管理士が管理組合を”格付け”する違和感 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

先日のブログでとりあげたマンション管理士の診断で共用部の保険が割引になるサービス
 
このところいろんな人(管理士さん自身を含む)がとりあげていて、ブログ村の管理組合関連だと一時期上位にずらっと並んでいました。
 
こちら、管理人トホホさんのまとめ
 
http://blog.livedoor.jp/kazutoyo11/archives/52067267.html
 
 落ち着いたのでもうちょっとだけ。 
先の私のブログでは、事実上管理士の団体が1社だけの推奨するのは如何なものか?という疑問を取り上げましたが別の面からです。
 
リスク細分化の考えが極端になっていて、現在20年を超えるような築年数のマンションが新規に会社を替えて共用部の保険には加入することが極めて困難になってきています。入れても保険料の将来的な激増を覚悟しないといけないので、まだ比較的築浅なうちも無縁ではありません。これを管理士団体として問題として、きちんと修繕履歴などがあるマンションも含めて一律に古いから保険が付保できないのを食い止めようというのはとても志の高い素晴らしいことです。
 
ー 保険会社は、一定のリスクを回避して”まともな”管理組合に付保できる
ー 管理組合は、20年超とかでもきちんと頑張っていれば、保険に入れる
ー 管理士さんは、その適切な診断でもって、いくばくかの報酬を手に入れる
 
ちょっと大きなマンションの保険料率が2-3割も変われば、数年で100万単位では違ってきますから、管理士さんの得る僅かな報酬でみんなハッピーになれるわけです。
 
ただ一つ、私が個人的にひっかかるのは、その管理士さんへの報酬を保険会社が支払うとなっている点だけです。これはやはり最初にボタンの掛け違いがあるのではないか?
 
プロであれば一つの仕事で、複数の顧客から報酬を貰うことはできません。
 
今回の仕事でいえば、ある管理組合が2-3割の保険料値引きに見合うだけの良好な管理状態であることをチェックするわけですから、Yes/Noだけだとしてもこれはどう言いつくろっても管理組合をなんらかの意味で”格付け”をしていることになります。

やばい組合は切ってくれという保険会社の立場と、とにかく高めに格付けしてほしいという管理組合の立場は全く一致しません。どちらかの立場にたって調査を行うしかないと思います。
 
保険会社から報酬をとって格付けするならば、査定人に徹してその管理組合に関しては一切お仕事はしませんというのが私なら必須かなと思う点で、これは、その診断料が、割引の有無で変わってくる保険料に比較して無視できるほど安いかどうかにはよりません。
 
私は管理士ってのは、困っている管理組合を助けてくれるためにある存在だと信じています。この例でいうとよい”格付け”をもらうことで保険料の大幅値引きという利益を得るのは管理組合です。例え今は苦しくても管理組合が自腹を切って依頼して、管理士さんは、私が責任をもって診断しましたが、配管更新など適切な修繕歴があり、リスクは低いと考えますと組合と連名で診断には責任とりますという文章を保険会社に対して出すのなら、とても素晴らしいことだと賛同できます。
 
それとは逆に保険会社からお金をもらって調べにくるなら立場は”格付け査定人”とならざるを得ません。保険値引き不可の判定結果だったとして、それを管理士さんが、管理組合で頑張っている理事長さんにどう告げるんだろう?とか思うわけです。
 
そもそも、ずっと管理組合の顧問をやってきた管理士さんだったら、組合の格付けが低いということにはご本人にも一定の責任があります。ダメだ!と格付けしたら、それあんたがダメってことでは?となりますが、では素晴らしい!と格付けしたらお手盛り?と言われるだけでしょう。
 結局のところ、管理士さんがなんらかの意味でつきあいのある管理組合を格付けしても誰も幸せにはなれません。なのでどうしても格付けするならその組合とはお金の絡むおつきあいしないしか方法がない。
 
一方で、保険査定の前に一切おつきあいがない管理組合を、わずか数時間やそこらで格付けできるのかな?とも思うわけです。〇X△とシートに埋めていったら、はい格付けはこちらというほど管理組合って簡単なものだとは思えないんだけどなぁ・・・

#管理組合はそもそも格付け不能では?というテーマでのブログは過去にかいたので繰り返しません
  
http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11940081314.html 
 
こう考えると、私はなによりもまず本当に困っている管理組合の味方をすべき管理士さんがいかなる意味でも、管理組合に良し悪しをつけるという”格付け”につながる行為をすること自身に賛同はできません。
”格付け”するなら管理会社を格付けするのが先だろうと私は思うのですけども・・・
 
例1)リプレースして今より委託経費の安い会社に代えたら、その代えた会社に費用を払ってもらうから、管理組合からはお金は頂きませんという管理士さんがいたらどう思うでしょう?(実際に例があります)
 ”プロを” ”自分のために”雇っておいて、お金はいりませんというのは普通に考えるとなしではないかなぁ・・・と思うわけです。 確かに理事会としては、お金かからないでなにかできるわけですから、総会対策とかは楽になるかもしれませんが、少なくとも私はきちんとコミッションを管理組合に請求してくれる管理士さんとお付き合いしたいです。
 
例2)マンションのモデルルームに呼ばれてデベにお金貰って講演会した住宅評論家が、そのマンションに、一般検討者向けのポータルサイトなどで買い推奨を出していたらどうなのよ?とか思うのではないでしょうか。
 
 首都圏の管理士会には呼ばれて講演をさせてもらったこともあります。
特定の団体や、会社を批難することがこのブログの目的ではありません。”士”終わりのハイレベルなプロなのですから誰からお金をもらうべきかは強く意識してほしいなぁという希望です。
 
 この件については、今後の意見表明は行わずこれまでとします。
 
 
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、
勤務先、その他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません


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