2023年後半(澤瀉屋) | 歌舞伎好きの手帖

歌舞伎好きの手帖

主に歌舞伎観劇の感想

10月28日

立川立飛歌舞伎特別公演

「三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜 忠信篇」

御挨拶

「伏見稲荷鳥居前」

佐藤忠信実は源九郎狐(中村鷹之資) 源義経(市川笑三郎) 静御前(市川笑也)他

「道行初音旅」

佐藤忠信実は源九郎狐(市川團子) 逸見藤太(市川猿弥) 静御前(中村壱太郎)他

「川連法眼館」

佐藤忠信実は源九郎狐(市川青虎) 静御前(中村壱太郎) 亀井六郎(中村鷹之資) 川連法眼(市川寿猿) 川連法眼妻飛鳥(市川笑也) 源義経(市川笑三郎) 横川覚範実は能登守教経(市川中車)他

 

立川も会場であるステージガーデンも遠かったが雰囲気がよく、又ここで澤瀉屋の芝居を観たいと思った。こんな時だからこそ青虎さんが四の切の忠信をされることが嬉しく有難く、彼が鼓を抱えて昇ってゆくのを眺めている内に涙が止まらなくなった。

鳥居前で忠信を演じた鷹之資さん、道行の團子さんもそれぞれ持ち味を発揮していて安心した。

最後の中車さんの挨拶も神妙だった。先代が一生懸命育てたお弟子さん達を大切にしてくれることを切に願う。

 

 

12月16日

新橋演舞場

「流白浪燦星 ルパン三世」

流白浪燦星(片岡愛之助) 石川五右衛門(尾上松也) 峰不二子(市川笑也) 次元大介(市川笑三郎) 頭(市川猿三郎) 牢名主九十三郎(市川寿猿) 唐句麗屋銀座衛門(市川猿弥) 長須登美衛門(中村鷹之資) 傾城糸星実は伊都之大王(尾上右近) 銭形刑部(市川中車) 真柴久吉(坂東彌十郎)他

 

「ルパンVS複製人間」のあらすじを思い出させる展開に歌舞伎らしい趣向をいくつも入れ、見た目も艶やかな年末らしい作品になっていた。らぶちゃん、独特の話し方に囚われなくてもいいんじゃないかと思ったが、小気味のよいルパンになっていた。さぶちゃんは次元のような役柄も違和感なく、引き出しの多さに改めて感じ入る。松也君の五右衛門、中車さんの銭形、笑也さんの不二子、それぞれはまり役。笑也さんは今の化粧を取り入れているということだったが、それだけで雰囲気が全く変わってしまって驚く。毎回色んなジャンルの演目に出てこられる寿猿さんの対応力にも感心する。

続編を見たい。

通人萬望軒さんによると、観劇日の45年前が映画「ルパンVS複製人間」の公開日だったそう。