『養生訓』 入浴の回数(巻五39) | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

湯浴(ゆあみ)は、しばしばすべからず。温気過て肌開(えひら)け、汗出で気へる。古人、「十日に一たび浴す」。むべなるかな。ふかき盤(たらい)に温湯少し入て、しばし浴すべし。湯あさければ温過(あたたかすぎ)ずして気をへらさず。盤ふかければ、風寒にあたらず。深き温湯に久しく浴して、身をあたため過すべからず。身熱し、気上り、汗出(いで)、気へる。甚害あり。また、甚温なる湯を、肩背に多くそそぐべからず。


入浴は何度もしてはいけない。温かな気が高くなって、肌の毛穴が開き、汗が出て気が減るからである。古人は、「十日に一たび浴す」という。もっともである。深いたらいに温かい湯を少し入れて、少しの間入浴するのがよい。湯量が浅いと温か過ぎることがないので、気を減らすことはない。たらいが深ければ、風寒にあたることもない。深い温湯に長時間入浴して、身体を温め過ぎてはいけない。身体がほてり、のぼせて、汗が出て、気が減ってしまう。ひどく害がある。また、熱い湯を、肩から背に多くかけてはいけない。


益軒先生は、入浴に関しても注意喚起されております。深めのたらいにお湯を浅くはるのがよい、とおっしゃっていますね。江戸の人は風呂好きで、それゆえに銭湯も流行ったと言われていますが、実際には何日ごとに通ったんでしょう。現代ではほぼ毎日が普通になって、10日に1回なんてちょっと考えにくいですね。


身体を冷やすのはもちろんよくありませんが、汗をかくほど温めすぎてもいけない。ほどよく温まるにはどのくらいがいいのか、もちろん体調にもよるでしょうが、自分なりのほどよさをみつけておくといいですね。


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