「老人は体気が弱いものだ。これを養うことが大事である。子たるものは、この点によく配慮して、おろそかにしてはいけない。 第一に、親の心にそむかず、心を楽しませてやるべきである。これは、志を養うことである。
また、口腹の栄養をおろそかにしてはならない。酒食は、よく吟味された味のよいものをすすめるべきである。食物で、よく調べていないものや粗雑なもの、味の悪いもの、性の悪いものなどをすすめてはならない。老人は胃腸が弱いので、粗雑なものに傷つけられやすいものだ。」
年をとると、からだの機能は徐々に衰えて、気もパワーダウンしていきます。年をとること自体が、気が減っていくことなんですから、そこへ気の減るようなことをしてはいけないってことです。
口腹の栄養、すなわち毎日の食事には、若い人以上に気を配る必要があります。粗雑で味が悪く、質の悪いものは、若い健康な人にだってよくないんですから、老人ならなおさらです。食事の世話をする側でなくても、自分でも気をつけたいことですね。
『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』
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