昨年から引き続き、東北、とりわけ秋田県ではツキノワグマによる獣害が
頻発している。最近もタケノコ採りの女性が殺害された。
山菜採り、キノコ採りなどで、本州の山でクマと鉢合わせになることが多い。
わたしの感覚では『スーパーで買えばいいじゃん』の一言につきるのであるが、
実際、自生している山菜やキノコは香りがとても良いものらしく、そういった風味を
知っている地元の方は危険を冒してでも山に入るのだろう。
クマによる獣害を描いたノンフィクション小説といえば 『羆 くまあらし 嵐』が有名。
北海道に入植した開拓農民と羆(ヒグマ)との壮絶な闘い。犠牲者続出。
第一次世界大戦が二年目に入った、大正四年に起きたこの惨劇は以降、現在に
至るまで、単独の獣による犠牲者数の記録ではいまだ本邦No.1である。
ちょうどこれから暑くなるので、本を読んで涼しくなりたい方にはお勧めの一冊。
(これを読むと、鈴の音色なんかは全く抑止にならないことがわかる 表紙が怖い)
ところでこの獣害事件が発生した苫前では『ベアーロード』と道を名付け、
羆をキャラクターにした看板で惨劇の場所までの距離を表示するありさま。
なんとも凄い逆転の発想だ。