書店で見つけた『悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界』を手に取り、味わいながら読んでみた。著者は金沢大学准教授の井出明さんだ。
まず自分が感じたのは、世界遺産に対する日本と欧米諸国との軸足の違いだった。日本はどちらといえば、地域振興に力点をおいているが、世界の潮流は文化財の維持・保全を重要視している。
例えば、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、すんなりと登録されたわけではなく、イコモスとのアドバイザー契約に基き、ヨーロッパが求める筋書きが変更したことでようやく世界遺産に認定された。
原爆ドームのような影の部分に焦点をあてたダークツーリズムに着目することは、今後の日本の世界遺産を形成していく上で、とても重要だと痛切に感じた。誘客や街おこしだけでなく、井出さんが指摘する「国の外交戦略の中に文化をどう位置づけるか」という視点を大切にしていこうと学んだ。I value your input!
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