バレンタインの詩②ー恋を生きる 14 | ©猫と春風の花慈しみ愛で。心。

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猫たちと暮らす穏やかでささやかな日常。
当たり前だけど、当たり前じゃない、
がかけがえない特別な宝物の瞬間瞬間。
一日一日大切に丁寧に重ねています。
(旧ブログ「神様がくれた宝物2007〜」より)



まるで恋をしなければ
生きていけないようにして
 
人は生まれ
やがて終える

ドストエフスキーは
人は傷つけ合う為に生まれた
と遺した

一番優しいカタチを
人は求めていながら

果たして其処へ
辿り着けるのか

私はどこまでも
ただ歩いている

ねむの木が枝をばさりと
落とすように
置き去りにされて
実を結ばない
心の片隅に置いた
小さな欠片たちは

胸の奥で燻り
やがて朽ちて消えて
掠れていくもの

儚い恋慕の余韻と

残されたものは
心に
ひとつひとつの
ただ小さな点となり

取り出すのは
困難のように在った

煌めきもときめきも
過ぎたものの
ただ点となった

まだ歩かなくてはならないのか
傷つけ合う為に生まれてきたのではないと
それを覆すように

ねむの木が落としたものは

遠きあの日
初めて聴いた
母の嗚咽を呼び起こした

我が娘の遠き旅立ちは
母の悲しみに満ちて

あなたがそうして
あなたの母を残したように

人は繰り返しそうして
生きていくのだろうか

優しいカタチをした
恋を求めて

求めなければ
傷つきやしないのに

人という生き物の
生きている実感は
愛のカタチを
しているのかも知れない






24分詩ですね。
若干伸びました。

涙出ました。

バジュラールのいうところの
恍惚とした中の涙。(笑)