大田区産業プラザの展示会ヘ行った際に、この近くの勝海舟記念館に行ってみてはと勧められ、少し足をのばしてみた。
洗足池駅から3分ほど歩いていくと、旧清明文庫にたどり着いた。昭和初期に建てられ有形文化財に登録されている。勝海舟の功績を後世に伝えるために、当時の関係者が建てたところだ。
勝は幕末に海軍を創設し、戊辰戦争の戦禍を避けるため、西郷隆盛と直談判し、江戸城を無欠開城させたことで知られている。
明治維新後、勝は赤坂氷川に屋敷を構えていた。広い敷地内に生活に困った旧幕臣たちを数多く住まわれていたと聞いて、彼の人望の高さに驚いた。
勝は洗足池の景色がひと目で気に入り、この池のほとりに「洗足軒」という別荘を建てたそうだ。そこには、彼を慕う者たちが毎日のように訪れ、今後の日本の行く末を議論していた。
彼の遺言により、ここに墓が建立され、現在も多くの人たちを魅了している。そんな洗足池を眺めていると、「You can always count on me」という勝海舟の声が聴こえてきた。墓の前で、彼の冥福を祈った。