これまでのお話
2023年、11月初旬、母が急に複視になった。
原因不明である。
いつ回復するかも分からない
賃貸マンションに住んでいた私達は、住まいの面積上も、母を受け入れるのは無理だと思っていた。
でも母は複視のため、いよいよ私の通いのサポートがあっても、ひとり暮らしをするのは困難になりつつあった。
お湯を沸かしたり、電子レンジを使ったり、エアコンのスイッチを入れたり切ったりするのも、声をかけてあげないと自らは動かないような状態になっていた。
服用している薬をいつ飲んだか、目薬をいつ差したかにも混乱する。
薬の飲み過ぎは恐ろしい
複視で物が良く見えないものだから、日常生活自体がひとりでは難しい
ケアハウスも考えた。
でも、ケアハウスのカタログの部屋は窮屈そうに見えた。
それに、母がケアハウスに移ったとしても、コンテナ倉庫に預けた実家の物は、ずっと預け続けなければならないことだろう。
あの実家の荷物を運び入れる場所は、私達の賃貸マンションにはない
ケアハウスとコンテナ倉庫両方の支払いとなると、毎月17万円~20万円ぐらいかかりそうだ。
その上、衣料品や医療費は別にかかることだろう。
いずれにしろ早く母の落ち着き先を考えなくては・・、と思っていた。
と、ある日・・・。
私は気がついた
私達のマンションのそばのアパートの1階に、1部屋空きがあることに・・・
そのアパートは私達のマンションから歩いていける距離で、ちょっと外に出て歩けば、そこの窓が見える感じだった。
もし、ここが借りられたら・・・
いいんじゃないか、と思った。
ちょっとした普段着で行けるし、小雨なら傘もいらないかも。
料理を鍋ごと持っていけるし、玄関まで回らなくても窓をノックして安否を確認できそうだった。
「ここが、いい」と思った。
絶対、ここを借りようと思った。
わかってる。
高齢者が賃貸アパートを借りにくいことは。
でも、私達のマンションがこんなにそばなんだもの。
大丈夫でしょ
きっと大丈夫
大丈夫に違いない。
きっとご先祖様が導いてくれたんだよ。
なんてことも思った。
私は、そのアパートのことを調べてみることにした。
今までケアハウスしかないと思っていたけど、希望の光が見えてきた。
これで母は私達のすぐそばに越してこられる
本当に良かったと思った
調べてみるとそのアパートは、前に住んでいた人が出ていったばかりで、つい最近貸し出されたばかりのようだった。
ラッキー
これで大丈夫だと確信した。
本当に良かった。