長時間のパソコンはうつと不眠のもと? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


少し古いものなんですが、興味深い記事をファイルの中からみつけました。千葉大学医学部環境労働衛生学の研究グループの調査(Am.J.Ind.Med.,42,421-426,2002)を紹介したもので、長時間のパソコン作業が身体にどんな影響を与えるかを調べたもの。


調査対象は、20~59歳の会社員、男女25,000人以上

調査の実施は、1995年からの3年間に3回

調査項目は、眼精疲労、頭痛、腰痛などの肉体的不調

        不安、うつ、無気力などの心の問題

        寝つけない、不眠などの睡眠に関する問題

        1日のパソコン作業時間


パソコン作業時間が1日に5時間以下のグループと5時間より長いグループとを比較検討した結果、肉体的不調はもちろんのこと、心の問題も、睡眠障害も、5時間より長いグループのほうが多かったとのこと。


そういえば、益軒先生も「終日安坐すれば、病生じやすし。」と『養生訓』の「導引」 の中で書かれてました。パソコンって、まさしく安坐しての作業ですものね。そして、「久しく立ち、久しく行くより、久しく臥し、久しく坐するは、尤も人に害あり。」とも。


さて、益軒先生がいうところの「久しく○○すれば…」というのは、『黄帝内経』の『素問』に登場するのですが、これには「久しく視れば」というのもあります。パソコンの場合、久視と久坐のダブルパンチですね。


久視(長く見つめる)右矢印血を傷つける右矢印心は血をつかさどる右矢印心を傷つける

久臥(長く臥せる)右矢印気を傷つける右矢印肺は気をつかさどる右矢印肺を傷つける

久坐(長くすわる)右矢印肉を傷つける右矢印脾は肌肉をつかさどる右矢印脾を傷つける

久立(長く立つ)右矢印骨を傷つける右矢印腎は骨髄をつかさどる右矢印腎を傷つける

久行(長く歩く)右矢印筋を傷つける右矢印肝は筋をつかさどる右矢印肝を傷つける


『素問』には、青字で書いた部分が一つの文章として書かれていて、別のところに赤字の掲載があり、関連させると、久視は心、久臥は肺、久坐は脾、久立は腎、久行は肝をそれぞれ傷つけるという解釈が成り立ちます。


こうして見ていくと、長時間のパソコン作業によって生じる身体や心の不調、睡眠障害も、東洋医学でも説明がつきます。久視は血と心に影響するので、不眠や頭痛、気持ちが落ち着かないなどの症状が起こります。また、見るのは目ですから、実は肝にも影響して、イライラしたり、肩こりになったり、月経不順を起こしたりします。久坐は肉と脾に影響するので、肌荒れやむくみ、食欲不振、疲れやすい、無気力などを生じます。


お仕事で使われる方も、ご趣味で使われる方も、1時間に1度はパソコン画面から目をそらして、できれば立ち上がって伸びなどいたしましょう。トイレに行くついでに、お茶を入れたりしないで、トイレはトイレ、お茶はお茶にすると、パソコンから離れる機会を多く取れますから、工夫してみてくださいね。


染井吉野が開花から長く足踏みしていたおかげで、山桜や枝垂れ桜、海棠桜まで、いっぺんに満開となりました。どれがどの桜かわかりますね?ひとつだけ、桜じゃないのが入ってますよ。


春月の『ちょこっと健康術』-染井吉野 春月の『ちょこっと健康術』-山桜


春月の『ちょこっと健康術』-枝垂れ桜 春月の『ちょこっと健康術』-枝垂れ桃

今日もいい1日になりますように。