大手銀行の出世コースから外れ、子会社に
出向させられたまま定年を迎えた田代壮介。
趣味や夢もなくこれまで仕事一筋だった彼は、朝起きてから
夜寝るまで何もすることがなく、途方に暮れる毎日を過ごして
いた。
このまま老け込むのはマズイと感じ、スポーツジムで身体を
鍛えたり、図書館で時間を潰そうとするが、よく見ると周りに
いるのは“終わった”ように見えてしまう老人ばかり。
美容師として忙しく働く妻・千草には、ついグチをこぼし
次第に距離を置かれてしまう。
その後、職業安定所で職探しを始める壮介だったが、
高学歴と立派な職歴が邪魔をして思うように仕事が見つ
からない。
妻や娘からは「恋でもしたら」とからかわれる始末。
そんななか、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介が、
勉強のために訪れたカルチャースクールで出逢った
女性と恋の予感が……。
さらに、スポーツジムで知り合った新興のIT企業社長との
出会いによって、壮介の運命の歯車が回り出す……。