以下、はるぶー『個人』としての見解で、お話したことのまとめなどです。この前のでは、同じ瑕疵担保責任追及の問題として、もっと一般的に起こる故障をとり上げていて、あまり直接的ではなかったですし。
今回の件での報道を見ていて気になることです。
以下にお名前で引用するリンク先のブログエントリーへのリンクは最後にでてきます。引用部分は紫文字。

今回のマンションでの、工事や、瑕疵担保などの責任関係を図にまとめてみました。

長嶋さん
↓
旭化成建材、旭化成が前に出過ぎていて、本来の契約のあり方が見えなくなる感。本来、すべての矛先は三井、明豊といった売主に向くべきものです。
規模は全然異なりますが、多くのマンションで2年アフターサービス保証にむけて、売主と無償修理の交渉で対峙することになるパターンはごく普通です。
うちもそうでしたが、管理会社に怒ってみたりとか、施工会社に怒ってみたりとかした理事さんもいました。変に管理会社を間に挟まず、売主さんと1:1で毎月会合をもつようになってようやく進みはじめたわけですが、交渉事で一番大事なのは”交渉相手”ですよね。私は、これを自分自身の専有部分の内覧会検査で、村上健さんという方にお願いして学びました。いくら施工主が直しましょうと言っていても、売主がでは払いましょと言わないと妥結しません
このマンションは三井不動産と明豊エンタープライズでJV(共同事業体制度)を組んで事業主となっていて、住民から見た交渉先はその売主だけです。施工会社、下請け、孫請けの間での責任分担は、別に住民の人からみたらお互いの間で好きにしてもらえばよいことで、旭化成自身などの社会的責任とは別のお話です。
今回の発表で、三井不動産・旭化成の発表は
三井不動産: 建替え(全棟・全住戸)を基本的な枠組みとし、今後検討、協議。入居者に発生する損害等への補償につきましても対応
旭化成: 調査および建物の補強・改修工事等に要する費用についてはその全額を負担。建替えとなった場合は、売主様および施工会社様と費用負担に関する協議
です。食い違っているではないか!という論調のマスコミ記事をよく見ますが、三井のは居住者に対しての、旭化成のは三井に対しての責任なので、三井が払うといっているのであれば、住民や理事会からみたら相手にすべきなのは三井だけです。
逆に協議が整う前に三井は方針を決断して発表してるわけで、それ自体は責められることではないですし、別に旭化成が逃げているというわけでもないと思うわけです。
それよりは、JVで一定の事業割合を負担しているはずの、明豊エンタープライズや、旭化成建材を雇った筈の、日立ハイテクノロジーズの影が薄いな,,,と思うのですが。
特に、間にクッションを一枚はさめば、やばい工事も気軽に発注可能ということなのだとしたら責任関係はどうなのかな? と気になります。
管理組合理事会も含めて、図で青文字で示した3者の発表した”見解”は私はみたことがないのですがどうなんでしょう・・・ 少なくとも建て替えするなら、4/5を集めるのは三井ではなく管理組合になるわけで、管理組合的に建て替え方針に現理事会が賛同しているのかどうかは知りたい気もします。つい1-2週前まで補修方向で三井は説明していたということで、普通のタイムスケールではまだ理事会の合意形成すら終わっていなくても全く不思議ではありません。

トホホさんのブログには、”全戸の4/5のほか、各棟の2/3以上の賛成”と多くの報道で解説されているのに対して、このマンションは団地型の規約ではなく、単棟型での規約で、単一の管理組合なのではないか?との疑問を書かれています。
確かに配棟をみると4つのうち3つはお互いに渡り廊下(EXP-J)で連結されていて、唯一離れている南棟も、共用施設棟?と思われる建物で、中央棟とつながっているように見えます。建築確認上は”一棟申請”(個別に申請するよりかなりコストカットできます)だと思いますし、規約は”単棟型”を使っていて700戸の1棟の管理組合となっている可能性が極めて高いように思います。だとすると、棟別の2/3の条件は不要になりますね。
一方で、今回2cmほど沈下したとされている棟は4棟あるうちでは一番戸数の少ない棟でその戸数の全戸に対する割合は数えてみると12%にしか過ぎません。メガマンションでも理事の数はせいぜい20人程度が上限ですから、輪番などで比例配分で採用されていると推定される、該当する西側の棟からの理事さんはせいぜい2-3人、残り全員が残りの88%の棟からの理事さんということが想定されます。
私のマンションでも、戸数の少ない4割ほどの東向きの棟にだけ日照問題などで関連のある隣地マンション問題がおこったときに、たまたま理事会役員の8割が南向けからの選出の方で、なかなか自分の問題としては力を貸しれくれなくて苦労したことも。残り3棟は、東日本大震災も経験済みで、現状沈下はなさそうなわけで、温度差があったら理事長さんは大変だろうなぁと思います

同じくトホホさんは"全戸買い取り”がよいのでは?と書かれていますが私は長嶋さん同様に、4/5の建て替え決議で進めるしかないと思います。
全戸買い取りができれば、管理組合を消滅させることができてスムーズに進みますが、これには実際には全戸の承諾が必要です。高圧一括受電の印鑑集めをやってみればわかりますが、容易なことではないからです。建て替え決議の場合は、少数派の1/5以下のほうになった反対の人に対して買い取り請求を行う手続きが区分所有法中に決まっていますから、反対者が最後に僅かに残っても建て替え実施は可能ですから。
私は区分所有法は、辞書みたいな逐条解説本ももっていますが、普段はこのホームページを見ています。
区分所有法解説 第61~64条。
http://www20.tok2.com/home/tk4982/kubun-frame.htm
建替えに関する部分は、殆どが強行規定(規約などでほかの定めをしても無効)ですので、全戸の4/5だとか、総会は招集まで2月の猶予を与えなければならないとか、買い取り請求に対して反応しなかった部屋へのレスポンスは最低でも4ヶ月待たないといけないといった規定は緩めることはできません。
メガマンションでは、実は総会への、委任状・議決権行使書を含めての議決権の出席率が3/4に達しない状態で総会をしているところはすくなくありません。規約変更の特別決議同様、総会に議決権出席しなかった人は反対扱いになってしまうので、4/5をかなり超える議決権を議場に集めなければなりません。さすがに建替えなら総会参加するだろうは甘くて、関西の地震で倒壊したマンションでも苦労した部分です。
既にとても長いので、くい打ちの偽装とその防止策関連の話題はまた機会があれば。
【他の方のブログ事例】
〇 トホホさん
『パークシティLaLa横浜 横浜の三井の「傾斜マンション」の問題を別切り口で』
http://blog.livedoor.jp/kazutoyo11/archives/52102921.html
... ここでの疑問点・指摘点への私なりの考えを書くために続編を書くことに
【中に他のブログ事例紹介あり】
〇 長嶋修さん(さくら事務所)
『横浜マンション傾斜問題雑感 』
http://ameblo.jp/03630912/entry-12086945664.html
... 簡潔ですが、多くのメディア取材を受けてきてなぜとりあげない?という問題意識が明確です
〇 ミッキーさん
『パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと 』
http://micky0011.blog.fc2.com/blog-entry-47.html
... 理事会側の想定される苦労についてや、築~10年となるとずっとコミュニティをやってきた人もいる筈とか、そのあたりさすが人間味のある考察です
〇 廣田信子さん
『「パークシティLaLa横浜」はなぜ傾いたのか?なぜ表に出たのか? 』
http://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12086577138.html
# 私のブログは引用リンクを多用するのですが、
リンク先をクリックすると別窓が開く設定にしてみました。
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