この前の回ののらえもんさんの本の書評は、”プロ”の書いたものでないから書けることがあるよねという話でした。マンション購入指南についての話でしたが、実は管理組合編も事情は同じです。
世の中に存在する管理組合関連本は、ほぼ全てが管理士さんが書いたもので、その殆どを私は本棚にもっています。 読んでみると分かりますが、お金だして本を買っているにも関わらず、”この先は有償メルマガで!”とか言われたような残尿感が。
一番肝心のことは書いてないので、著者の人には失礼ながら購入の元がとれたなとか思ったことは実は一度もありません。
マンション管理ブログでもこれは同じで、私は個人的に ”面白いから毎回定期購読したい!”と思う管理士さんのブログをかつて見たことがないんですよね。私が全てのエントリーを購読しているブログの著者は、管理人さんか、理事長さんで、全体の9割くらいを占めている管理士さんのは殆ど読みません。
理由は単純で、「一番肝心のことが書いてないために読んでもつまらない」から。
とある管理士さんが、おそらくはネットでは著名な管理人さんに噛みついていました【もう消されているのでリンクも、消去しました】理由は管理士ブログはつまらないと書かれたから。
”つまらない”というのは【個人的感想】だから、
”間違っている”と書かれたのと違ってそれに怒ってもとは思う。
# 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に管理員がでてこないから、ため口をきくなってのもどうかなぁ.... それをいうなら区分所有法には(法人化されてない場合)理事長も理事会もでてこないんだけど。
別に管理士さんがいなくても(多分9割超えで雇ってない)マンションそこそこ回ると思うけど、管理員さんなしでは無理。どちらがより組合にとって重要かは自明です。そういえば管理人はかくあるべし論を正しく論じられる管理士さんもいないかも。管理員をやったことない人には無理だと思いますが。
メシのタネだから、エッセンスは書かないってのは無論”プロ”だから自由ですが、では問題点の指摘で終わっていて一番肝心の解決策の要点の書いてないブログに存在価値ってあるのかなぁ。
宣伝のためのブログだとしても読んでもらえてなんぼで、いつも問題点指摘だけで終わっていたら、その人が自分のマンションの理事会がお金かけて頼むに値する人物かどうかを判定する方法がありません。
典型的な管理士さんの本・ブログの基本的構成は、
”管理組合の管理士事務所に払う委託経費は、サービスに対して過剰である”
”管理士に任せれば、ざっくり何割も削減可能であるから相談してね”
というもの。
<ありがちな”管理士系”の本・ブログの特長>
世の中の情報発信者の殆どが”管理士系”なんですが以下割り引いて読む必要はあります。
① 必要以上に管理会社に対して攻撃的である
... 「委託経費が高いから、リプレースしましょう」は論理的に変だと思うけどな。実は管理会社も、管理士さんも、管理組合をあいてに商売してお金を得るという構図は全く同じです。本来機能が違うので別に敵対する必要もないんですが、管理会社は儲けていてけしからんから話に入る管理士さんがとても多い。
営利企業なんだから、特になにも言わないのに値下げする必要は毛頭ないし、組合側から契約を切れるのと同様に、サービスにみあう対価をくれないか、対価に対して過剰なサービスを要求する組合との契約をぶった切る権利は管理会社にも当然ある。
「なんでも安くできます」系の管理士さん、一通り仕事が終わると、最終段階では「管理士自身への報酬」の削減が組合のテーマになって、当人が首を切られる例がとても多い。「コスト削減」をメインテーマに売り込めばまぁ必然的にそうなるしかありません。
② 「管理費は必ず削減できます」とか何故か必ずお金の話になる
...管理組合運営の要諦は、別にコスト削減ではなくガバナンスの確立だと思うけど、「正しい総会や月例理事会の運営方法」や、「理事会に理事全員に出席してもらう方法」あるいは「規約改正のポイント」を説いた管理士本はみたことがありません。1-2割委託経費を削減するより、理事会・総会が成り立って、どんどん規約を変更していけるほうが大事だと思うんだけどな。
削減額に比例しかコミッションしか要りませんなんて売りこみ文句で、その程度で釣られる組合の仕事しかないのだったらちょっと悲しいですね。
うちのマンションで採用した管理士さんは4-5人面談した中で、一度も自身の報酬も含めてのお金の話をしないで、理事会の運営方法の改善について熱く語ってくれたので採用したんですが、変かなぁ。別に管理費が余ってようが、足りなかろうがそれで契約したり、やめたりする気は私はありません。
③ 問題点の指摘にとどまっていて、解決策のエッセンスがでてこない
... 委託経費削減がテーマなら、個別にばらばらにした上で、ここはこれが相場ってのを書いてないと本としては成立しないと思う。
ちょうどこの直前の回の私のブログみたいに、では管理員・清掃員・警備員の時間単価はいくらなら適正なの? と雇用コストは1時間いくら。。。って”適正単価の数字がでてくる”本すら見たことないんですよね。
無論沢山コンサルしてる管理士さんが知らないはずはなくて、”書いたらメシのタネがなくなる”からなんですが。
所詮は時間がかかるかどうか程度の差で、管理コストの削減というのは誰でも実施できるものです。決して組合運営の要諦というものでもない。その程度で出し惜しみ??とも思うわけです。
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無料のブログならまだしもお金だして本買って、後は私にコンサルを有償で受けなさいが事実上の結論ってのはひどくないかなぁとか。
いつかマンション管理組合のコア理事という当事者が本を書くしかないかなとか思ってはいます。理事会辞めないととても時間とれないけどwww
#管理士さん全般にケチだけつけておいて、実践が伴わないのもなんですので、
管理編は次回からは管理費の滞納対策について、
探訪編では、マンションの内覧会検査について
で交互に書いていこうかと思います。
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、
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