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虹の架け橋のブログ

演劇、ヒーリング、アメリカやタイでの生活など、日々感じたことを綴りたいと思います。

こんばんは。

9月、芸術の秋の季節となりました。

 

今月は、愛媛県の松山にて、鈴木ユキオさんの作品に出演することとなりました。

鈴木ユキオさんは、今日のコンテンポラリーダンスの世界において、最も精力的に活動されており、各方面から引っ張りだこの、大人気の振付家・ダンサーのお一人です。

今回、新しく出会う仲間たちとゼロからの創作・発表というプロジェクトで、一体どんなことになるのか、本当に楽しみです!

 

オーディションでは、全国津々浦々から参加されたダンサーの方々と、とても楽しく、深い時間を共有しました。

 

公演は両日とも「満員御礼」が予想されるため、チケットはお早目のご予約をおすすめします。

では、松山でお待ちしています!

 

 

 

 

松山「カラダでTRY ANGLE」

松山プラットフォームでは、<体験する><創る><観る>の3つの場が、豊かな土壌に育つことを願って今年で3回目の開催となります。

それぞれのスタートをきった3つの作品!

 

★日本を代表する振付家鈴木ユキオとオーディションで選ばれたダンサーズとの出会いがどうなる?

★泰山咲美の初トライ、皆んなで見守るand激論クリティカルレスポンス

★松山初登場!佐々木実紀が繰り広げる世界観

皆さま、ぜひ観にきてください。

公演後には、「ダンスを語る場」として、戸舘正史さんをナビゲーターにダンスを言語化していきます。こちらもぜひ、ご予約をお待ちしてます!

 

<鈴木ユキオ作品>

出演者:植野晴菜・沖野敦美・香川悦子・久保田愛・高梨玲・土屋春菜・森田羽麗・矢野華子・藪下尚亮

 

<公募作品A>

泰山咲美・菊池健実・阿部美里・瀬田圭造

 

<公募作品B>

「エポケー」

振付:佐々木実紀

出演:白倉絵蓮、佐々木実紀

公演詳細

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【成果発表公演】日程 2023年9月23日(土)・24日(日)

 

■9/23(土) 17:00 ~(open 16:45)(90分程度予定)

 9/24(日) 14:00 ~(open 13:45)(90分程度予定) ■場所 White-dagdag(ダンススタジオMOGA) 

■チケット 2,000円

 

観覧希望の方は、以下のURLよりオンラインでお申込みください。 https://www.quartet-online.net/ticket/matsuyama

 

※お支払い方法は、基本的に「振込」になりますが、現金でお支払いされたい場合は、オンライン上で一旦「振込」を選択していただき、備考欄に「現金払い希望」と記入してください。

 

【ダンスを語る場】日程 2023年9月23日(土)・24日(日)

 

ナビゲーターに戸舘正史さんを迎え、鈴木ユキオさん・ダンサー・公募アーティスト・観客が相互に今回のダンスについて語り合う時間をつくります。

 ■9/23(土) 19:00 ~(open 18:45)   9/24(日) 16:00 ~(open 15:45) ■場所 White-dagdag(ダンススタジオMOGA) 

■チケット 1,000円

 

お申込みご希望の方は以下のURLよりオンラインでお申込みください。 https://www.quartet-online.net/ticket/dancewokataruba

 

※お支払い方法は、基本的に「振込」になりますが、現金でお支払いされたい場合は、オンライン上で一旦「振込」を選択していただき、備考欄に「現金払い希望」と記入してください。

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助成: 文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(次代の文化を創造する新進芸術家育成事業) ) 独立行政法人日本芸術文化振興会 

主催:NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク、日本芸術文化振興会 共催・企画・制作:(有)オフィスモガ  お問い合わせ:(有)オフィスモガ 松山市湊町3丁目6-1 TEL 089-934-3434(担当:高橋・丸山・渡辺)

こんにちは!

あっという間に、8月も最終日。

学生の皆さん、大丈夫です!まだ一日あります!(笑)

いかがお過ごしでしょうか?

 

 

今日は、まず、世界最高峰のギタリストと言われているカニサレスさんのテレビ出演の情報をお知らせします。

 

日本時間の本日午後9時より、NHK Eテレにて放送予定とのことです。

 

クラシックTV
日本時間 8月31日(木)放送
「後藤輝基meetsギターのカリスマ・カニサレス」

本放送 Eテレ8月31日(木)午後9:00 ~ 午後9:29
再放送 Eテレ9月4日(月)午後2:00 ~午後2:29

 

 

番組のウェブサイトはこちらです。

 

 

カニサレスさんは、フラメンコ・ギタリストとして、世界各地で演奏されており、ベルリン・フィルとの共演の際にも大きな話題となりました。

作曲家でもあり、フラメンコ・ギターという枠に納まらない、幅広い活動をされています。

 

以前から、カニサレスさんの演奏を拝聴していましたが、数年前に一時帰国の際、初めてコンサートに伺うことができ、生の演奏を拝見することができました。

その時には、歌手とダンサーを含めた5人の編成でのパフォーマンスでしたが、無言のうちに交わされる、お互いの「音楽的な会話」にいたく感激しました。

誰かが、何か新しいものを投げると、「お、そう来たか!」といった感じでニヤリとして、それに応える。

そのやり取りの憎さに、私は始終興奮しっぱなしで、客席でニヤニヤしていました。

そして、まるで自分も一緒に演奏している仲間の一人であるかのような気になっていました。

そう思わせるパフォーマーの皆さんが、本当に素晴らしかったのです。

 

今年も、偶然タイミングが合い、カニサレスさんのコンサートに伺うことができました。

今回は、ギター2人の編成でした。

カニサレスさんと一緒に演奏したのは、フアン・カルロス・ゴメスさん。

 

元々は、カニサレスさんの生徒だったけれども、とても素晴らしいギタリストなので一緒に演奏してもらうようになったというお話を、いつかのインタビューで聞いた記憶があります。

フアンさんはソロでも活動されており、スペイン各地の音楽院で教授活動も行っていらっしゃいます。

 

このお二人の阿吽の呼吸には、改めて惚れ惚れしました!

正に Musical conversation!!! 音楽の会話なのです!!!

だから、言葉がなくても、そのお二人の「会話」に時々クスっとしてしまったり・・・。

 

私は、2020年の秋のグラナダ・フェスティバルでの配信コンサートをリアルタイムで拝見して以来、ほぼ毎日のようにその動画を聴いていました。

今回のコンサートでは、その時に演奏された曲も何曲か演奏して下さいました。

プログラムを読まずに拝見したため、次にどんな曲を演奏するのかは「お楽しみに!」という状態でした。

グラナダの映像を聴きすぎていたためか、とある曲が始まる前にチューニングをして、軽くコードを試し弾きした瞬間に、「もしや?!このコードは、もしや?!?!」と期待が高まりました!

 

そして、演奏が始まった瞬間に、心の中で、「来たーーーーーーーー!!!」と、サッカー決勝戦の実況中継よろしく、叫んでいました!(笑)

 

何と、私が一番好きな曲を演奏して下さったのです!

しかも、偶然にも席の関係で、かなりの至近距離での演奏でした。

でも、曲が始まって、更に驚きました。

 

いつも聴いているのとは違い、ものすごくテンポが速い!

そして、静かでメランコリックな曲だと思っていたのに、その日の演奏はまるで怒涛のように流れていったのです。

 

一体どこまで激しくなるのだろう?!

でも、その時に、ふと、何故か、とある物語の主人公のことが思い浮かび、「あぁ、あの人が弾いたとしたら、こうなるよなぁ・・・。」と、何だか腑に落ちました。

 

葛藤、もどかしさ、やりきれなさ、切なさ、全ての感情がかき乱されて、まるで崖から飛び降りるかのように、荒くうねっていきます。

一見、雑になるかのように思えて、しかし、そうではなく、原曲のメロディーと荒れた感情のギリギリの狭間の所を駆け抜けてゆく・・・。

ご自分の中でのその駆け引きに、聴いている方としては、胸が締め付けられるようでもあり、どうなってしまうんだろうという怖いもの見たさのような気持ちもあり・・・。

 

当然ながら、その流れの中では、私が毎日のように聴いている、フアンさんのあの大好きなフレーズが来るはずもなく、彼もまたその瞬間瞬間に生まれくる音に応えていました。

 

私の「知っている曲」との違いにあまりにも驚きすぎて、口をあんぐりと開けたまま、その曲は終わってしまいました。

 

その数分のうちに、私の中でも「心の旅」があり、最初は「いつもと違い過ぎる!いつものが聴きたい!」というところから、「待って、そもそもフラメンコ・ギターって即興の要素が強いんじゃないか?」、「カニサレスさんは、今、正にこの瞬間に沸き起こっている感情を弾いているんだ。それこそが、本物の演奏じゃないか!」となり、前述の物語の主人公が登場し、「どこまで行くか分からないけど、とにかく、この瞬間のカニサレスさんを存分に見せてほしい!」となって、「そうだよね、フアンさん、あのフレーズは聞けないよね。でも、そんなことはもうどうでもいい!!」となった末、全ての事の成り行きを見守った、という感じでした。

 

その演奏の衝撃たるや、もう言葉では言い尽くせません。

 

その日は、観客の方々も素晴らしく、最初から割れんばかりの温かい拍手!

最初から最後まで、会場全体が熱気に包まれていました。

あの一体感も、やはり生の舞台ならではの感覚です。

皆が、「待っていたよー!」「遠くから来てくれてありがとう!」と言っているかのようでした。

 

本当に至福の音楽体験でした。

 

 

終演後、共通の知り合いを通じて、カニサレスさんとフアンさんにご挨拶に伺いました。

色々と面白いエピソードもあり、カニサレスさんとフアンさん、そして、マネージャーの真理子さんの温かなお人柄に、感動もひとしおでした。

 

カニサレスさんと

 

フアンさんと

 

 

カニサレスさんから一生の宝物のようなお言葉を頂き、ますます夢見心地で帰途に就きました。

 

 

あまりにも素晴らしすぎて、後日、別の会場でのコンサートにも行ってしまいました。

その時には、あの大好きな曲は、緩やかなテンポになり、まるで別れを惜しむかのような穏やかなやさしさとともにありました。

 

「もしかしたら、カニサレスさんやフアンさんの感情のみならず、その日の観客の意識を、まるで鏡のように演奏に映し出すのかもしれないなぁ・・・。」とふと思いました。

 

嘘のない、取り繕うことのない、魂からの表現。

それこそが、世の中を本当に豊かにしてくれることにしみじみと思いを馳せました。

 

 

是非、今夜お二人の演奏をご覧になってみて下さい。

こんにちは!

お元気でお過ごしでしょうか?

 

今日は、私の近頃のお気に入りの曲をご紹介したいと思います。

 

5月17日にリリースされた、The Alfee の72枚目のシングル「鋼の騎士Q/Never Say Die」です。

 

 

 

 

 

 

春に放送されていた、日本の土曜ドラマ『グランマの憂鬱』の主題歌となった曲です。

 

ひょんなきっかけから、数年前に The Alfee の虜になり、ファンの間で言われているように、どっぷりと「沼落ち」して、新参者ではありますが、すっかり「アル中(「アルフィー中毒」の略とのこと(笑))」になってしまいました。

 

The Alfee のすごさは語り始めたら夜中までかかりますが、今年で結成50年、来年はデビュー50年という超人、いや、超神バンド!

 

音楽はもちろんのこと、お三方のおしゃべりやコントは最高に面白い!!!

果ては、「アルフィー・キッチン」なる料理のビデオも毎年のように作られており、こんなに面白い料理番組は唯一無二だと思われます。

 

なぜ料理番組が、大爆笑のお笑い番組みたいになってしまうのか?!?!(笑)笑い泣き笑い泣き笑い泣き

これぞ、アルフィーさんのなせる技!

最近では、「アルフィー・キッチン」を見て、アルフィーさんのことを知り、「アルフィーは音楽やるのですね!」と言う方もいらっしゃるとか???(笑)

もちろん、楽曲の中には、ラヴ・ソングもたくさんありますが、31年間「大阪国際女子マラソン」のイメージソングを担当されてきたこともあってか、聴いていると勇気づけられるような応援ソングもたくさんあります。

ちなみに、この「大阪国際女子マラソン」の功績は、何とギネス世界記録にも認定されています!

 

「同一国際スポーツ大会のテレビ放送における同一アーティストによる最多テーマソング数 (Most theme songs sung by the same artist for the same international sports event broadcast in TV)」という記録名です。

 

 

最新の「両A面シングル」は、「鋼の騎士Q」も「Never Say Die」も、そんな応援ソングのように思われます。

 

♪負けてもいい、やり直せばいい

♪何度でも一から始めればいい  挫折を次への糧にして

♪生きていれば何とかなるのさ

♪明日へ続く道は一つじゃない

 

何とも、力強いメッセージではありませんか!

しかも、ただがむしゃらに、何が何でも突き進めと言うことではなく、現状を受け入れながら、時に立ち止まりながら自分のペースで進めという余裕があるところが素晴らしい。

 

50年も、一度も休むことなく走り続けてきた彼らですが、どうやら当初その道は「順風満帆」ではなかったようです。

9年以上、たくさんの試練があり、レコード発売中止という苦難も乗り越え、ようやく『メリーアン』という楽曲で日の目を見たそうです。

今では「ネタ」として、当時の様々なエピソードを笑いながら語られていますが、実際渦中にいらした時は、心身ともに本当に大変なご苦労をなさっていたことと思います。

 

そんなお話を知ると、御年69歳、68歳の皆さんのこのお言葉は、余計に説得力が増してきます。

それらのエピソードを知らなくとも、50年間休むことなくステージに立ち続けている彼らの姿、その存在そのものが生きていく勇気を与えてくれます。

 

日本では「初志貫徹」とか「石にしがみついてでも・・・」とかいうことが美徳とされる傾向が強いと思います。

私は、必ずしも、それが正しいとは思いません。

人は、出会いや経験とともに、人間関係も、価値観も大きく変わっていくものだと思うからです。

今の自分には不要なもの、自分が変わっていくことで自然と手放していくものも出てくることでしょう。

惰性や習慣、果ては世間体だけで、自分にとって心地良くないもの、重荷になっているものを手放さないのは、とても寂しい事だと思うのです。

 

それと同時に、本当に自分が好きなものを持ち続ける、追い続けることのすごさ、というものもあります。

The Alfee のすごい所は、結成から50年経っても、「3人で歌うことが好き」という純粋な気持ちをずっと持っていらっしゃることです。

一つ一つの積み重ねが、自然と50年につながった、と仰るのです。

 

先日、この楽曲の作詞・作曲を手掛けている高見沢俊彦さんが「やっぱり、俺はギターが好きなんだよな!好きで好きでしょうがないんだ。」と、しみじみと語っていらっしゃるのを拝見しました。

「じゃなきゃ、あんなにギターを持たないよ。(苦笑)」と。

何でも、数々の変形ギターを含む所蔵ギター数は570本を超えるとか?!?!

 

もちろん、好きとは言え、それが「仕事」となれば、色々と大変なことも起きるでしょうし、ただ「好きだ」と言うだけでは続かない現実だってあることでしょう。

 

きっと、客席から目にする一本のライヴの裏には、観客は決して見ることのないリハーサル、打ち合わせ、インタビューやメディアへの出演を含むプロモーション活動、事務作業、ツアーグッズやポスター制作、写真撮影、など、多くの仕事があるのだろうと思います。
私たちが目にする舞台上のお姿というのは、氷山の一角でしょう。

 

だからこそ、それを50年も続けているということは、第三者の私から見ると、何事をも凌駕するようなすごいことなのです。

 

聴けば聴くほど、心地良いリズムと共に心に響いてくる「鋼の騎士Q」。

受験生への陣中見舞いに贈るCDとしても最適だと思います!(笑)

 

是非この曲を聴いて、元気に進んでいきましょう!

どうぞ良き一日を!

こんばんは。

お元気でお過ごしでしょうか。

 

セビージャの街角で、私にとっての今年が始まった夜に・・・。

 

 

 

思っていたよりも短く完結したと思ったら、終えた瞬間に通りの後ろと前から、まるでエキストラが示し合わせたかのように、一人ずつやって来て、足早に去っていきました。

 

本当に即興って面白い!!!

 

そして、私と同様に、人影のない静かそうな場所を探し当てた初々しいカップル。

やさしい口づけの余韻が残る通りの先で、ひっそりと踊り始めました。

 

セビージャの街角で、様々な人生が交錯しています。

こんばんは!

お元気でお過ごしでしょうか。

 

あっという間に4月も過ぎていきます。

 

プロジェクトのため、セビージャで過ごす4月は、まるで両極端を行ったり来たりするような月でした。

 

4月の上旬は、セマーナ・サンタ(聖週間)という、キリスト教の儀式が9日間続きました。

キリストの受難から復活までを表現したお神輿や、人々の行列が、連日街を練り歩きました。

その週の木曜日などは、昼間から夜にかけての行列が終了した直後、真夜中から翌金曜日のお昼過ぎまで、再び行列が延々と街を練り歩いていました。

 

こちらは、中でも一番古いお神輿の一つだそうです。

 

 

 

本物のキャンドルに火が灯されています。

 

ナサレノスと呼ばれる、人々の行列。

中には、裸足で歩き続けている方もいらっしゃいました。

 

 

 

 

マリア様の後ろ姿。

 

場所によっては、満員電車に近いくらい、見学の人々が集まっていました。

 

細い道も、両側に一列ずつ見学の人々が立ち、その間をギリギリでお神輿が進んでいきました。

こんな細い道を通るのか、と本当に驚きました!

 

セビージャは、スペインの中でも最も規模の大きな聖週間の儀式が行われるそうで、国内はもとより、海外からもこのために多くの方々が訪れるそうです。

 

私は、初めて目にする異文化の行事を、驚きをもって受け止めていました。

そして、海外の友人、知人たちが日本に来て、日本の伝統行事や食べ物などに触れた時、こういう風に感じているのか・・・と、改めて思いました。

 

 

実は、セマーナ・サンタの本番が始まる2週間ほど前、帰り道にたまたま、お神輿の行列に遭遇しました。

楽隊が悲しげな音楽を奏で、人々がその後をゆっくりと、そして厳粛に歩いていたので、最初は葬列かと思ったのです。

しかし、よく見てみると、棺のようなものの上には、キリストらしき人をかたどったものがあり、何となく葬列とは違うかもしれない・・・と思い始めました。

 

お香がもくもくと焚かれ、あたりには不思議な香りが漂っていました。

 

しばらく、その様子を見ていたのですが、一体これは何なのか、どうしても気になって、英語が話せそうな方がいないか、あたりを見回しました。

 

スペイン語で、「すみません、英語を話しますか?」と聞こうとしたのに、うっかり、「すみません、スペイン語を話しますか?」とスペイン語で聞いてしまい、相手の女性は、「はい。」と答えたものの、内心は苦笑していたことと思います(笑)。

 

すぐに、「いえ、英語・・・。」と言い直すと、「イエス。少しですけど。」と仰いました。

それは、大変な謙遜だとすぐに分かりました。

そして、これが、セマーナ・サンタの2週間前に行われること、セマーナ・サンタの中でも、彼女が特に心を動かされる行列のこと、子どもの頃からいつも見てきたこと、何がすごいのか、といったことを色々と教えてくれました。

 

彼女は、熱心な信者たちのように教会に通っているわけではないけれど、この行列を見ると、強く感じるものがある、と仰っていました。

 

セマーナ・サンタの間に、行列の通る目的地までタクシーで向かった時にも、運転手さんが同じようなことを仰っていました。

「キリスト教だろうと、そうでなかろうと、行列を見ると肌で感じるものがあるんだ。」と。
 
本当に、全くもってその通りだと感じました。
私は、初めて体験するこの行事を、ある種の儀式的なパフォーマンスを観るような視点で捉えていました。
そして、深く心を揺り動かされ、前述の運転手さんが仰ったように、鳥肌が立った瞬間が何度もありました。
 
実を言うと、初めて行列に遭遇した時には、あまりの厳粛な空気に、最初は写真を撮ることができませんでした。
写真やビデオを撮っている人々もいましたが、何となく、撮ってはいけない、という気持ちになったのです。
例えるなら、日本で、仏像の写真を撮ってはいけない、という感覚を、より強くしたような感じでした。
 
その後、本番が始まると、厳粛な中にも、見学の人を含めた人々の活気というか、強い動きのあるエネルギーの行列が多くなり、写真を撮っても良いと感じるようになりましたが、あの一番最初に遭遇した行列の衝撃を忘れることはないでしょう。
 
街中が9日間喪に服すわけで、途中でスーパーやお店がお休みになった日もありました。
実際にお神輿を担いだり、行列で歩き続けた方々は、肉体的にも精神的にも、本当に大変だったことと思います。
 
最終日、「復活」(イースター)の日、偶然にも、最後の行列が入っていった教会のドアが閉じられる瞬間を見ることになったのですが、9日間の大仕事が終わり、なんとなくほっとした感じがしました。
 
 
セマーナ・サンタの時期にのみ食べるという、トリハスというお菓子。

フレンチ・トーストがアレンジされたような感じでした。

 

 

 

そして、4月の最終週、今度は、丸々一週間、フェリア(春の祭典)が行われていました。

 

フェリアが始まると、うって変わって、カラフルなフリルのドレスを身にまとい、頭にはお花を飾り、シージョ(フリンジのついたショール)が揺れる女性たちが街中を彩っていました。

男性もスーツ姿で、帽子をかぶっている方もいらっしゃいました。

そして、何と、カラフルに飾り付けられた馬車も、フェリア会場に向かって、街中を走っていきました!

 

普通に街の中を歩いていて、シャンシャンと鈴の音がすると思って振り向いたら、そこには馬車が!!!

驚いて、カメラを取り出すのも忘れてしまいました(笑)。

 

フェリアの入口。毎年違うデザインで、今年は、セビージャの名所のプラザ・デ・エスパーニャとテアトロ・コリセオにインスピレーションを受けたデザインだそうです。

 

 

フェリアには、カセタと呼ばれるテントがずらりと並んでおり、飲めや歌えや踊れやの一週間!

 

敷地内には移動遊園地まであり、こちらも大勢の人で賑わっていました。

 

 

観覧車からの景色。フェリアの入口の横側が見える。
 
 
フェリア周辺には、こんなものまで・・・!
 
パッと見ただけでは、普通の信号機に見えるのですが、
 
 
 
 
 
青信号は・・・
 
 
ドレスで踊る姿!!!
 
 
 
赤信号は・・・
 
 
何とギタリスト!(笑)
 
 
こういう遊び心、憎い演出、最高ですね~!!!
思わず、フフフッと笑ってしまう。素晴らしい!
ここまでやってしまうセビージャの方々に拍手喝采!!!
 
 
とあるカセタの前を通りかかると、10歳くらいの女の子が、紙製の扇子のようなものを手渡してくれました。
ふと見ると、カセタの中にはシャンデリアが飾りつけられており、壁にはドレス姿の人の美しい絵が掛けられています。
 
あまりにもエレガントで美しいカセタだったので、写真を撮らせてくださいとお願いすると、ご家族の方々が、「もちろん!そんな外からじゃなくて、中に入っていいよ!どうぞどうぞ!」と言って、中に入れて下さいました。
 
このカセタというのは、それぞれの家族や団体、会社などが設置していて、友人や関係者のみが入れるものなのです。
観光客を含め、誰でも入れるカセタもいくつかありましたが、ほとんどのカセタはそうではありません。
 
初めてフェリアに来られてとても嬉しいと言うと、「それは良かった!また来年も来るといいよ。」と言って下さいました。
 
通りすがりの見知らぬ人、しかも外国人である私に、元気に声をかけてくれた少女は、正に文化交流大使でした。
心温まる出会いに心から感謝しました。
 
 
 
郷に入っては郷に従え。
何でもやってみるに限ります!(^-^)
 
 
 
こうしてセビージャの4月を振り返ってみると、ちゃんと陰陽のバランスが取れているのだなぁ・・・と。
 
街中が喪に服した後は、今度はうって変わってお祭り騒ぎ。
昔の人の知恵なのかもしれません。
 
日中は既に35度前後の「真夏」のセビージャ。
 
アンダルシアの風に吹かれながら、様々な時空に想いを馳せています―――――。