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果たして私は生きているのだろうか?

 

感情が不安定な人形のように、毎日寝たきりで過ごす日々。

 

産まれたばかりだと思っていた赤ちゃんは、とっくのとうに首が座っていた。

 

毎日のワンオペ育児は孤独に過ぎない。

 

私がパニック障害になった頃は、今から13年前。

 

ワンオペ育児という言葉すら、世に浸透していなかった。

 

それでも一人、孤独を抱えながら、深い闇の中で手探り状態に正解を見つける。

 

「私の病気は何なんだろう?」と答えを見つけたくもあり「知るのが怖い」と、気持ちに矛盾が生じた。

 

そんなある日、姑から荷物が届いた。

 

なんと、私の代わりに心療内科へ行ってきたというのだ。

 

恐らく、小さな子どもがいて病的にひきこもり育児をしている私を、何とか救おうと思ってくれたのだろう。

 

荷物の中には「デパス」と書かれた袋と、デパスという名の薬が入っていた。

医師は「患者本人から話を聞かないと診断名は出せないが、外に出られないのであれば不安を解消する薬を出しておきましょう」とのことで、姑にデパスを処方したらしい。

 

この薬を飲めば、私は不安から解消され外出ができるのか?と希望が湧いてきた。

 

それと同時に「この薬を飲んでも外に出られなかったらどうしよう?」と不安がよぎった。

 

デパスを手にした私は、心療内科へ初診予約の連絡をいれたのだ。

 

早く楽になりたい、その一心で。

 

きっとデパスは私の味方になってくれるし、私を裏切らないと信じた。

 

この日から10年以上も、デパスを飲むことになるとは知らずに。

 

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