『養生訓』 後記 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

「右に書きつづったのは、古人の言葉をやさしくし、古人の意を受けて展開したものである。また、先輩に教わったことも多い。自ら試して、効果のあったものは、憶説であっても書きとめてあり、これは養生の大意である。

 その項目の詳しいことは、説き尽くすのが難しい。保養の道に志がある人は、古人の書を多く読んで、学ぶべきである。大意を理解できたとしても、項目の詳しいことを知らないと、その道を尽くしがたいものだ。

 私は、昔、若いころにあれこれ書を読んだときに、群書の中に見える養生の術を説いた古語を集めて、弟子たちとその項目を分類した。それを、『頤生輯要(いせいしゅうよう)』(一六八二)と名付けている。養生を志す人は参考にしてほしい。ここに書いたのは、その書物の要点をとったものである。

八十四翁貝原篤信書

正徳三癸巳年(一七一三)正月吉日」


『養生訓』のもととなる書はあったんですね。『頤生輯要』は、『養生訓』完成の32年前に編さんされています。「医学生の読むべき書」 を見ただけでもわかるように、益軒先生、かなりの数の医書を読まれています。それを一人で分類してまとめるのは、やはり難しいですね。お弟子さんに手伝ってもらってたんですね。


益軒先生のすごいところは、儒家であって、書物もたくさん読まれていて、一見文系の人のようですが、こと養生となると、その実践に際しても、理系の分析が加わっていて、とても科学的にとらえていらっしゃるところ。また、からだのことだけでなく、こころのありかたにも言及されているところ。


これからしばらくお時間をいただいて、目次をつくりながら、もう一度読み返していこうと思っています。1年半にわたってお届けしてきた『養生訓』も、これにて終了です。長い間おつきあいいただき、ありがとうございました。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


春月の『ちょこっと健康術』-ムベ