毎日毎日僕らは鉄板の…… | すぱイしー ているず

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支倉凍砂の日常と、とりとめもない思考を書き記すブログ。

上で、肉を焼いて暮したい。



最近焼肉食べてない。(´・ω・`)





というわけで、生きています。

会う人のほとんどに、「リア充すぎて殺そうかと思いました☆」と言わしめた前回の日記以来、特にネタらしいネタもなく……。


でもせめて一週間に一回くらいは更新したい、ということで、今日は細かい話でも。




twitter のほうでは書いたのですが、実は私は読書録などを付けておりました。


読書に関しては、ただでさえ過剰な自意識をさらに増し増しで盛りつけておりまして、その自意識たるや、新書の類を読んでいるのを人に見られると恥ずかしくなるくらいです!

(私の新書のイメージは、書籍を読むのは億劫だけど、本を読まないのはどうかと思うし、けど、なに読んだらいいかよくわかんないし、ビジネスマン必読、なんて書いてあるからこれでいいかな、という人が読む物(偏見) もちろん名著もありますけど、大半は……)


で、そんな読書録がなんと一年分たまりまして、何事も長続きしない自分においては珍しいことだなあ、なんて思いました。


もっとも、最初は短くても感想なんかを書いておけば後々見返したら面白いだろう、なんて思っていたのですが、読書録を見返すと、その意気込みは数日のうちにしぼんでいるのがわかります。

なので、書いてあるのは日付と読んだ本のタイトルだけ。


で、結果。



漫画389冊。


小説51冊。


書籍97冊。



小説51冊に正直びっくりですよ。

そんなになにを読んだんだ……としばらく首をひねりました。

でもまあ村上春樹にはまって頭から順に読んでったので、それだけで20数冊か。

というか概ね村上春樹じゃないか……。


ラノベは何冊かと思ったら、4冊くらい。これはちょっと反省するかな……。


残り二十冊も、ずっと追いかけている人の小説だけだし、広がりがないなあ(´・ω・`)

追いかけているのは、米澤穂信、森見登見彦、島本理生、あと、ぼちぼち。まあ、追いかけていると言っても、全部読んでいるわけじゃないんですけど……。



漫画は、毎日毎日つみあがる積読を消化していったら読めた感じ。

再読は含まず。


一番面白かったのってなんだろうな。

再読をよくするので言ったら、


『野田ともうします。』 (ロシア文学科女子大生の野田さんが、太宰治の『津軽』の文庫に400個以上注解があることをネタにえんえん長い話をするとか、まあ、そんなノリ)


『ベントラーベントラー』 (超ゆるいSF。萌えも燃えもないけど、クタム君好きだー! 『鈴木式電磁気的国土拡張機』とか好きな人は好きだと思うんだ。だ。だ。)


『ももきや』 (すっとぼけた会話の掛け合いが好きな人は面白いと思ってくれると思うんだけど……。『フライングガール』もたまに読み返す)


『とろける鉄工所』 (鉄工所お仕事漫画。探したら、ほかにも鉄工所の漫画ってあるのね。今って何でもあるな……)


『アオイホノオ』 (島本和彦の青春時代にちょっとフィクションを、というノリらしい。庵野秀明とか偉人が何人もでてくる。『美大デビュー』とかも好きなんだけれど、芸大とか美大とか、ある種治外法権的な大学の中でもさらにいろいろ自由そうで、すごい好き。『はちみつとクローバー』もそういやあれ芸大か。)

かな。


あと、読んでて悶絶したのが、


『放課後プレイ』 の二巻。


一巻は鈴木大輔大明神に勧められて読んで、普通に面白いけど、普通……みたいな感じでしたが、二巻がすごかった。すごすぎた。

2P読んでは本閉じてうろうろして、また読んで、な勢いだった。絵にすごい癖があるけど、慣れると余計にたまらない。

一巻二巻独立しているので、二巻だけ読んでも問題ないと思うけど一巻も普通に面白いよ!




書籍はなにが面白かったっけなあ。

バフェットファンなので、


『スノーボール ウォーレン・バフェット伝』


とか面白かった。

内容もそうだけど、これ、翻訳者の人が『フラット化する世界』とかを翻訳している人で、ものすごく文章がうまい。

バフェットとかマンガーとか、いい年した大富豪のくせに下ネタとかうんこネタとか大好きなので、そういうところ上手に訳してくれてたりする。たまに、ジョークを直訳して注釈で「アメリカではこういう意味ですよ」てやる翻訳者もいるので、やめていただきたい。


『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』


とかも。

いや、ほんとビジネス書のベストセラーリスト見てる人からすると面白くない結果ですみません。

これ、相当売れたけど(まだ売れてる)、やっぱり面白かった。

無料の商品をめぐる話とか、無料ということについての学問的アプローチとか。

『予想どおりに不合理』とか『まぐれ』とか『ブラック・スワン』とか、行動経済学とか認知心理学の本を読んでいるとなお楽しめる、と思う。


あとは、


『「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用』


とか。ちょっと古い。

ソーカル事件、なんて項目でwikipediaに載ってる論文投稿事件のあれ。

ソーカル事件というのは、物理学の教授が権威ある思想系学術誌に無意味な論文(意味の通らない理系知識の引用とか、あとはまあその学術誌に投稿している系の学者をとにかく褒めちぎるという内容)送ったらうっかり載っちゃいましたよ、というやつ。

ソーカル先生っていう学者が、思想系の学者があまりにも理系知識を不用意に濫用しているのでモノ申す、ということでそういうことしたらしいんですけど、ポストモダンとか言われる系統の本は本当に何書いてあるのか理解できないので、にやにやした。

「実は思想家たち自身も互いになにをやっているのかわかってないんじゃないのか?」的な。

自分もよく理解してない理系知識を普通に使って小説書いては投稿してたので、戒めのためにはよかったかな。

今でもあまり変わらないけど……。



学術っぽいのだと、だいぶ柔らかいけど、


『悩ましい翻訳語―科学用語の由来と誤訳』


も面白かった。というか、だよね! というのがいくつかあった。

たとえば、オーク。

以前原稿でオークと書いたら、樫の木としなくていいですか? と校正さんの注があった。

でも、中世ヨーロッパ系の本で樫の木と言う記述を見た記憶がほとんどなかったので、違和感と不安感があった。

結局どうしたか覚えてないんですけど、気になってた。

そこにオークを樫の木と訳するのはほとんど誤訳、とあって、胸のつかえがとれた。

毛皮の皮なめしの工程に関するところでオークがよく出てくるのですが、学術書は基本きちんと英名を翻訳されていることが多いので、樫の木という記述がないならオークはオークなんじゃ……と思っていたわけです。(小説とか書くために世界観構築のために本を読まれたことがある人はわかると思うのですが、本には「~~である」とは書いてあっても「~~でない」とは滅多に書かれていないので、怖いのです)

ただまあぐぐると普通にオークは樫の木と訳されているし、日本でいう樫の木でもタンニンがとれるのかも。ヨーロッパで使われていたかどうかはわからんけど、なにせ狼と香辛料はジャガイモ出てくるしね!

この本だと、ほかには翻訳ではないけど「ネコ目」とか、なんでこんな言葉にしたんだ? 的な突っ込みが多くて、うんちくたっぷり。

ネコ目って昔は食肉目という分類だったらしくて、ネコ目とした途端、イヌ科もクマ科もネコ科もアシカ科もネコ目だそうで、意味がわからん、的な。



経済系だと、


『貨幣の経済学 インフレ、デフレ、そして貨幣の未来』

とか素晴らしかった。

なにが素晴らしいかって、不換紙幣の根拠ってなんなのさ? という疑問に真正面から取り組んで、著者なりに答えていること。

経済学の講義で使うような教科書ってこの質問に応えてんの? 見たことないよ!(あるのかもしれないけど……)

あとは、日銀の働きをここまでわかりやすく描いている本に出会ったことがない。

こういう本がもっと出ればいいのに、と思う。(アマゾンレビューだとくそみそに書かれてるけどw まあ、ぼろくそに書かれているインフレターゲットとか云々のところは、よくわかんなかったので正直読み飛ばした。マイナス金利付き貨幣のアイデアは私はいいと思う)



夏休みの大学生さんとか、もし暇なら読まれたらいかがでしょうか。面白い本多いよ。


あと、思いのほか長くなった。


最初は読んだ本リストとか全部張ろうかと思ったけど、無理すぎる。('A`)



ではまた来週。