「夏期でないときは、五日に一度沐い(かみあらい)、十日に一度浴す。これは古いしきたりである。暑い夏でもないのに、しばしば入浴してはいけない。爽快ではあっても、気が減るからである。」
5日に1度の洗髪というのは、 中国の漢代の制度で、官吏は5日に1回の沐日を与えられたそうで、「沐と浴は区別され、沐は米を洗った水で髪を洗うこと、浴は暖かいお湯で体を洗うことを意味する。」のだそうです。
また、10日に1度の入浴というのは、「入浴の回数」 にもありましたが、これは、唐代になって、10日に1日の休暇をもらうことが制度化し、これを「三浣」または「休沐」と称し、そのときに官吏たちはお風呂に入っていたとのこと。(参考:浙江工商大学日本文化研究所「入浴の頻度」 )
「熱い風呂はよくない」 に書かれていたように、熱い湯に入ることも、気がのぼせて減ってしまうため、戒められております。では、どんなふうに入浴したらよいのか。益軒先生は、もちろん、そのあたりのことも書かれています。これから出てきますので、お楽しみに。
『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』