ヒツジについて思う。 | harunohitsuji

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酒井紫羊の陶芸ブログです。

今日は中秋の名月です。

iphoneではうまく取れなかったけど気持ちだけ。

今日もアピタの屋上に上って、夕焼けを見ていました。

少し涼しくなった風に当たりながら
自分の名前のことを考えていました。

というのも、昨日陶磁資料館へ行った時、みなさん
「ヒツジさん」と呼んでくださいます。
それはすごくすごくうれしいのです。


私の雅号「紫羊」は、おばあちゃんが付けてくれました。
何度かこのブログに登場するおばあちゃん。
日展に所属していた書道家でした。
私は小さいときに、このおばあちゃんの養女になった。
今でもそう。私は戸籍上、祖父母の子供だ。

おばあちゃんは厳しい人で、曲がったことが大嫌い。
自分の作家としてのプライドも、並々ならぬものだった。
怖かったし、今でも尊敬している。
でも、祖母のことを母親だと思ったことは一度もない。
おばあちゃんは、おばあちゃんだもの。

こんな境遇だったから、自分の思い通りにならないことだらけだった。
書道をやらなきゃいけなかったり、K高校に行かなきゃいけなかったり
苗字を呪うこともしばしば。。。
おばあちゃんが亡くなって、やりたいことを見いだせず
某国立大も不登校になり、卒業して就職して失敗して辞め、
フリーターになってまた挫折して、友人が死んで…いろいろあった頃。
人生に悩んでいた時、何の気なしに、オカンに訊いた。

「そういえばさあ、私が書道家になったときの名前って、
 もしかして考えてあったの?」
「あるよ。紫羊っていうんだよ。」
「え?なにそれ!」
「未年で牡羊座だから。画数も良いし。おばあちゃんが考えとったんだよ。
 あんたは書道やらへんから、使わへんかったけど!」

多少オカンは怒りながら、会話を終えた。
私は一人になりたくて、外に出てその名前を反芻した。
もうすぐ春。桜が咲きそうだった。
なんで、名前に動物入ってるんだろう?
私が動物好きになること、おばあちゃんは知ってたんかな?
確かにヒツジ×ヒツジだよなあ。
……………………。

いいかも、この名前。

その時は、自分が陶芸家になることなんて微塵も考えていなかった
人生を舐めきったニートだったけど、
名前を手に入れた時、特にヒツジの部分を気に入ってしまった。
愛知芸大に入って卒業したとき、東海伝統工芸展に作品を出すにあたり、
作家としてやっていこうと腹を決めて、雅号を名乗ることにした。
「おかあさん、私あの名前使うから。」
一言伝えたけど、オカンは何も言わなかった。
(その後も陶芸をやることは、何度も反対されるのだけれど)

おばあちゃんは、ずっとおばあちゃんだけど
雅号としては名付け親なんやな。今日、ふと思ったのです。
おばあちゃんに、名前を使っていることを報告できなくて
ちょっと残念だけど。この名前、気に入っています。
おばあちゃん、おばあちゃんありがとう。


これからも、ヒツジをよろしくお願いします。


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