シリーズ前回に引き続きです。

 

 都政新報より(左をクリックしてください)

 

 「境界」を変える

 思いもよらない異動

 思いもよらない部署への異動を私も経験してきました。しかし、それはマイナスなことだけではありません。未来を拓くチャンスでもあることをお伝えしたいと思います。

 

 自治体職員にとって異動はつきものです。私は入庁して5年間は、保険年金課で窓口業務に従事していました。そして6年目に初めての人事異動を経験しました。

 

 異動内示先は、いわゆる「一部事務組合」への出向でした。まさか市役所組織の「外」に異動とは夢にも思っておりませんでした。

 

 貢献できることを見つける

 異動のあいさつに行って驚いたことは、同じ係のメンバーが消防や隣町からの出向者で構成されていたことでした。当時の上司からは「『伊勢崎市』という枠で仕事をしないように」と言われました。そのことの意味は仕事に携わっていく中で分かっていきました。

 

 当時は「平成の大合併」に向けた動きが全国の市町村で加速している状況で、私も市町村合併に向けた業務も担当することになりました。とは言うものの、メンバーの中では一番若手で、「合併って何?」という状態だったため、何をしていけば良いのか分かりませんで

した。

 

 このような前例のない業務に対して、上司や先輩は、これまでの行政経験の中で培った強みを発揮しながら仕事を進めているのを目の当たりにしました。そうした中、私は合併協議を進めている地域の情報収集や合併に関する文献などを自主的に読み、理解を深めていきました。すると不思議なことに市町村合併に関する関心が湧いてきたのです。その後、先進地の事例や状況などについて詳しく知っているということで上司や先輩から質問されることが増えていくようになり、自分が微力ながら組織に貢献できているという実感をつかめるようになりました。

 

 また、仕事をしていく中で自分の認識も大きく変わりました。「伊勢崎市」という行政区域でなく、「新市」という行政区域へと認識が変わるとともに職場のメンバーに対しても「他の自治体の職員」から「合併後に一緒になる職員」へと変化していきました。

 

 さらに自分の仕事についても、「大した仕事をしていないかもしれないが、新市のまちづくりの一端を担っている」という意味付けが自分自身の中でできていったのでした。

 

 自分の可能性を信じる

 予想外の組織外への異動でしたが、職場の他のメンバーのために何ができるか、役に立てるかを意識しながら目の前の仕事に全力で取り組んでいく中で徐々に面白さを感じていくようになるとともに、さらに他の業務にも取り組んでみたいと思うようになりました。このようなことを繰り返していくうちにおぽろげながら職場全体の仕事が分かってきて、仕事を楽しむ感覚になっていったのでした。

 

 その後、異動した部署でも同様の取り組みを繰り返していきました。するとどうでしょう。昔の自分からは想像もできないようなことが自分に起こるようになりました。今回のような執筆の機会をいただくことになったことも、その証左のーつです。

 

 皆さんの中には「今の仕事がつまらない」「自分がやりたいことはこの仕事ではない」と感じている方もいるかもしれません。私も最初に配属された職場で、そのように感じていました。

 

 しかし今、振り返って分かることは、自分自身でつまらないものにしてしまっていたということです。だからといって、皆さんには「何かアクションしましょう」と提言するつもりはありません。皆さんに試してもらいたいことは、自分の業務や人間関係についての自己認識をちょっと変えることだけです。自分自身で「境界」を固定することはせずに、自分の可能性を信じ、「境界」を変えてみてはいかがでしょうか。

(群馬県伊勢崎市職員課課長補佐岡田淳志)

 

 今回は、都度コメントを入れるのではなく全体的に。

 

 で、が~んという感じです。

 

 実は今回の件と類似するコラムがあって、それに関して書いたブログを読み返しましたら、中途半端で終わっていました。申し訳ございません。

 

 その中途半端はこれです。

 

 若手職員諸氏へのエール(12)(左をクリックしてお読みください。)

 

 「前回のこのブログのシリーズの続きです。今回は、先にお読みいただきたい内容ですので、そのまま転載させていただきます。」

 

 と書いておきながら、その次がずっと間が空いてしまって、違うコラムになってしまいました。

 

 実は、この(12)も今回も共通する部分があると思います。

 

 なので今回のものと(12)をもう一度合わせ読んでいただければと思います。

 

 専門職、技術職の方ですと職場が限られがちですが、この(12)の文中に、

 

 「本市は幅広い知見と実践力(総合力)とともに、特定分野の専門的な知識と能力(専門力)を備えた職員、「総合力のある専門家」を「スペシャル・ジェネラリスト」と呼び、計画的に丁寧に育んでいます。

 

 まず総合力は、職員が採用後のおおむね10年間に「窓口」「管理」「事業」の三つの業務分野を経験し、市政の基礎的概要をつかむことで身に付いていきます。」

 

 と記述があります。

 

 私が触れたいのは、「スペシャリスト」「ジェネラリスト」論ってありますが、その部分です。そして、この(12)の藤枝市の記述の後ろの部分「まず総合力は、職員が採用後のおおむね10年間に「窓口」「管理」「事業」の三つの業務分野を経験し、市政の基礎的概要をつかむことで身に付いていきます。」って、似たような話が船橋市では「ジョブローテーション」という言い方で聞こえてきます。

 

 船橋市は、必ずしもこういう括りの三つの業務では無いような気がします。もはやいまとなっては、ただ単純に「職場3箇所」という意識の職員がほとんどのようですし、もともと船橋市の意図は藤枝とは違っていたのだと思います。

 

 船橋市役所らしい「いいとこ取りのものまね」なのかもしれませんし、お得意の中身や趣旨がが伴わないものまねだったのかもしれません。

 

 いずれにしても、多くの人事関係者が懐疑的であるにもかかわらず、引き続いていることが少々苦笑してしまうことです。

 

 もっというと、3箇所職場も十分な意図のもと回せていませんで、2箇所ジョブロー終了職員がいたり、2箇所目の職員は、「どうせもう1箇所異動があるから、ここはこの程度の仕事っぷりでいいや」的「気持ち」でいる者、あからさまに「口にする者」がいるわけです。そのことがいけないとは言いません。

 

 そういうふうに捉えてしまうわけですから、そこはきちんと、理論的に丁寧に説明できるようでなければなりません。もう一度、藤枝市の取り上げた部分の後の部分もお読みください。良いことが書いてあります。

 

 もう一度リンクをここにも。

 

 若手職員諸氏へのエール(12)(左をクリックしてお読みください。)

 

 で、あまりにも長くなりすぎたのでまたあとで。