読書㊴ 『木挽町のあだ討ち』 (永井 紗耶子著 新潮社) | そういえば・・・

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橋本商工株式会社の社長のブログです

今年も今日でおしまい。大晦日です。

残るは年越しそばを食べて、新年を

迎えるだけですね。

 

ネトフリを休止し、読みかけの本を読了。

永井 紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』

です。

 

ラジオで紹介されていたので、すぐに

買った。文章のリズムが良く、また

表現も平易なため、わかりやすく

読みやすい。

 

 

「この者はの縁者につき、

 事の次第やそこもと

 来し方など語って欲しい」

(『木挽町のあだ討ち』より)

 

〝ぼう“ではない、それがしと読む

〝そこもと”=youですね。

〝来し方” (きしかた)

 意味は過ぎ去った前(過去)のこと、です。

 

 

仇討ちを軸に様々な登場人物の「来し方」

を語らせることで、物語の厚みを構築する

とともに、さりげなく伏線をはるところは

プロ(の小説家)のうまさ、巧みさを感じ

させられるところです。

 

また江戸期の芝居小屋の運営や風俗、

そもそも「仇討ち」の作法など、

(現代人が)知らないことも分かりやすく

描写してくれています。

 

第169回 直木三十五賞と第36回 山本

周五郎賞。

1700円(税別)をコレに使う価値、

大ありです。

 

読むべし。

 

 

あと4時間で新年、

よいお年を!