追加の議案質疑を考えるにあたって、非常に興味深い、関連すると思われる雑誌の特集記事がありました。

 

 完全なる転載になってしまいますがお許しいただければと考えています。2回くらいにまずは分けて書きます。

 

 月刊 ガバナンス No.182  2016 6月号 ぎょうせい刊

 

 

 

 

 今回の郷土資料館の追加工事の問題は、この地方自治体の縦割りがある意味では原因ではないかと考えているのです。前回に引き続き書かせていただきます。

 

地方自治体のセクショナリズムの特徴

 

 このような中央官庁のセクショナリズムと地方自治体のそれは同じものだろうか。単刀直入に言おう。全く違う。地方自治体のセクショナリズムは中央官庁ほどひどくはない。

 

 え~、え~、そうかなあ~。地方自治体の方がひどいと思います。否。訂正します。船橋市役所がひどい。でした。

 

 各省設置法はないし、採用も部署ごとではない。首長が全体を統括する。このような状況から、地方自治体の場合、仕事の壁になるような部署ごとの組織文化が形成されるとも考えにくい。事務系・技術系など職種の壁があるにしても、セクショナリズムを惹起するような強固なものではない。

 

 いやいや、今回私が直面している「教育委員会」という巨大な別の執行機関の分厚い壁と無責任体質が許せません。何度も何度もぶつかっていっても許せないことだらけです。

 

 しかも国が動いてそもそもの制度改革をしようとしても、それさえも阻まれた感じ。やれるところまでやってはいただいたが、そこまでが限界か~とう感じです。

 

 中央官庁と地方自治体の垂直的関係から中央官庁のセクショナリズムがそのまま持ち込まれているとも言われるが、中央官庁には出先機関があるし、出先機関と地方自治体の関係は微妙なものがある。また、地方分権が進み、首長の権限やリーダーシップがいつになく強くなっている今、この説をそのまま当てはめることは適切だとは言えないだろう。

 

 もちろん、人事評価の基準が各部・各課を中心に置かれる以上、セクショナリズムの要素が根強いことは否定できない。

 

 ただし、それは中央官庁のような「争い」とは全く異なったものである。地方自治体の場合、横割りの課題を進めようと思っても各部署の権限争いが激しいために仕事が前に進まないのではない。セクショナリズムが常に議論となるのは横割りの課題が進まないからであるが、その要因が地方自治体と国では異なるということである。

 

 この記事の執筆の先生も横串のことに触れてくださっています。

 

 地方自治体の場合、横割りの課題に対応できない理由はいくつか考えられる。

 

 まず、横割りの対応が求められる課題に対するヴィジョン・解決策がきちんと議論されているかどうかである。地域活性のための方策がわからなければ各部署の連携など求めようもない。

 

 重い。重すぎる。「地域活性のための方策がわからなければ各部署の連携など求めようもない。」。仰せの通りでございます。まさに

これができなきゃどうにもなりません。ところが船橋市役所では「方策がわからなければ」どうしているかご存知ですか?議論をやめちゃって、放置です。言い方がおかしいですね。「わからないこと」を「適当な言葉に置き換えて」、やらない理由にするのです。仕事をね。できない理由です。仕事がね。

 

 否定から入る部長!!よく読んでおくように。(記事全体も)

 

 全体の奉仕者として宣誓した以上、下僕のように市民にひれ伏すくらいの気持ちで仕事をしてもらいたいと思います。卑下しろとは言いません。誇りを持って、下僕になりなさい!

 

 二言目には、できない理由を言ってくる部長ホント多いです。そしてそれを見ている部下は、こんな楽なことはね~よな。と思うに決まっています。

 

 完全に私が中国駐在中の中国人公務員とまったく同じです。働いても働かなくても給料は同じ。余程のことがない限りクビにもならない。だったら働かない。働かない理由をもっともらしく言って、市長でも副市長でも議員でも市民でも納得させられるディベート力さえ持っていればこっちのもんよ。って感じが、ホント許せません。

 

 第二に、横割りの課題は仕事量や調整量が膨大になりエネルギーが必要とされるが、それを関連部署から引き出す仕組みはあるだろうか。関連部署が機械的に集まる会議といったアリバイ作り程度で終わっていないだろうか。私事で恐縮だが、筆者は情報政策という横割りの課題に3年間従事したが、権限争いから物事が進まないということはなかった。むしろ、各部署の情報化を進めるための協力を引き出すことに苦労した。その時、痛感したことは仕事のシステム化の必要性だった。

 

 「横割りの課題は仕事量や調整量が膨大になりエネルギーが必要とされるが、それを関連部署から引き出す仕組みはあるだろうか。」ということですが、船橋市役所にはまったくありません。

 

 「関連部署が機械的に集まる会議といったアリバイ作り程度で終わっていないだろうか。」はい。まさにアリバイ作りです。それ以外の何物でもありません。

 

 ことほど左様に、もうこの有様です!!って感じです。

 

 第三に、横割りの部暑がきちんと位置づけられているかである。都道府県・政令市などの場合、首長が管轄する総合政策部の位置づけは高いが、すべての地方自治体がそうなっているとは言えない。

 

 うちも欲しいんですよねえ~。政策企画課がありますが、課じゃダメなんです。実は船橋市の規模では部でなければいけませんね。ところがそこまでの人材を育てきっていない。またそういう人材育成システムになっていないのでしょう。この後に、それらのことが書かれていますが、そこがうまくいっていれば、きっと良い市役所として回り始めるんでしょうけどね~。

 

 第四に、横割りの課題に積極的に取り組む職員をきちんと人事評価できているかである。「できる人」は自分の部署の利害に貢献する人、その仕事をまず優先するというイメージになっていないだろうか。

 

 これも重いですね~。結局、船橋市役所において横割り(私風に言えば横串をさす)の問題となると、副市長に話を持っていかないと、ある数人の部長を除いては全員が全員逃げます。

 

 で、かわいそうなのは、逃げない部長って、結局忙しい部の部長なんですよね。

 

 で、副市長は副市長で忙しいし。

 

  一番かわいそうなのは、副市長。僕が持っていく案件は、部長や課長で、横串調整させしてくれれば解決する話。それを逃げるから、告げ口がてら副市長に話を持っていきます。

 

 で、その告げ口の話から人事評価の記述になっていくところがおもしろい。(笑)。

 

 公務員に本格的な人事評価が導入されるようになったのはごく最近のことである。人事評価の基準が曖昧な世界では、首長などの政治が評価する者、財政など主要部署に配属された者などとともに、部署を中心に仕事に励む者が高く評価されるのは言うまでもない。

 

(笑)「首長などの政治が評価する者」私もだてに人生生きてきていないですからね。会社員時代から、「人事の醜さ」をずっと見てきています。中国なんてすごいですからねえ~。

 

どうすればセクショナリズムを越えることができるか

 

 それではどうすれば各部署の積極的な協力を引き出すことができるだろうか。

 

 まず、総合政策を扱う首長直轄の部署を一段上にきちんと位置づけることである。その上で、財政課など既存の上位部署との棲み分け・連携体勢を構築することである。

 

 これってその通りだと思うんですよね。どうして政策企画課をシンクタンク部門で、他より上の位置付けだよって公にしてあげないのでしょうか?

 

 以前(次のブログをお読みください)のブログの中で「市長のシンクタンク部門もしっかりあるようで、長谷川さんところのくらいの規模になれば絶対に出来るじゃない~って感じでお話もいただきました。」と書きました。この市は「都市戦略本部」があってうまく機能しています。

 

議会と執行機関の関係(2)

 

 第二に、横割りの課題の重要性を内外に示すために、エース級と噂のあるような人材を積極的に横割り部署に配属することである。

 

 第三に、各部署の協力を引き出すために、主要な部署・ポジションの職員には「併任」をかけることである。貧困対策の場合、生活保護に関連する主要職員は生活保護課と総合政策課の二つの部署の併任となる。昨今、どこの地方自治体でも人手不足が懸念されている。長時間労働との兼ね合いもあるが、優秀な人材を有効活用するためにも正式な人事発令である「併任」という制度は有効である。

 

 第四に、横割りの政策課題に積極的に協力する職員をきちんと人事評価することである。本格的に行うのであれば、全庁的な人事評価会議を設けることも考えられる。各部署の代表が集まって、年度前半・後半でそれぞれ全庁的な課題に積極的に取り組んだ職員を評価するのである。部長クラスがどこまで個々の職員を見ているかという問題が露呈するため、人事評価をブラツシユアップするのに適しているだけでなく、個々の職員にとっては大きな励みになる。大きな自治体では難しいが、小さな地方自治体では必ずしも難しいことではないと言える反面、大きすぎてお互いの顔もわからないという巨大な自治体こそ有効だとも言える。

 

 もうこれはね、総務部に期待大です。

 

[参考文献]

・今井一男『官僚―その生態と内幕―』讀賣新聞社、1953年

・日本の官僚制研究会編『お役人操縦法』日本経済新聞社、1971年

・行政管理研究センター調査研究部編『政策研究のフロンティア』行政管理研究センター、1989年

・辻清明『新版・日本官僚制の研究』東京大学出版会、1969年

・城山英明「行政学における中央省庁の意思決定研究」(日本計画行政学会編『中央省庁の政策形成過程―日本官僚制の解剖―』中央大学出版部所収、1999年)

・内閣官房行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室『各府省の若手職員等に対するヒアリングの結果について』2001年