『養生訓』 投薬は慎重に(巻七6) | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

薬をのまずして、おのづからいゆる病多し。これをしらで、みだりに薬を用て薬にあてられて病をまし、食をさまたげ、久しくいゑずして、死にいたるもまた多し。薬を用ることつつしむべし。


薬を飲まなくても、自然に治る病気は多いものだ。これを知らないで、むやみに薬を用いて、その薬に当てられて病気を悪化させ、食欲をなくして、長いこと回復せずに、死に至ってしまうこともまた多い。薬を使用することには、慎重でなければならない。


「発熱は戦いの印」 でも書いたように、解熱剤を使わないほうがカゼは早く治ります。薬は、飲めば治る、というものでもないのです。薬は、身体が治ろうとするのを助けるものであって、それ自体が病気を治すものではないのですから。使い方次第では、益軒先生もおっしゃるように、毒にもなるものなのです。だからこそ、「脾胃を補うのは薬より食事で」


そして、お医者さんも、治す人ではなくて、治るのを助けてくださる人ですね。治す人は、あなた自身です。本来身体は、何かあれば、必ず自ら治ろうとします。その力を引き出すことが大事。やたらと薬を使って、その力をそいでしまってはいけません。

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