何をするにも不安が付きまとい、大きな恐怖感に苛まれる。
 
生まれたばかりの子どもは、そんな私の事情はお構いなしに泣き始めるのだった。
 
終わりの見えない育児。
 
まだ始まったばかりの育児で、既に母親らしいことができていない。
 
いっそのこと、この世から消えてしまいたいと何度も思った。
 
寝返りを打つことも、携帯を見ることも、目を瞑ることも、起き上がることも、子どもの泣き声を聞くことも、全てが恐ろしい。
 
また、子どもの泣き声は私を責め立てているようにも聞こえた。
 
「お腹が空いた」
「おむつが気持ち悪い」

「お前は駄目な母親だ」

「こんな簡単なこともできないのか」
 
お腹を痛めて産んだ子どもが、可愛くないことはない。
寧ろ可愛くて仕方がないのに、心と体に余裕がなく可愛いと思えなかった。
私は自分が異常だと感じるのに、時間は掛からなかった。
 
お姑さんは私が不調を起こしてからも、幾度となく手伝いに来てくれていた。
しかし、もう限界だった。
人が怖い。
誰とも関わりたくはない、一人になりたい。
旦那にそう伝え、お姑さんが来ることを辞めてもらった。
お手伝いをしてもらっていたことは、肉体的には助かっていた。
だが、心が休まらなかった。
いつも張り詰めた糸が切れそうな状態だった。
しかし、糸を緩めることは決して許されない。
私は完璧な母親でいなければならないと、子どもを産んですぐに誓った。
 
それは、私がネグレクト環境で育ったからだ。
 
この子には同じ思いをさせたくない。
強い責任感が、私を苦しめ支配した。
 
暗く狭い部屋の中で授乳をしていると、外から子ども達の笑い声が聞こえてくる。
「そっか、今は夕方なんだ、、、カーテンを開けてないから分からなかった、、、」
いつからか私は、陽の光さえも拒むようになっていたのだ。
 
心の中では、家事育児を完璧にこなす理想の自分を思い描く。
しかし現実は、布団の中でもがき苦しむ自分自身。
授乳もおむつ替えも、大きなエネルギーを消費した。
 
大きな不調が現れるまでの私は、家事も育児も完璧に時間を決めてこなしていた。
まるでロボットのように。
 
 

私の不安を軽減してくれた書籍一覧