんな歌が
CMで流れていた。
♪ソ、ソ、ソクラテスか プラトンか
ニ、ニ、ニーチェかサルトルか
み~んな悩んで大きくなった ♪
あの大島 渚監督を突然殴り、逆に
マイクで反撃を受けたかと思えば、
原作『火垂るの墓』(ジブリ)では
日本国民のみならず、世界を涙させ
たことで有名な、野坂 昭如氏の
「ソクラテスの唄」である。
(サントリーウィスキーのコマーシャル
であった)
ここまで書いて半分は『不適切にも
ほどがある!』野坂氏であったが、
考えてみるとテレビコマーシャルを
通して、小学生であるわたしに初めて
世界の哲学者を紹介してくれたのも
同氏であったわけだ。
「今」と「わたしが子供の頃」の
子供を比べると、〝教養のシャワー”を
コマーシャルでも浴びていたわれら
世代の勝ちのような気がしますが、
一方、今の子供にくだらない番組を
提供しているわれらの世代は、上の
世代に負けている、ともいえる。
コンプラのない昭和時代、それは
現在と毀誉褒貶あい半ばだが、
いい面でいうと野坂昭如のような人が
活躍できる場を提供できる寛容さが
世の中にあったことだ。