久々に、マンション探訪編です。
このブログでも探訪編でおなじみの「のらえもん」さんがマンションの購入から売却までの方法を書いた本を出されました。献本して頂いて一足先に通読しました。
<表紙表>
既に本屋さんなどでは棚にならんでいるところもあるようで、Amazonで予約注文も可能になっています。
のらえもんさん本人のブログに、販売開始の報告と、読んだ人の感想などがでています。
【本当に役立つマンション購入術】発売開始!
→ http://wangantower.com/?p=10653
結論からかいちゃうと、初心者から中上級な方まで非常に参考になるので、是非一家に一冊。
書いてある内容は、具体的なマンション選びをする前に抑えておくべきことですので、結婚しているなら是非夫婦で回し読みをするといいのではないかと。
一部のらえもんさんの案内の中で紹介されている”あかい”さんのブログでの感想とかぶりますが読んでの感想です。
この本の特長:
マンション購入指南をテーマにした類書は多いですが、身銭を切ってマンションを買う”消費者”の立場を徹底した本は極めて珍しい
これは、本の副題に『専門家は絶対に教えてくれない!』と入っていますし、裏表紙には、こんな新しく本を出す意図を恐らくはご本人が企画で売り込んだ文章だと思いますがでています。私はこのセリフが気に入りました。
<表紙裏>...のらえもんさん本人の許可を得て
本は「専門家」に書いてもらえばよいと思いがちですが、「専門家」≡「その道のプロ」は、その道で食っていかないといけません。本の印税だけで食っていけるわけではないので、どうしても、『私は著書とかもある権威ある専門家です、後は連絡してコンサル受けてね!』が目標とならざるを得ないので、最終的な解決方法のエッセンスというのは、どの本を読んでもまずでてきません
マンション評論だと、モデルルームで講演会やって講演報酬を貰っているセンセイもいます。まさにそのマンションが買いかどうかをエンドユーザー向けにコメントしたら利益相反ですね。
収入を得ている相手を怒らせてしまうかなといった内容や、業界の内情をバラすような内容は書けないでしょう。
一方、のらえもんさんの本には、中古仲介でよく問題になる「囲い込み」(売主側についた仲介業者が、買い手側からの照会を故意に取り次がないこと)の有無を見分ける方法とかがでてきます。専門家はまぁ教えてくれないでしょうねぇ...
"のらえもん”さんのブログ読者よりもっと広範囲を扱っている (決して湾岸限定ではない)
もともと、のらえもんさんのブログは、湾岸(必然的にタワー中心になる)をテーマに新築中心とテーマを絞っているので、地域+収入層(確かブログの読者平均だと年収が1200万くらいになるそうです)などが偏っていてそのままで一般向けの本にするのは難しいかなとか思っていたのですが、そこは読者に合わせてかき分けのできる”のらえもん”さん
(これは凄い能力です;私は等身大にしか書けない)のこと、きっちり、より汎用的に、マンション購入の基本にまとめてきています。 あえて、炎上しがちな”立地ネタ”にはディープには踏み入っていない代わり、中古購入のコツなどまでカバーしているのはうまいなと思いました。
解説全体も、いつも愛読者が読んでいるブログよりちょっとだけ初心者向けもカバーしています。
表紙を見て、なんでタワーじゃなくて、板型低層の、物干しの設置方法が昭和なテイストのマンションで、しかも東向きなの??(屋上にのっかってる太陽光発電のパネルの向きで確定する)とか思ったのですが、あれを敢えて湾岸タワー風にしなかったのは、のらえもん先生の深慮遠謀に違いない。
案外(?)人間味を感じる...
マンション購入指南本は、さて資産価値保全で数字を上げながら説いていくと、どうしても、都心など立地が全てで、多少背伸びしても頑張って利便性のいいとこ買いなさいという結論になりがちです。もともとの湾岸のお値段でも、世帯年収1000万はないとこれをつきつめた”沖有人”さん的ご託宣には従えない。今はもっとあがって1500万~2000万かな。
この本でも”ニュータウンはやめとけ”(もっと遙かにマイルドに、ポリティカルコレクトな表現ででてきますが、まぁ超要約するとこうです)とか、基本的な立地選択に関する方向性は、沖さんの本などと変わりません。
一方で、その論じ方には、人間味を感じるので読んでいてむっとすることがありません。もともと、沖有人さんと中山登志朗さんって、言っていることはとても近いのに、なんで、沖さんの言いっぷりにだけむっとするのだろうとか思っていました。 ご託宣は正しいけど、それが実行できるだけの収入とか伴わない場合の反感の持ち方が変わるんですよね。 まぁノリが実は近い私がいうのもなんだけど数字が服着て歩いているよーな...
のらえもんさんの本は、こちらがお得かもといった比較は多数扱いながらも
「親から生前贈与を受けてでも、都心にいけ」とか
「マンションは修繕とかでめんどくさくなるのを避けて
10年ごとに買い替えなさい・・・」
とか、決めつけ調な台詞はでてきません。
考えるためのヒントといった提示になっているので
”資産価値保全” 偏重でとにかく目減りしないマンションのほしい夫と、
広さ・間取り・日照・周辺に公園など ”生活面重視” な妻が、
夫婦2人で読んでも、喧嘩にならないでマンション購入の基本が抑えられるのではないかなと。
これは多分のらえもん家でも、そんなやりとりがあったのかもなぁとか邪推するのですが。
以上書評でした。身銭切ってない本の評価を書くのはやなので実はAmazonからも1冊買ってます。
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湾岸タワーなどには、周辺に自治会/町内会組織をもたないところも多くて、のらえもんさんの提唱する”住んでハッピーになりましょう”を実現していく上では、メガマンションの理事会運営(特に横の繋がりの確保)がキーになるかなと思うのですが、ブログを辞めたときにも”記念”が残るようにということで本にされたのらえもんさんが、今後どういう方向に進んでいかれるのかには興味がありますね。
.... 管理組合ネタでブログにされると、管理組合理事のブログではアクセス最大(多分そうなってます)ってこちらの売りがなくなるから困るかも。
# なお謝辞など中に、2回ほど私はるぶーの名前が”実名”ででてきます。今にして思うと、別にはるぶーで良かったから、管理組合編とかで事前に原稿にコメントとか求められた時に、そう頼んでおけばよかったかもな。
!! 重要 !!
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