先日、SNSでシェアされていた後藤ゆうこさんのnote記事。

 

 

フリーズとシャットダウンは、どちらも動くことができない状態です。しかし、これらは似ているように見えるかもしれませんが、ストレスやトラウマに対する生理的反応としては全く異なるものです。主な違いは以下の通りです:

と、具体的な違いを載せて下さっています。

 

ぜひ、目を通して欲しいのですが、フリーズは

“過覚醒状態”

“交感神経と副交感神経の活性化が同レベル”

と、あります。

身を守るため、交感神経が活性化し、体は逃走、あるいは闘争する準備が出来ているけれども動けない状態ですね。

 

シャットダウンは

“低覚醒状態”

“副交感神経系が優位”

そして、

“感覚情報は視床で止まります。大脳皮質に到達しない(だから統合されない)。クライアントは自分の内的、外的世界を認識しにくくなる”

“失神することもある”

と、書かれています。

小さかった時を思い返すと、余りにも辛くて感情も凍らせ、ただその場に居続けた記憶が残っています。

 

 

私の場合は、麻酔が効かないまま手術室に入ってしまい、鼻と口を覆われた酸素マスクで呼吸が乱れ、「息が止まる」と思ったところで意識が途切れているフリーズ体験が心身のバランスに影響を与えたと思っています。

解放できなかったエネルギーにはずいぶん振り回されましたし、まさに、ポリヴェーガル理論が説いている腹側迷走神経複合体に生じた問題が大きかったのだと思うのです。

 

 

腹側迷走神経複合体について、詳しくは、ステファン・W・ポージェス氏の著書、『ポリヴェーガル理論入門 心身に変革を起こす「安全」と「絆」』を参考に書いた上記の記事を参考にして頂きたいのですが、横隔膜より上、心臓や気管支などの臓器を制御している腹側迷走神経と顔や頭の筋肉を調整している神経との複合体で、社会交流システムとも言われています。

 

一方、背側迷走神経は、生物の進化において最も古い自律神経で、横隔膜の下の、主に消化器官を制御しています。

危機的状況で発動すると、フリーズやシャットダウンをもたらします。

 

ポージェス氏の上記の本に、

トラウマの神経生物学的な発現は、必ずしも闘争/逃走反応と言われる過剰に可動化された防衛の推移に沿うものではなく、むしろたいていは不動化の推移に沿っていることに気づいています。彼らは、解離や、絶望感を抱いており、その結果、動機づけが消失しています。(p.203-204)

と、書かれています。

つまり、私のように、戦ったり逃げたりして解放することのできなかったエネルギーによって支障が生じているケースよりも、背側迷走神経が働きシャットダウン状態に入ったのち、“事態が好転しても、彼らの命を救ってくれた生理学的状態からは、簡単には抜け出せない(P.205)”ために問題の生じているケースが多いのかもしれません。

 

「引きこもり」が問題となっていますが、まだまだ、トラウマとは何なのか一般的には知られていませんし、実は、シャットダウン状態から抜け出せないでいるのに、自分を責め続けている方が多くいらっしゃるように思います。

 

 

軽く半世紀以上前、小学校に入る前の記憶ですから、事実かどうかはわかりませんが、私の場合、麻酔の注射を打って、看護婦さんの「患者さんが眠られました」という声も聞こえましたが、「まだ起きていたんだ」と後で皆んなに言って驚かせようと、ワクワクしながら手術室に入ってしまいました。

ですから、自分の失敗に気づき、起きていたことを誰にも気づかれてはいけないと思ったものの、助けを求めようとしても動いたり叫んだりは出来なかったと思うのです。

そして、最後は息が出来ずに意識が途切れたわけですが、この場合、背側迷走神経はどのように働いていたのか、現時点ではわかりません。

 

ただ、背側迷走神経が制御している横隔膜の下の消化器官は60年間、ほぼ問題無く働いてくれています。

また、トラウマ体験ののち、繰り返し体調を崩される方もいらっしゃいますが、強迫性障害は体験したものの体に関しては大きな病気もせずに来れました。

 

そんなこんなで、肚とも言われる部位や背側迷走神経については、他の部位や腹側迷走神経ほどは関心を持たずにきてしまいました。

 

けれど、津田真人先生の著書『ポリヴェーガル理論への誘い』のおかげで、あらためて、ポリヴェーガル理論の極一部を自分なりに解釈していたに過ぎないということと、背側迷走神経複合体の重要性に気づかせてもらいました。

 

では、自然治癒力とも関係の深い背側迷走神経複合体とは何なのか?

 

次回、津田先生の著書を参考に理解できた範囲のことを書かせて頂きます。

 

 

 

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