「老いて衰えた人は、脾胃が弱いものだ。夏季は、もっとも気をつけて、保養すべきである。暑いからといって、生ものや冷たいものを食べると、下痢しやすい。瘧痢(ぎゃくり)も恐ろしい。ひとたび病気になれば、身体をひどく損なって、元気が減ってしまう。残暑のときは、とくにおそれ慎まなければならない。また、寒季には、老人は陽気が少ないために、寒邪にやぶられやすい。用心して、予防しなければならない。」
日本の夏は蒸し暑いですが、だからといって生ものや冷たいものばかりを食べて、おなかを冷やしてはいけません。これは若い人にも当てはまることです。ただでさえ年老いて脾胃が弱っているならなおさらですね。
生冷の食べ過ぎは、秋口に瘧痢(ぎゃくり)を引き起こすと、「冷たいものを食べすぎない」 の中にありました。同様のことを「夏の養生」 でもおっしゃっていて、瘧痢についての解説もそちらにあります。
『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』