『養生訓』 毎日すえる灸の効用(巻八44) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「今の世に、天枢、脾兪などに、一度に多くの灸をすれば、気が上がって、痛みが耐えがたいといって、一日に一~二壮、毎日灸をして百壮に至る人がいる。

 また、三里に、毎日一壮ずつ、百日間続けて灸をする人もいる。これまた、時気を防いで、風を退け、のぼせを下し、鼻血を止め、眼をはっきりとさせ、胃気をひらき、食を進ませるので、もっとも有益であるという。

 しかし、医書に、こうした方法を述べているのを、いまだに見たことがない。それでも、この方法を試みて、効果が得た人も多いという。」


天枢は、おなかの調子をととのえるツボ であり、便秘に効くツボ でもあります。脾兪は、脾胃をととのえるツボ であり、胃を丈夫にする六つ灸 のツボのひとつです。


また、三里とは、足三里のことで、養生保健のツボ であり、気を補うツボでもあり、 転倒予防のツボ としても使えて、もちろん脾胃をととのえるツボ のひとつでもあります。


1日に1~2壮、毎日すえる。益軒先生は、医書にそういうやり方は載っていないとおっしゃっていて、確かに古典にはないかもしれませんが、江戸時代にはずいぶんと流行っていたようです。お伊勢参りに出かけるまでの100日間、足三里に灸をすえたと言われてますから。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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