好きだからこそ、の嘘。
美希が俺に進路相談をしてくれたこともうれしかったが、
それ以上に、「妹の看護学校進学のための参考に・・・」という口実で
山本さんと話せるかもしれないことが、うれしかった。
もし、話せなかったとしても、今までのことを
「妹が看護師になりたい、って言ってるから、
看護師さんの日常をいろいろ聞いてたんです!」
って、言い訳することができる・・・( ̄▽+ ̄*)
あんなふうに、山本さんに避けられた後だったから
本当はちょっとだけ、病院に行きづらかったけど
俺は、何事もなかったかのように、堂々とレーザー治療に向かった。
処置室には、裕美子さんがいた。
裕美子さんは、俺のほうをチラッと見た後、
「うまくやりなよ~」と口だけ動かして、応援してくれた。
裕美子さん、俺、頑張るよ・・・!!
裕美子さんと俺の間には、
いつしか、妙な友情のようなものが生まれていた。
今日も、レーザー治療をしてくれたのは、
おばちゃんナースだった。
俺:「俺、高2の妹がいるんですけど・・・」
おばちゃんナース「そうなの?」
俺:「妹が、看護学校に行きたいらしいんですよ。」
おばちゃんナース:「へぇ~。高2でそんなふうに決めてるなんて、偉いねぇ。」
俺:「まぁ、俺がフリーターでふらふらしてるから、
妹がしっかりするんだと思いますけど・・・」
おばちゃんナース:「あはは。そうかもね~」
いやいや、少しは否定しろよ・・・(´・ω・`)
俺:「で、看護師さんの仕事とか、プライベートとか
どんなかんじなのか聞いてみてほしいって、妹が言うから・・・」
おばちゃんナース:「ああ、気になるだろうね~」
俺:「だから、俺、いっつも山本さんにいろいろ聞いてたんです。
それが、変なふうに思われちゃって、山本さんにも迷惑かけて・・・」
おばちゃんナース:「ああ~、そうだったの?」
俺:「俺はどう思われてもいいんですけど、
山本さんのことは、
変なふうに誤解しないでください。
すみませんでした」
おばちゃんナース:「・・・」
ザ・無言。
えーーーーーーと・・・
俺:「それに、俺・・・か、彼女がいるんですよね~」
何、言ってるんだ?俺・・・。
おばちゃんナース:「あら、そうなの?」
俺:「だから、別に、山本さんのこと好きとか、
そんなんじゃないし・・・」
おばちゃんナース:「あらあら、てっきり山本さん目当てなのかと・・・」
俺:「看護学校のこととか、看護師さんの日常とか
聞きやすいな、って思っただけです。歳が近いし・・・」
おばちゃんナース:「そうだったの~。ごめんね、変なこと言って・・・」
俺:「いえ。俺も、誤解されるような言動ばっかりで、うかつでした。
山本さんに申し訳なくて・・・」
おばちゃんナース:「いや、私は別に、山本さんが色目使ったとか
そんなことは言ってないわよ~」
言っただろ、その言い方は・・・( ̄ー ̄;
俺:「まぁ、いろいろ教えてください。
妹、真剣に看護師目指してるみたいなんで・・・」
おばちゃんナース:「頑張ってね、って言っといて。」
よーーーーーーし。 誤解は解けた・・・か?
処置室の奥にいる山本さんのほうを見ると、
山本さんも、俺のほうを見ていた。
俺が、ニコッと笑いかけると・・・
山本さんは、深々と頭を下げた。
・・・どういう意味だろう。
「ありがとう」「ごめんなさい」
まぁ、とりあえず、最悪の状況は脱した・・・かな。
ホッとした瞬間に、思い出した。
俺、好きな子の前で、
「彼女いるから、別に好きなわけじゃないし・・・」とか、言ったよな・・・orz
ああああああああ!(´Д`;)
俺が、山本さんに初めてついた嘘は、
好きだからこそ、の嘘だった。
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ナースへの片想いに悩んでいた当時の俺に、ぜひ読ませたい。
同業者(ナース)じゃないとわからない裏情報が
いっぱい書かれていて、秀逸。
こんなの、普通の人にはわからないって・・・orz
「っていうか、これ、
俺も情報提供できるよな・・・。めちゃくちゃ、現在進行形だしw」
って、ブログでいつも言っていたら、
販売者さんから連絡があり、なんと・・・
俺の片想いエピソードも、
マニュアル内容に取り入れてもらえることに。
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